シドーとソウルの真実
シドーとソウル、そしてジンとソフィアの4人は
城に到着し、女王に謁見して居た。
「随分長い間、行方をくらましていたじゃないか。ソウルとシドー。」女王が二人に語り掛ける。「何か、相変わらずつっけんどんだなあ。女王陛下様。」ソウルが憎まれ口を叩いた。シドーが、「これ!坊っちゃん!女王陛下に対し口の聞き方を気を付けんか!」と一喝する。ソウルは両腕を頭の後ろに回し、明後日の方向を見ながら口笛を吹いている。女王はと言うと、ソウルのそんな様子をまるで気にも止めていない様子だった。
シドーが語り出す。「女王陛下様。申し訳御座いませぬ。実はあの大戦の時、我々は戦力を持っておらぬ為、敵軍から逃げ惑っていたのであります。そして牧場を逃げ出し、この王国からも逃げ出したのであります。」シドーが続ける。「そして、我々は、敵軍が追ってこれぬ山の上まで逃げたのであります。そして、その山でずっと潜伏…いや、芋って居ました。」そしてシドーは「芋プレイ芋プレイ」と言いながら何やら変な、形容し難いキモい動きをし始めたでは無いか。それにまた続く様にソウルもシドーのキモい動きを真似し始めた。その様子を見ていた女王が、これまたいつもの様に無愛想に話し始めた。「敵軍が追って来れない山の上まで行って隠れながら芋プレイ…か…。実に、戦力を持っていない無力なお前ららしい立ち回りだな。」ソウルがむすっとして答える。「無力とは何だよ。無力とは。失礼しちゃうなー。」女王は、「実際にそうなんだからしょうがないだろ。」とあしらう。ジンは、「芋プレイか…。何か、PUPGみたいだな。いや、PUPGっつーか、FPSみたいっつーか。」と口にする。そして、「まあでも、実際にPUPGとかFPSでも芋プレイは強いっつーか、ズルい作戦だからな。お前らが無力なら、尚更だ。」と続ける。
ソウルは「いやだから、無力って、不躾な…。」と再び不貞腐れている。それを聞き、ジンは「おっ、お前、その年で良く不躾なんて難しい言葉を知ってるなー。」と感心する。「で、でも兎に角、お二人共無事で良かったです。ずっと心配して待っていましたから。」ソフィアがその場を宥める様に話し掛ける。女王が取り仕切る様に、
「さて」と一幕おく。「二人共、無事だった訳だから、取り敢えず、お前ら二人にも復興を手伝って貰うぞ。…いや、と思ったが、その前に先ず、お前らに関しては、牧場の復活の方が先か。」女王が冷静に説明した。「それなら」ソフィアが話しにまた入って来た。「私達も牧場の復活を手伝いましょう。ジンさん。」とジンに提案を促す。ジンも頷き「そうだな。せっかくこいつらが帰って来たんだ。先ずはこいつらの為に、あのオンボロ牧場を復活させねーとな。」とコメントする。
シドーは少し咳き込み、「かたじけない…。」と語った。ソウルもまた「有難う。ジンにソフィア。」と小生意気な子供らしく小憎たらしく御礼を言うのだった。
―場面変わり、牧場前。オンボロ牧場の前にソフィアとジンとソウルとシドーの4人が集まっていた。牧場を4人で見つめているとソウルが真っ先に喋りだした。「あのさー。先ずは取り敢えず牛さんが居ないと話にならないよねー。だって牧場何だからさー。」ジンが応答する。「で?その牛さんってのはどっから仕入れて来るんだ?」シドーが言った。「そりゃ勿論、外からでしょうな。」
「外って…、王国の外って事ですか?」ソフィアが疑問を語る。シドーが黙って相槌を打つ。
ソウルが得意げに大声を張り上げる。「さあ、そうと分かったら、皆で牛を捕まえに行こー!」
拳を突き上げてエイエイオー!と言った感じである。全くいつの時代も子供と言うものは大人では考えられないぐらい元気なモノだなとジンは苦笑しつつ、皆と一緒に王国の外に向かう事にした。
王国の出入り口のゲートを潜り、先ず真っ先に向かったのは、王国の外の平野である。辺り一面に青々とした原っぱが、地平線まで壮大に広がっていた。ジンが三人に話し掛ける。「なあ。あのさあ、此処に牛が居るのか?」ソウルが少し間を置いて反応する。「うーん。多分居るんじゃないかな。前は此処に居たし。ジンはずっとニホンに居たから知らないだろうけど、牛が好きな草が此処には一杯あるからね。…あ!ほら、見て!あそこ!」ソウルが指を指した方向には、牛が居た。地平線の遥か彼方である。遠近感のせいで小さなサイズにしか見えないが、確かに歩いて、草を食べている。しかし、そこでジンがふと疑問を口にする。「なあ。あのさあ、牛を見つけたのは良いが、どうやって牧場まで連れて行くんだ?肝心のその方法が分からねえぞ。」一同が各々の顔を見回す。と、その時だった。「ん?」ソウルが何かに気付く。「ねえ、何だろう。あれ?」ソウルが遥か彼方の青く澄み渡る空を指差した。一同が指差された方向を見上げる。すると、遥か彼方の青い空にキラーン。と、一筋の白い光が光ったのが一同の目に入ったではないか。そして、それが早いかどうか、その光が一瞬にして大きくなって、距離を詰めて来たかと思うと、ドカーン!と耳が張り裂けるかの様な爆音が周囲に大音量でこだました。
辺り一面にモクモクと白い煙が立ち込める。一同がケホケホとむせ返る。そして、その煙が晴れて来ると、中から人影が姿を現した。そしてそれは、ダックだった。「この俺様をお呼びかな?」ダックが自信満々に断言する。ジンはむせ返りながら、「いや、あの、別に誰も、お前の事なんぞ呼んでねーんだけど…。」とたじろいだ。しかし、ダックは「この平野でお前らが、牛を捕まえて牧場に連れて行くのをこのダック様に手伝って欲しいーっ!って、俺に助けを乞う心の叫びが聞こえたんでな。」と意気揚々と話す。ジンが頭に汗をかきながら引きつった苦笑いをしていると、
「それにしても物凄い身体能力ですわね。ダックさん。一体何処から飛んで来たんですか?」ソフィアが尋ねる。ダックは得意げに笑うと「王国からジャンプして飛んで来た。俺は魔法を使えない分、体力と言う体力を鍛え上げたからな。」と話す。ソウルがそれを受け「いや、体力鍛え上げたとか言うレベルじゃないよ!化け物かよ!」とドン引きする。シドーが対照的に冷静な面持ちで「女王陛下のボディガードたる者それぐらいの身体能力が無くては、務まりませんのでな。」とダックに同意する。ダックはシドーにキラーンと白い歯を見せてドヤ顔する。ジンが頭をかきながら、「でもよお。ダックの身体能力が幾らチートだからって、どうやって牛を牧場へ連れて行くんだ。」と最もらしい疑問を口にする。ダックはまたも不敵な笑みを浮かべると、「クックック、それに付いてはまあ、こう言う事だ。」と言い切った。次の瞬間だった。目の前から瞬時にダックが消えたかと思うと、また再び目の前に現れ、牛を連れて来ていた。「えっ…」一同がドン引きしている。ダックは超人的な身体能力で超スピードで一瞬で牛に接近し、目にも止まらぬ速さで牛にパンチを食らわし、気絶させて、抱えて、また超スピードでジン一同の元に連れて来たのだった。
「ジン。お前に対しては、以前にも森でカエルの魔獣を俺が倒した時も言ったな。俺の体力に関してはまあ、こう言う事だ。」とジンに言った。続け様に「俺が超ゆる〜く遅〜くパンチしたらこの牛の奴、目から星が飛び散って気絶して倒れちまいやがったぜ。」と説明するのだった。
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