第13話 碓氷峠鉄道文化むら
碓氷峠鉄道文化むらの入口を潜って、園内に入る。
流石に、横川運転区の面影は少ないが、それでも、研修庫や乗務員詰め所だった建屋はそのままで、詰所だった建屋は鉄道資料館になっていて、ここには碓氷峠を越えた鉄道の歴史を伝えるジオラマがある。
スケールこそ、自分の持つNゲージよりも大型のHOゲージであるが、碓氷峠を越える鉄道歴史ジオラマは、横川―軽井沢間をエンドレス型のジオラマで再現しており、北十字―南十字間の銀河鉄道を表現するのに参考になるだろう。
ただし、このジオラマは横川駅の他、別の列車のための駅もある。
そして、別の列車のための駅がある線はエンドレスなのだが、横川駅を含む、横川―軽井沢間を再現した線はエンドレスではない。
デモンストレーションが始まった。
デモンストレーションで列車が運転される。
それを見終えると、研修庫の方を見て歩いて、鉄道車両屋外展示場へ行く。
こちらには、碓氷峠とはなんも関係ない車両も展示されているが、これは国鉄時代に京都の蒸気機関車博物館に対し、電気機関車の博物館を作ろうとしたが、計画が頓挫して宙に浮いてしまった展示用車両を碓氷峠鉄道文化むらの開業に合わせて押し込んだためだ。
(しっかし、屋外を走っていた車両を屋外で見るべしという考えから、屋外に屋根も無く展示されてはいるが―。)
と、思いながら、EF58やEF30、EF70を見る。
ブルーシートや養生テープが車体に貼られている車両が多い。
EF70とEF30は運転席の窓のHゴム交換、EF58は屋根の修復らしいが、それ以外にも痛々しい姿の展示車両が目に付く。
EF65やEF60はブルートレイン牽引機たる特急色だが、色褪せている。
そして、隅っこに置かれているDD51の1号機も同じだ。
このDD51は、初期型のDD51の中で唯一の保存車だ。
初期型のDD51は重連運転が出来ない仕様もある等、不便な点もあり、JRに継承された形式は無かった。
DD51の横、ライブスチームのミニSLと、園内を一周するSLの線路を挟んだ線路を、EF63が進む。この線路は、かつての信越本線の廃線跡だが、その一部区間を使用して、かつて活躍していたEF63の体験運転が出来る。
体験運転をするには18歳以上で、狭き門の抽選で当選し講習を受け、試験に合格しなければならないが、自分はまだ18になっていないので、そもそも抽選にすら申し込めない。
(早く大人になりたいな。)
と、自分は空を見上げた。




