婚姻届を出しに来ました。
ブックマークor感想ありがとうございます。
「騎士様、侯爵令嬢様ようこそいらっしゃいました。」
「こんにちは、あの今日は…」
「国王陛下と貴族院から書類が届いております、5ヶ月前に元王子殿下から提出された婚約破棄届…ではなく婚約自体が白紙になり新たな婚約が可能となったようですね、おめでとうございます。」
「ありがとうございます、その件での書類と新たに婚姻を結ぶ為に書類を提出したいのです。」
「畏まりました、騎士様と侯爵令嬢様の婚約届で宜しいですか?」
「すまないが、婚姻届と後…母子手帳を貰いたいのだ。」
「お願いします…」
「まぁ!おめでとうございます、少々お待ち下さい病院からの書類はお持ちですか?」
「はい、病院からの診断と侯爵家からの書類です。」
「確かに受けとりました、後は騎士様の書類ですね。」
「あぁ、此方が将軍と公爵家からの書類に貴族院からの婚姻許可書だ。」
「国王陛下並びに議長のサインを確認しました、此方の婚姻届にお名前と現在の住所書いてもらえますか?」
「あの、保証人とは?」
「お二人は先ほど提出された書類で、公爵家と侯爵家当主の委任状をお持ちでしたので大丈夫です。」
「「書き終わりました。」」
「ありがとうございます、此でお二人は今から夫婦と国から認められました。」
「「「おめでとうございます!!」」」
「ありがとうございます「ありがとう。」」
「次は母子手帳についてですね、手帳に奥様と旦那様のお名前を書いて貰えますか?」
「はい、終わりました。」
「病院で出産については聞いていると思いますので、国からの補助制度を説明させてもらいます。」
「「お願いします」」
「我が国では、妊娠初期から定期検診を必ず受けている方は検診代出産費用入院費は貴族や平民、関係なく出産後に書類を提出して貰えば後日返金となります」
「「はい」」
「旦那様には一度でもいいので「パパの心得」と言う講義に出ていただかなくてはいけません、全15回ある講義を、全て受け終わると「パパマスター」の称号が与えられ出産時立ち会う為に有給が与えられます。」
「パパマスターですか…」
「はい、実は十数年前に出来た称号なのですが…初代パパマスターは現将軍です。」
「!」
「奥様の出産に立ち会いたいが、どうすれば良いかわからないと仰り議員や前王妃様に相談され医師監修のもと講義を受け、「初代パパマスター」の称号が国王陛下から与えられました。」
「講義を受ける前は、職場に2週間前に申請すれば必ず有給が与えられ、職場がこれを否定した場合は旦那様の職場の上司が罰を受けます。」
「罰ですか、体罰などですか?」
「いいえ、精神的にですね次回の「パパの心得」の講義日まで「パパ、ママ」と皆の前で部下の方達に呼ばれます。」
「地味ですね…他の部下の人達も可哀想ですね…「あ!」」
「記録によれば、前王妃様が言い出したみたいです。」
「「…。」」
「此方はご夫婦で話し合いをお願いします」
「わかった、妻と帰ってから話し合ってみる」
「はい、旦那様…。」
「では、この書類をお持ちください。口頭では説明出来ない事も書いておりますので…。」
「わかりました。」
「もしわからない事があれば、此方の相談窓口へお願いします」
「ありがとう「あぁ、わかった」」
end
貴族令嬢が出来婚となりますが、お役所はプライバシーの侵害は行いません、母子手帳を貰うのが早くて2ヶ月位と考えていますのでお腹は出てませんし、本人達が回りに伝えなければ只の婚姻です。
もし、役人が個人のプライバシーを喋れば、個人の知られたくない黒歴史(王妃が考えた罰)が役所内で広がります。