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カムイコール  作者: ダイナ


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10/11

EP10 力の使い方

宴会から数週間、セアが才能受け取る時が来た。才能や神力と新たな情報が明らかになる!セアの物語は新たな局面に差し掛かる。

王国歴571年1月中旬

「ドゴーン!」

セア達の拠点であるイルワラミ研究所では今日も元気な爆発音が響き渡っていた。

「あー!またやらかしたな!」

ゴルメッシャはエルナが爆発を起こしたと気付き、槍の軌道が大きくブレた。

「どうします?」

ゴルメッシャと訓練場にいたセアが訊く。

「ちょっと行ってくるよ」

ゴルメッシャは訓練場から実験しているエルナに文句を言いに研究室へ向かった。

「お前らはもっと自重しろ!」

『ごめ~ん!』

煙の中からエルナとナゴンが出てきてゴルメッシャに謝った。

(これ言われると弱いんだよな…)

ゴルメッシャに叱る発想はもうなかった。

「いやこれで何回目だよ…マジで気を付けてくれよ」

『は~い!』

「はぁ…」

ゴルメッシャは呆れて訓練室に戻ろうとする。

「まってまって!ようやくアレが出来たからゴルメッシャも見ていったら?」

エルナがゴルメッシャを引き留める。

「ん?…あーあれか」

ゴルメッシャは納得した表情をすると

「分かったよ。セアを呼んでくる」

「そーしといて~私たちは準備するから」

エルナとナゴンは煙の中にある機械に目をやって操作を始めた。

「エルナ団長?俺は何で呼ばれたんですか?」

セアは目の前の機械に困惑しながらエルナに訊く。機械は2mくらいの箱のような見た目で上半分が画面で占めていて下半分には手をかざす所がある。

「それはね…セア!あなたの才能を見るときがついに来たのよ!」

「!」

セアは目を見開く。

(才能の授与ってめちゃくちゃ大変じゃ?)

才能の授与は実はとても大変で専用の機械を使用しなくてはならない。故に才能の授与は王都や諸侯の重要都市でしか出来ないはずだった。

「いや~頑張りましたよ!まさか僕が召還出せる物の中に簡易授与機があるとは思いもしなかったですよ~!」

ナゴンが興奮気味に言う。そんなに嬉しかったようだ。

「だから早くセアの才能を見ましょう!」

「このメンバーだけでいいんですか?」

セアが少し不安になって訊く。シェパレとガルンが任務に出ているからである。

「大丈夫よ!私が後で言っておくから、だからセアは機械に」

エルナはうずうずしてセアを誘導する。

(そんなに俺の才能が楽しみなのか…)

セアはそんなことを思いながら機械の前に立って手をかざす。すると機械が光を放ちセアを包み込む。

「たった今才能の受け渡しが行われた」

「!」

セアの頭に声が響き渡る。

「さぁ!いよいよ来るわよ!」

エルナがワクワクしながら機械の画面を見る。

《結果   才能 毒耐性

      効果 体内外の自分に害のある

         不純物の影響を受けない》

『…え?』

画面に映し出せてた文字を見て一同は唖然として言葉を失ってしまった。


10分後

「ヤバいヤバいヤバい!」

セアは激しく動揺していた。

「なんだよ毒耐性って!全然戦闘向きじゃないじゃん!」

「まぁ…セア…その…元気出しなさいよ」

エルナも苦い表情をしてセアに声をかける。

「そうだぞセア!戦いは才能だけではないからな!さっさと切り替えようぜ」

ゴルメッシャがセアの肩にポンと手を置いた。

『いやあんたは爆笑してたでしょ』

ナゴンとエルナがゴルメッシャに言う。

(にしてもマジか…)

ゴルメッシャは頭をフル回転させる。ただ非戦闘向きの才能なら後方支援に回せばいい。ややこしいのはセアが既に戦場で活躍していてシルバーフラスコとしてもセアは戦わせたいと思っていることだ。

「俺はこれからどうすれば…」

セアは信じられないレベルで暗い顔をして俯いている。

(うーん…どうすればいいんだろう?)

一同がセアにどんな言葉を掛けようか悩んでいると

「あ」

ナゴンが閃いたように声をあげた。

「セア君ちょっといいかな?」

「…なんですか?」

セアは元気のない声で返事をする。

「セア君は神力に興味はない?」

「神力?」

セアはポカンとして聞き返す。

「あー…そっか、セア君は知らなかったね」

(だからあのオーラみたいなのも無意識なのか)

ナゴンが納得したような顔をした。

「じゃあちょっと授業をしようか」


一同は会議室に移動した。ナゴンだけが立ってみんなを見ている。

「まずこの国の成り立ちを知ってるかい?」

「なんとなくですが…確か…」

セアがいい淀んでいると

「今から571年前、王国歴が始まった年に初代国王と10人の英雄が終結し、大陸全土をたった3年で制圧したことよ」

エルナが代わりに答える。

「そうですね団長、でも1人忘れてますよ」

ナゴンが指摘すると

「その国王に歴史上初の才能を授け大陸統一の裏の立役者…ダイナのことを」

(ダイナねぇ…物語上の人物だと思ったんだがなさすがにあれを見ると…)

ゴルメッシャが目を細めてた。

「ダイナは唯一の神でこの一件以降望む者に才能を与え続けて下さっているんだよ」

「セアもダイナ様からもらったんだよ」

ナゴンとエルナが付け加える。

「そしてダイナが才能と共に人々に与えたのが神力なんだ」

ナゴンはみんなを再び見て

「神力のメリットは3つあって、1つ目は大衆性で人によって総量は違うがほとんどの人が持ってるしダイナをちゃんと信仰すると【神力の総量が増える】こともあるんだ」

「へぇー」

(じゃあ俺でもやっていけるのか)

セアがほっと胸を撫で下ろす。

「2つ目はその強力な力、強い神力は【才能に抗うことができる】から神力を嫌っている人が多いんだよね」

「実際私の才能もナゴンぐらいの神力を持った人には効かないからね」

エルナが苦しげに答える。

「じゃあ才能を持っている人も神力を使えばいいじゃないですか?」

セアが素朴な疑問を浮かべる。

「【神力は才能に反発する】から多くの人は【才能と神力の両方は使えない】ようになってるんだよね」

ナゴンが間髪入れずに答える。

「あと3つ目は汎用性だね」

ナゴンが右手で浮かべた円陣から刀の刀身だけみたいな剣を出した。

(あれって前の戦いの…)

ゴルメッシャはその剣をしっかり見た。

「このように剣や機械といった様々な物を出したり身体能力を上げたり色々なことが出来るから使いこなせればどんな状況でも対応出来る」

ナゴンは誇らしげに言った。

「なるほど…そんなにすごかったんですね」

セアの目が輝きを放つ。

「じゃあセア君、教えてあげるよ」

ナゴンは1拍置いて告げる。

「力の使い方を」

セアの特訓が始まった。

1週間何も案が浮かんで来なかった。これってスランプ?まぁこれからはちゃんとがんばります。

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