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プロローグ
まず要点を説明しよう。
俺は凡だ、つまり秀でた部分がない。
自分で言っていて泣きたくなるが、これが事実だ
凡は良くないと思われがちだが良いところもある、それはアクシデントが少ないってこと
目立つやつは大抵何かしらのアクシデントに巻き込まれる。
が俺はいわゆる日常ってやつを毎日過ごせる
凡ゆえに波風は立たない
だから今朝も凡、平凡、日常のはずだった‥
朝、目が覚め大きなあくびをした後、ゆっくりと起き上がり背伸びをした。
ポキポキと骨が軋む音をどこか心地よさそうに感じながら。
背伸びを終えたあとちょっと立ち眩んだ。
ふらふらとその足で階段を降りリビングに向かう。
ルーティンではないが自然と決まった動きをする早朝、あくびをしながら洗面台に向かい蛇口をひねると勢いよく水が出た。
水温を確かめるようまず指を濡らし、手でお椀を作る。
冷たく感じる水を顔に持ってゆき顔を擦るように洗った。
見なくてもわかる、いつも通りそこにあるタオルに手を伸ばす。
タオルで顔を拭いた後、鏡に映る俺は
ハゲていた