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冬の間、隣町へは行かなくなる。
白銀の雪で街道は埋もれ、各街の門は氷に閉ざされる。
自分の安否を知らせる術もなく、彼女の安否を知る術もなく、
寒く暗い日々を送る。
雪が解け、草が緑を取り戻す頃、行商は再開される。
冬の間に作られた工芸品を積んだ荷馬車が、
狭い街道を行き来する。
彼女との再開に贈る為に、初めて作った銀細工の
装飾品を携え道を急ぐ。
ようやく見えてきた門の横で彼女は微笑んでいた。
冬を越し、彼女はより若々しく美しくなっていた。
自惚れかもしれないが、自分の存在の為に違いないと確信していた。




