始まり①
ばさっ!!
焦って身体を起こした。
眩しい。
朝日が顔に当たり眩しいと思った瞬間ジリリリリと大きな音がなり、無意識に右手が音のなるそれを止めた時、夢だと安心した。
力がふっと抜けそのまま後ろに倒れこむ。
低反発の枕が優しく受け止めてくれそのまま体を180度反転しうつ伏せになる。
なんて夢なんだ、目覚めが悪いわ。
枕に顔を埋めながらふっと笑いが込み上げた。
深く呼吸をし気を落ち着け両腕を敷布団につけ力強く押す。
その反動で体が起き上がる、と同時に自然と視野が広がり枕が目に入る。
そこにはおびただしいほどの毛があった。
「ぎゃあぁぁーー」
今まで発したことのない叫びが出る。
なんなんだこれは?! 俺のなのか?!
いや待て落ち着け、どうする?
とりあえず抜け毛の本数を数えて見た。
ーー16本
俺は枕に抜け落ちた髪を数える事で落ち着きを取り戻した。
高校2年生の男の髪の毛の平均は10万本前後と言われている、10万本のうちの16本。
たったそれだけの事なのだが未知と言うのは怖いもので。
抜け毛を初めて目に見える形で実感した。俺はたとえ16本にも恐怖を感じざるを得なかった。
よし、次のステップだ
俺はゆっくりと右手を自分の頭皮に近づけていった
そこにはある、間違いなく無数の毛達が!!
あれ、やべぇ、泣きそうだ。
でもなんで急に?
今までこんなことなかったのに。
俺はこの時知らなかった。
これから身に降りかかる呪いを。