第30話 灯り祭り
半信半疑だ。
そんな事、出来るわけない。
そう思った。
だが、「ベーカリーステーションレンガ」の店長のおばちゃんにしおりさんが話したら、「おもしろい!やろう!」とか言い始めた。更に、知らぬ間に洋館の町の市役所やJRまでも巻き込む大騒動になって来た。
「さぁ、基盤は出来たよ!リオナ!」
と、しおりさんが言う。
「この基盤を元に、リオナが、最後の紅いディーゼル機関車の銀河鉄道を作るのよ。」
と言われたが、どうしろと言うのだ。
その時、目に入ったのは、かつての貨物ホームに保存されているEF15電気機関車。そして、秋の終わりから冬の間に、この町でお祭りがある。
夜、町を流れる川の畔にガス灯を模したランタンが灯され、町の中にある大きな銀杏の木が生えたお寺や、町の洋館をプロジェクションマッピングや、花手水、和傘、竹灯りのライトアップで彩る「灯り祭り」だ。
これに合わせ、JRでは何かイベント列車を走らせるという事はしないのだが、自分達が要望し、更に、その列車の車両を使ってイベントを行えば、町やJRの収益にもなり、自分達だけの特別な列車を走らせる資金も得られる。
「よし!」
と、自分は、企画書を店のパソコンで一気に書いて行く。
(貨物ホームの除草とEF15の塗り直し―。これは専門業者も必要だが、塗り直しと除草はボランティア活動やイベントの一環としてしまって、収益を得る。そして、特典として、DD51とEF15の並びの撮影が出来ることにする。旅行商品として、DD51とEF15の並びを撮影するプランも売るが、この価格はっと―。)
等と、頭の中をフル回転させる。
一連の企画書が出来て、それを印刷し、市役所の役人やJRに提出。
(まぁ、滅茶苦茶もいいところだから、通りやしないだろう。通ったらラッキーくらいに思っておけばいい。と言うか、やれるものならやってみろ!)
と、思っていた。




