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EP6 リルスカ平原の戦い

シルバーフラスコの命運を握るリルスカ平原の戦いが始まりを告げた。突撃部隊隊長ゴルメッシャが開戦のゴングを今鳴らす!

「すげー…」

これがセアが初めて戦場に立った感想だった。

(味方の熱量も敵の圧力も武器の重ささえ想像以上だ…)

「大丈夫かな…?」

ふとそんな言葉を口に出してしまう。

「どうしたのセア君?緊張しているのかい?」

後ろからぬるっとナゴンが声を掛けてきた。

「うおっ!?…ナゴンさんじゃないですか、どうしました?あなたは左側ですよね!」

「緊張していると思っててね、あと僕は呼び捨てでも良いよ」

「もし緊張していたらどうするんですか?」

セアが少し強がって聞くと

「ゴルメッシャをよく見ておいたら良いよ。彼は最高のスタートダッシュを切ってくれるからね」

「そうですか…」

「まぁ君はもうすでに幹部を倒しているから薄々気付いていると思うが、レイスフォルドは個人の力はそれほど強くない。だから冷静に戦ったら勝てるよ。むしろボーナスステージだ」

「フフッ」

セアは少し笑みがこぼれた

「やっと笑ったね。君は笑っている方がいいよ」

そう言うとナゴンは自分の持ち場につくために移動していった。

「俺も準備するかな」

セアがストレッチをしていると

「お前らいくぞー!」

『おー!』

ゴルメッシャの掛け声が聞こえてきた。

「開戦か…」

セアは昨日聞いた作戦を思い出す。


昨日の夜

「一応セアもいて陣形が変わったから作戦を伝えておくね」

エルナが宿屋の1室に集まっている人をぐるっと見渡した。メンバーはセア、ナゴン、ゴルメッシャだ。

「あれ?シェパレ先輩がいませんね」

セアはナゴンに聞くと

「いーの、作戦は明日俺が伝えとくから」

「じゃあ時間も押してるし始めますか」

「まず基本的な兵力だけど、私達はリルスカ町の突撃部隊27人を合わせて42人、相手は【レイスフォルド】の第一部隊だから少なくとも170人いるのに加えて強さ未知数の幹部2人ね」

「強さ未知数は結構ヤバくないですか?」

ナゴンが指摘すると

「そこでセアが役に立つのよ」

「俺ですか!?」

エルナの突然の指名に動揺が隠せていない。

「セアは前に幹部を1人倒せている。セアが勝てた相手ならもしセアが倒した幹部より強い敵が来てもゴルメッシャとナゴン&シェパレなら勝てるはず。だからあまり気にしてないのよ。そんなことより陣形を決めなきゃ」

エルナが言うとナゴンが地図を取り出して床に広げた。

「リルスカ平原は縦に細長いから相手は兵を何重にも重ねてくるはずだから陣形の層が厚くなると思っているわ」

エルナが地図に指をさしながら言う。

「だから始めに突撃部隊に馬で相手の陣形の中央に突っ込んで相手を撹乱させてもらうの」

「結局いつもの作戦じゃねぇか」

真顔で言うエルナにゴルメッシャがつっこむ。

「だってそれが1番安全だもん。ゴルメッシャは簡単には死なないし…ってそんなことより次よ」

エルナは再び地図を見る。

「相手が突撃部隊の対処に追われている間に2つに分けた歩兵部隊で攻めて突撃部隊と合流させるわ。左側にはナゴンとシェパレ、右側には私とセアを置くわ」

「その後は…」

セアが尋ねると

「乱闘よ」

「嘘つけ」

エルナのボケをゴルメッシャがすぐつっこむ。

「正確には一時的に乱闘して相手の幹部わ引き剥がしてもらってみんなが避難したら、私が全部銀にするから」

「そっ…そうですか」

(これで良いのか…)

セアが困惑していると

「これが出来るから団長は強いんですよね~」

ナゴンが上を見ながら言った。

「じゃあそれでおねがい」

エルナはみんなを見つめて言った。

「でも本当に大丈夫かな?」

セアは思い出してみて作戦のガバガバ具合に

気づいた。


「おらぁ!突撃だ!」

ゴルメッシャ率いる突撃部隊が気迫の表情でレイスフォルドの陣形の中央に突っ込んでいく。

エルナの予想は当たっていた。レイスフォルドは横並びだが層が厚めのなんの捻りもない陣形だった。

「いくぞ!ウィンドバースド!」

ゴルメッシャが槍を中心に竜巻を発生させて次々と第一部隊の構成員をなぎ倒していった。

「こいつ!狙える隙がねぇ!」

「リーチが違いすぎる!」

構成員はなす術もなく突撃部隊に押し潰されていった。

「そりゃそうだ」

遠くからゴルメッシャが一方的に敵を倒すゴルメッシャを見て呟いた。

「今のゴルメッシャは馬に乗ってさらにリーチが伸びてるのに加え、歩兵じゃ到底追い付けない機動力、ウィンドバースドによる攻撃範囲、並みの敵じゃ勝てないよ。」

「…じゃあゴルメッシャの弱点は?」

ナゴンの隣でスタンバイしてたシェパレが聞いてきた。

「それは…ーーーーーーーーーーーーーーーー」

ナゴンが答えてからゴルメッシャを見つめた。

(ゴルメッシャ、無茶はやめてくれよ…)

「おらぁ!おらぁ!どうした?どうした?この程度か?」

(全然幹部に会わないな)

ゴルメッシャは突撃部隊を半分置いていく勢いで既に陣形の奥深くまで侵食していた。

(このままエルナが来るまで敵を削り切るか)

そんなことを思っていると

「おっ?いかにもってやつだなぁ!」

いかにも他の構成員とは違う服装をしている男を見つけた。官僚のような佇まいで戦闘員っぽくなかったが場数だけは無駄に踏んでいる感じ雰囲気がした。

「おい!そこのお前!俺と勝負しよう!」

ゴルメッシャは槍の竜巻を強めて男目掛けて突っ込もうとした時

「俺の名前はフレイブだ!はっ!」

フレイブと名乗る男から複数の火球が飛んできた。

(これはまずい!?)

ゴルメッシャの表情が一瞬で曇る。

そうだ、ゴルメッシャの弱点は

「炎相手だと何も出来ないことかな?」


「さてそろそろ出発しましょうか、全員に攻勢の用意を」

「はい!」

エルナの呼び掛けにセアは答える。

「さぁ…勝ちに行きましょう」

キャラクター紹介

ゴルメッシャ

年齢 26歳       身長 187cm 

好きなもの 無双  暖かいスープ

才能 ウィンドバースド

癖 強そうな相手を見つけると槍を投げること    

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