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カムイコール  作者: ダイナ


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11/11

EP11 来訪者

神力の特訓を始めたセア。特訓の成果はどうなった?そしてアジトであるイルワラミ研究所に謎の訪問者が訪れる。

王国歴571年2月下旬

「そういえば、シルバーフラスコって傭兵団ですよね」

イルワラミ研究所で少し遅い朝食をとっていたセアがエルナに訊く。

「そうだけどそれがどうしたの?」

エルナが当然と言わんばかりの顔をする。

「傭兵団にしてはあまり戦場に出てないような気がして…みんな大体ここにいるから…」

「それは傭兵団のあり方だな」

セアの言葉にガルンが答える。

「毎日誰かしら戦っているところもあれば俺らのように数ヵ月に1回少し大きな戦いをするとこもある、まぁ俺やゴルメッシャはたまにリルスカ町の治安維持に行ってるしナゴンとシェパレもお前の訓練以外にも色々やっているらしいがな」

「へぇー」

セアは感嘆の声をあげた。

「まぁ本来訓練してる時間はあんまり無いってことよ!お前は早く強くなってくれよ!」

「ガルンはいつ稽古をつけてくれるんだ?」

ガルンの声を若干無視してセアが訊く。

「あー…俺の才能は訓練向きじゃねからお前には何もしてあげれないんだよなー…だからナゴン、シェパレ、ゴルメッシャが忙しい中で面倒見てるんだろ」

(そんなものかな)

ガルンの言葉にセアは不思議に思った。

「そんなことより俺に特訓の成果を見せてくれよ!俺は特訓の様子を知らなかったかな」

「良い機会ね、見せてあげなさい」

エルナも続けて言うと訓練場へ足を運んだ。

「ちょっと待ってー」

セアは残っている朝食を急いで食べて2人の後を追った。

「よいしょっと…これで良いわね」

エルナは訓練場に着くと等身大の藁人形を銀に変えた。

「なるほど考えたな!これなら周りに被害が出ないし銀製だから耐久テストには十分だ」

隣でガルンが感嘆の声をあげた。

「今のあなたならこれくらいやれるでしょ」

「いや試したことないんで…」

エルナの声にセアは少し困惑して答えた。

(にしても銀か…訓練用の木の剣では無理だな)

セアは思案しながら剣を構えると

「まぁ普通ならな」

ニッと笑みを浮かべて

「ハッ!!」

次の瞬間、セアの体から金色のモヤが出てきた。モヤは次第に大きくなりオーラのようにセアの体を包み込んだ。

(へぇ…神力を全身を覆っているのか)

「まるで神力自体を武装しているみたいだな…」

ガルンは少し驚き、もう一度セアを見る。

オーラは少しずつ剣の方にも伸びていき、10秒くらいで包み込んだ。

「じゃあいくか!」

そう言うとセアは右足を踏み込みものすごいスピードで藁人形に斬りかかった。

「あ?」

ガルン瞬きする間にセアは藁人形を眼前に迫っていた。

(おいおい嘘だろ!?1秒もしない間に10mはあった距離を詰めやがった!)

「おらーーー!」

ガルンが驚くのも束の間、セアは剣を振り下ろした。

「カギーン!」

銀の藁人形からとんでもない火花と音が鳴った次の瞬間、銀の藁人形は縦にパカッと切れた。

「どうでしたか?」

セアが2人の方へ振り返ると

「おおー!やるじゃねぇか!」

ガルンが走ってセアの元へ走ってきた。

「あんな神力は見たことねぇよ!マジでパワー型なんだな!」

「そうですね確かナゴンさんがそんなこと言ってましたね」

セアはナゴンと会話を思い出す。


王国歴2月上旬

セアはナゴンと訓練場で神力の訓練をしていた。

「うん!1通り確認してみたらセア君は身体強化が得意なタイプみたいだね」

「そうですね…何故か道具関係が出来なくて」

セアが肩を下ろすと

「気にしないでよー!身体強化もとっても大事なことだし、それに1つに特化していた方が指揮官はありがたいと思うよ」

「そうですかね?」

セアはナゴンの声に不安げに答えると

「もちろん!セア君は言うなれば超パワータイプってところかな?」

「超って…まぁそれならいいんですけど」

セアは漠然としない感じで答えた。

(超パワータイプ、1つの事しか出来ないと言うと悪く聞こえるかもしれないけど今のセア君は小柄な戦車が猛スピードで迫ってくるようなものだ。相手からしたらトラウマでしかない。僕の目はやっぱり合ってたようだね)

ナゴンはそんなことを考えているとセアが

「どうしたんですか?」

と聞いてくる。

「…あー何でもないよ。でも安心してセア君は強くなれるよ。さぁ訓練の続きだ!」

「はい!」


「ということがあって」

「なるほど超パワータイプか」

セアが話し終えるとガルンが納得したように答える。

(これなら俺の才能とも渡り合えるか?)

「今はまだ無理だからやめておきなさい」

エルナ心を読んだようにガルンに言うと

「何でだよ!少しぐらいはいいだろ!」

そうガルンが反論すると

「あなたと訓練すると下手すれば死人が出るのよ!ナゴンやゴルメッシャの時も私が止めなかったら危なかったの忘れた!?」

「うぐっ!それはたしかに…」

(そんなにガルンの才能はやベーのか!いつか見てぇな)

2人のやり取りを見ながらセアはそんな風に考えていた。

「ただいま戻りましたー!みなさんどこにいますかー?」

入り口方面からナゴンの声が聞こえてきた。

「訓練場にいるぞー!用があるならこーい!」

ガルンが声を張り上げる。

「あぁいたいた、団長少し聞きたい事が」

「どうしたの?」

エルナは何か分からず少し戸惑いを見せながら答えると

「さっき研究所な入る時にイルワラミ山で謎の生き物の報告が相次ぐと聞いたので、また何かやらかしたかのかと」

「私をなんだと思っているのよ!そんなヘマしょっちゅうするわけないじゃない」

(するにはするんだ…)

「それで何が出たんですか?」

セアは半分呆れたままナゴンに聞くと

「それは…」

「それは私のことですね」

ナゴンが言い終わる前に天井から声が聞こえた。

「ん?…ってマジか!?」

セアは目を見開く。そこにいたのは天井に張り付いている全長2mくらいのクモだったからだ。

「やっばい!僕虫は本当にダメで!これは…すいません後は頼みます!」

「おいちょっと待て!」

逃げ出そうするナゴンをガルンが掴んだ。

「嫌です!嫌です!あれが降りて来たらと考えると…」

ナゴンが喚いているとそのクモは天井から落ちてきた。着地すると地面から塵のようなものが舞う。

「ほら降りてきたじゃんか!どうすんのこれ!」

ナゴンが大慌て逃げ出そうとしたのも束の間塵の中にはもう2mくらいあったシルエットはなくなっていた。

(どこいった!?)

一同が視線を周囲へと向けたとき

「すまないすまない、まさか虫が苦手な人がいるとは…」

姿を現したのは1人の男だった。見た感じ50代で小柄髪は薄くオレンジ色があって髭も生えている。いたって典型的な叔父さんという感じだ。

(!?)

一堂が驚く間もなく男は話し始める。

「俺の名前はベルストラあなた達に依頼があって来た」

依頼という言葉を聞いてエルナとガルンの目は細くなる。

「依頼って…来る場所間違えてません?ここは小さな傭兵団ですし」

ナゴンが冗談半分で聞くと

「小さい方が都合が良い。少々わけありでな」

ベルストラは落ち着いて答える。

「へぇ、事情は深くは聞かないでおくけど依頼の内容は?」

エルナベルストラに向かって尋ねる。

「それはだな…」

1拍置いてベルストラは告げる

「時間はどれだけ掛けても俺が俺の元居た場所に帰るのを手伝ってくれ」

この出会いが後にセア達シルバーフラスコに大きな戦いもたらすとは誰も知らなかった。

三日坊主で止めようと思ったけどそれを魂が許さなかったので続きを書きます。約7ヶ月振りですがお願いします。

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