No.0
いつからだったろうか・・・
こんなに日常がつまらなくなったのは。
人間というものはおかしなもので、幼少期には早く小学生に成りたいと思いながら生活をして、小学生になると今度は、中学生に憧れる。中学生になれば、男には性欲が芽生え始め「リア充」なるものが誕生し始め、それ以外の男は高校デビューを誓い高校生に憧れる。そして高校生になると今度は幼少期に憧れる。
少なくとも今の俺はそうだ。幼少期のあののんびりとしたお昼寝時間なんてものは、高校生になった時こそ必要な時間ではないかと思う。
昼休み、飯を食った後、日課のコーヒー牛乳を飲み、午後の授業はお昼寝時間にするべきなんだ!! こんな事を考えて俺の1日は終わるのである。
しかしある日を境にそのつまらない日常が大きく変わる。
10月のある朝。普段なら登校しなくてはならない時間、俺は布団の中にいた。
何でこんな朝早くから学校なんて行かなくてはならないのだろうか。ついに、俺は学校をサボる事を決意したのだ。家族が全員でかけたあと、俺は1人で町を散歩した。
かつて通っていた中学校と小学校の通りを抜けて、商店街を抜けた場所に高校がある。
普段は制服を着て校内に入っていくのだが、今は私服で学校を外から眺めている。外からは校内が実に平和そうに見える。そしてふと思った。どこか別の場所に行きたい。自分が生きるのに必死になれて、綺麗な景色が見れて、冒険できるような世界に行きたい。そんな世界に行けるのなら、職業は選ばない。中々に厨二チックな考えだが、妄想するのは自由だ。誰にも迷惑をかけないのだから・・・
家に帰りやることもなくその日の夜は寝た
No.1異世界にようこそ
「ご主人・・・起きてくださいご主人!」
「まだ眠い、寝させろ・・・というか誰だお前!?」
目を覚ますとそこにはうさ耳美幼女がいた。突然の事で頭は真っ白になり何がなんだかわからない。確か俺は昨日自分の部屋で寝たはずだ。なのに目が覚めたら見知らぬ部屋に、見知らぬベットに、見知らぬうさ耳美幼女何がなんだかわからない。そして俺は考えるのをやめた。きっと夢に違いない。
「ご主人、いきなりで動揺するのもわかりますが気を確かにして下さい」
「・・・好きです。俺のお嫁さんになって下さい」
普通はここはどこですか? あなたは誰ですか?などの状況確認が先のはずなのに、真っ先に出できた言葉がこれである。
「ご主人いきなり何を言っているんですか!? 」
「何って・・・これはきっと夢だろ?こんなクオリティーの夢を見ることなんて滅多にないんだ。しかも目の前にうさ耳美幼女がいたら告白して振られるのがおきまりではないのか?」
「ご主人、まずはじめにここは夢ではありません。信じられないかもしれませんが、ここは天国です。」
「・・・は!? どゆこと? 天国って俺は死んだの?」
「いいえ、ご主人がいた世界での天国は地獄です。天国とは人間界で人々が寝ている間に見る夢の世界です」
「夢の世界?やっぱり夢なんじゃないか!目を覚ませば元どおりになっちゃうんだろ?」
「・・・残念ながらお戻りにはなれません。」
「なんで!?だってここは夢の世界でしょ?夢は寝ているときに見るもので起きたら覚めるでしょ?」
「まず、夢の原理を説明します。人間が見る夢とは意識がたまに天国のゲートをくぐって天国内で起こっていることを一部だけご覧いただいている状態のことです。多くの夢は天国から人間界に意識が戻るときに記憶はゲート内で消去されます。でもたまに神様が気まぐれや、死んでほしくない方だけに、一部未来の記憶を埋め込み人間界に戻します。これが正夢と言われています」
「なるほど、でも今の説明だと俺が人間界に戻れない理由にはならないだろ?」
「はい。実は、ご主人の場合意識だけでなく肉体ごと天国に来てしまったため、このまま人間界に帰るとゲート内で肉体ごと消滅してしまいます。」
「っえ!?、、、じゃあ二度と人間界に戻れないってこと?」
「まあ、イレギュラー中のイレギュラーなので神様に相談すればなんとかなるのですが、今神様が出張中でいないので・・・」
「いつ頃戻ってくるんだ?」
「・・・人間界で言う所の1000年後くらいですね」
「せ・・・1000年!?」
「大丈夫ですよ。天国にいる間は寿命は∞なんで」
「そういう問題じゃないよね!1000年間俺は何すればいいの?」
「そのことなんですが、神様から言伝を預かってます。」
「おお!」
「では読みます。天国に肉体ごと乗り込んで来たジョン君へ。君には僕が帰ってくるまでの1000年間働いてもらいます。職種は一応魔王にしとくね♪ 適当にやっといて。あと、うさ耳美幼女いるよね。その娘は、僕の子供で、名前はエリリって言うのね。一応君の仕事のサポートを行ってもらうからよろしくね。ps 娘に手を出したらコロすからね♪」
「な・・・何が娘に手を出したらコロすからだ!しかも俺の名前はジョンじゃねー!!というか魔王ってなんだよ!!!」
「まあまあ、落ち着いてくださいご主人。改め魔王様エリリがついていますよ!」
こうして、1000年間俺は魔王職をやることになった。