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LATER-2
見てもらいたいものがある、とその旅人は告げた。
それは何の変哲もない一振りのくたびれた短剣。
骨董としての価値はないようですがな、手に持っていた短剣を返す。
まさかこの歳になって鑑定眼を試されるとは・・・と思っていると、
旅人はさらに一枚の古ぼけた紙を差し出してきた。
実はこの手紙が鞘から出てきたのだという。
手紙のあて先にはこの村とワシの名前、差出人は書いていない。
ゆかりの品だと思い、旅のついでに立ち寄りました。
土産に市場で買い求めた物なので、その短剣はお返しします。
そう言う旅人に感謝の言葉と、謝礼を渡し見送った。




