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EP5 初陣

ゴルメッシャの攻撃を受け、後が無いセア。彼の反撃が始まる。そして物語はセアの初陣、リルスカ平原の戦いへと向かう。

「あんなこと言ったがこれからどうするんだ?」

ニヤリと笑っているセアを見てガルンは心配半分期待半分の目で見ている。

「おそらく見つけたんでしょウィンドバースドの攻略法を」

隣で形だけの審判をしていたナゴンが言う。

「ウィンドバースドの攻略法~!?あれは攻防一体で広範囲攻撃を売りにしているんだぞ!」

「いくつか弱点はあるよ。あと君は1対1なら勝てるでしょ、近距離キラーさん?」

ガルンは気恥ずかしそうに頭をかく。

「まぁそうだが…ってそんなことよりゴルメッシャの弱点はなんだよ」

「1つ目は」

「今からやるみたい…」

後ろから会話を聞いていたシェパレが遮る。

「じゃあ見ていようか」


「よし、いくぞー!」

セアは雄叫びあげながらゴルメッシャに向かって超スピードで突撃する。

(速い!?先程の3倍はゆうに越えている!)

ゴルメッシャは目を見開きながら右手の槍を握りしめ先程よりも強い竜巻を作った。1度触れようものならすぐに吹き飛ばされてしまうほどだ。しかしセアはスピードを緩めないどころかさらに加速していく。

「こい!セア!」

セアが剣を振るった時、ゴルメッシャが槍の持ち手の部分の竜巻で剣を受け止めようとする。

「これは攻略法だが、ウィンドバースドは竜巻の目である中心に行くほど出力が弱くなる。だから全力で外側さえ突破すれば」

ナゴンが言い終わる前にセアの剣が竜巻を切り裂き、ゴルメッシャの持っていた木製の槍に届いた。

「バキッ!」

槍が音を立てて壊れた。

「やるじゃねぇか…!俺も本気を出すかなぁ!」

ゴルメッシャがそう言った直後

「伝令!突撃部隊がリルスカ町周辺の平原でレイスフォルドの第一部隊と衝突する恐れあり!数に圧倒的差があり我が方が絶望的に不利です!ゴルメッシャ隊長、至急お戻り下さい!」

「それは本当か!?悪い!すぐに行く!」

「待ちなさい!私達も行くわ」

急ぐゴルメッシャをエルナが止める。

「でもそしたらここの兵はどうするんだ!」

ゴルメッシャは反論するが

「ガルンを置いていたらなんとかなるでしょ!それよりもここで突撃部隊を失う方が痛手よ!」

「セア!シェパレ!ナゴン!来なさい!」

『は!』

エルナの呼び掛けに3人は答える。

「ここからリルスカちょうまでは!?」

「およそ3日です」

ナゴンがすぐさま答える

「2日で行くわ」

エルナが表情を変えずに言った。

「急ぐわよみんな馬を出して!セアはゴルメッシャの馬に乗って」

こうしてエルナ率いる【シルバーフラスコ】15名はイルワラミ研究所からリルスカ町へ出発した。


「リルスカ町はイルワラミ山脈から東の方角、つまり王都方面にある町で町からすぐ出たリルスカ平原での畜産が盛んである。そのためシルバーフラスコはリルスカ町を保護する代わりに多くの馬をもらっている。実際馬は移動や戦闘ですごく役に立った。過去に馬の数が軍事力そのものと言った学者もいるほどだ。ところが本来リルスカ町を守る突撃部隊の隊長であるゴルメッシャが不在だったのがバレたのか、大型犯罪集団【レイスフォルド】の第一部隊に目をつけられ一触即発の事態にまで発展している。敵の第一部隊の構成員は150人はゆうに越えていると思われこちら側はリルスカ町の突撃部隊と合わせても30人いるか怪しい。絶体絶命とはまさにこの事であった!」

「ナゴンうるさい」

「…1人語り…キモい」

「ごめんって」

あれから2日が経った。ナゴンが長文でだらだらナレーションの真似事をしていると長旅で少しイライラしていたエルナとシェパレから辛辣なセリフが飛んできた。

「でも今の話本当なんですか?」

ゴルメッシャに相乗りしているセアが聞くと。

「あぁ…リルスカ町はシルバーフラスコが傘下に置いているところでは唯一の町だ。それに俺の大事な部下が待っている、速く行かないと!」

全員のペースが上がる。

「あ~!ついた~~!疲れた~!」

数時間後の夕方にリルスカ町に着いた。

エルナが全力で伸びをしている。それもそうだ。少しの休憩しかせず、本来3日掛かるところを2日で来たのだ。普段動き回っているゴルメッシャや任務で遠出を繰り返すナゴンならともかく任務の時以外は実験三昧で外へほとんど出ないエルナやこちらもあまり任務外で外へ出ないシェパレ、加入直後のセアには相当きつかった。

(早く休みたい…)

セアはまるで徹夜したみたいな表情でそんなことを思っていた。

「まぁ今のところは大丈夫だし今日は休むか」

ゴルメッシャがそう言うと一同は突撃部隊のいるシルバーフラスコ御用達の宿屋へ向かった。

「おーい!俺が来たぞー!」

「隊長だー!隊長が帰って来たぞー!」

「エルナ団長もいるぞ!」

「俺たちの勝利だー!」

ゴルメッシャの声に突撃部隊の隊員は歓喜の声を上げた。

「早速で悪いんだが、状況はどうなっている?」

「今日の昼に小競り合いが起き、こちらの人数が少ないことが露呈しました。さらに相手は170人で明日の朝には攻めて来かと」

隊員の1人が答える。

「どうしよっかな~?こういった防衛側が圧倒的な時は市街地戦が鉄則なんだが…」

「市街地戦は民間人や町に被害が出る、リルスカ町との契約に違反からだめだ」

「ですよねー」

ナゴンとゴルメッシャが話し合っていると

「この中に強力な才能持ちはいた?」

エルナが突撃部隊の隊員に聞いた。

「分かりません。幹部が2人来ていましたが本人は前線へ出なかったので…」

「なるほど…」

エルナは少し考えて

「野戦にするわ。リルスカ平原で決戦よ」

『えー!?』

一同は驚愕した。

(何を考えているんだ?)

セアは戦いについてほとんど知らない自分でも到底選ばないことを選んだエルナに疑いの目を向けている。

「野戦は無茶だろ!兵力差がもろに出る!」

ゴルメッシャが止めようとすると

「だから?」

エルナはきょとんとしている。

「何を恐れる必要があるの?私達は最強だよ。 こんな兵力差はいくらでもひっくり返せるわ。これはむしろチャンス、歴史を作るときが来たのよ」

エルナの言葉にその場にいた全員が胸を打たれた。

(まぁ…そうですね、僕たちなら勝てますか)

(…絶対勝つ…)

(エルナ…ありがとう)

(俺も頑張らないと)

各々が決意を固めていると

「じゃあ明日に向かって早く休みましょ」

エルナが手を叩いて言った。


翌日の朝

「みんな準備は良い?」

エルナが戦闘服姿のみんなを見て

「私達は最強よ!」

1拍置いてエルナは告げる。

「シルバーフラスコ、出陣!」

『おー!!』

エルナの掛け声と共に一同はリルスカ平原へ足を進めた。


これは数百年後に書かれたとある王国の歴史書の一部である。

王国歴 570年12月31日

リルスカ平原での戦いが起こった。後に時代の風雲児となる者を多く排出する傭兵団【シルバーフラスコ】が大々的に名を上げた伝説の戦いである。

小説をいざ書いてみると、どこをどう表現したら良いのか、展開をどう組み立てようかすごい悩んでしまいました。少し反省。これからも悩みながら頑張っていこうと思います。

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