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大公妃候補だけど、堅実に行こうと思います  作者: 瀬尾優梨
書籍版続編

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大公妃候補だけど、書籍版の説明をしようと思います

2019年1月にカドカワBOOKSより発売された「大公妃候補だけど、堅実に行こうと思います」の概要です。

今後「書籍版の続編」を連載していきます。

中盤以降がweb版と大きく異なりますので、書籍版未読の方も既読の方も、ざっと目を通していただけたらと思います。

 アクラウド公国で暮らすテレーゼ・リトハルトはローズブロンドの髪にすみれ色の目を持つ美しい侯爵令嬢。

 だが祖父の代に起きた飢饉により、実家の家計は常に火の車状態。十八歳になってもデビューせず、内職をして家計を支えているが、本人は明るくさっぱりした性格なので悲観せず堅実な生活をしていた。


 そんなある日、リトハルト家に公城から使者がやってくる。伯爵家の者である使者ジェイド・コリックが携えてきた手紙によると、テレーゼがアクラウド公国の若き大公の花嫁候補になったという。

 万年金欠状態の自分が大公妃候補になんて……と一度は辞退を考えたテレーゼだが、候補になった者には支度金が与えられ、しかも大公妃になれなかった場合は城仕えの女官や侍女に抜擢される可能性があるということを聞き、考えを改める。

 支度金で家族や領民を助けられる。しかも城仕えになったら、安定した給金を得ることができる。


 よってテレーゼは大公妃候補として公城に向かうことを決意したのだった。


 目指すは城仕え! 大好きなのは、お金と報酬!

 け、テレーゼ!

 全ては愛する家族、そして守るべき領民のために!










 公城に向かったテレーゼは、大公妃になる気満々で殺気立つ令嬢たちの姿を目にする。

 そして現れた若き大公レオンは美しいし主君としての手腕もすばらしいそうだが、やや表情の変化に乏しい青年だと思った。


 ジェイドが専属の騎士になったということで、彼女はジェイドに、「自分は大公妃になるつもりはなく、最初から城仕えが目標だ」ということを明かす。彼に無駄な仕事をさせるようで申し訳なく感じるテレーゼだが、ジェイドは全く気にしない。彼は「テレーゼ様のお心のままにお過ごしください」と、テレーゼの決意と行動を認めてくれたのだった。






 他の令嬢たちがお茶会を開いたりする中、テレーゼは城仕えである女官になるべく勉強を始める。そんなある日、大公の母親である太妃主催の音楽会が開かれるということで、褒美目当てに参加することに。

 笛部門で見事優秀賞に輝いたテレーゼは中庭で休憩中、入賞できなかった令嬢たちが弦楽部門で入賞した女性官僚をいじめているところに駆けつける。


 翌日、女性官僚リィナ・ベルチェは自身の処分通知書を手にテレーゼの部屋にやってきた。「侯爵令嬢の手を煩わせたため」という内容に同意できなかったテレーゼは、リィナの目の前で通知書を破り捨てる。せぇい!

 そして、「昨夜のお詫びをしたい」というリィナにも自分の目標を明かし、自分が女官になるために必要な知識を授けてほしい、それを処分の代わりにしてもらうことにした。


 テレーゼは、三人目のおもりを手に入れた!








 リィナと一緒に勉強をしていたテレーゼは、図書館で迫力のある美女と遭遇する。公爵令嬢であるクラリス・ゲイルードはテレーゼとリィナに「身の程をわきまえろ」と忠告してくるが、以前リィナをいじめた令嬢たちが「クラリス様のために辞退しろ」と言っていたことを指摘すると顔色を変え、去っていった。


 ある日、テレーゼは庭園散策中に令嬢たちに見つかり、クラリス様中心のお茶会に連行されてしまう。同じくその場に連行されたらしい伯爵令嬢マリエッタ・コートベイルとルクレチア・マーレイと共に渋々お茶会に参加するテレーゼだが、マリエッタが作法を間違えてしまう。彼女の非礼を指摘した令嬢たちにテレーゼはやんわりと割って入るが、そのときにクラリスに目を付けられてしまう。


 後日、先日のお礼にとマリエッタがやってくる。おどおどしている彼女だがテレーゼの考えにいたく感動し、「テレーゼ様ならすばらしい大公妃になれると思う」とまで言ったので、テレーゼは困ってしまった。







 大公が抜き打ちの家庭訪問にやってくるが、彼はテレーゼの珍行動を把握しており、思ったよりもあっさり受け入れてくれた。

 後でマリエッタに言われて分かったのだが、大公が家庭訪問をしたのは三十五人の候補の一部で、大公妃になりそうな者をピックアップして訪問したのではないかということだった。きっと勘違いだろう、とテレーゼは思った。

 後日二度目の大公訪問があったが、そのときにはテレーゼはだいぶ気を楽にして大公としゃべれるようになっており、リィナもまた大公にテレーゼのことを聞かれ、素直な感想を述べたのだった。








 滞在期間である一ヶ月が半分以上経過したある日、大公から各妃候補へ薔薇が贈られた。それはもともと白いが、触れることで色が変化するという代物で、テレーゼの薔薇は白から深紅へ変わった。それをマリエッタに教えると彼女は一瞬動揺したものの、「人によっていろいろな色に変わるそうだ」と教えてくれた。


 だがマリエッタの部屋の薔薇を見に行こうと誘われたテレーゼは、何者かに誘拐されてしまう。テレーゼを誘拐したのはアクラウドの敵国であるバルバ王国に味方するマリエッタで、薔薇を白から赤に変えられた――つまり大公妃となる資格のあるテレーゼを誘拐し、大公を脅す材料にするつもりだった。

 大公がテレーゼの命を選んでも大公位を選んでも、どちらにしても大公にとって不利になりバルバ王国派にとって有利になると聞かされたテレーゼは、最後まで抵抗することを決意する。


 広場に引っ立てられたテレーゼの前で大公とバルバ王国派の「交渉」が始まる中、乱入してきたクラリスたちにより、「本当にテレーゼ・リトハルトが次期大公妃なのか」という疑問が投げかけられる。それによりテレーゼは、「薔薇に最初に触れたのはテレーゼではなく、薔薇を受け取りいけてくれたリィナである」ということから、次期大公妃はテレーゼはなくリィナだったのだと気付いた。

 大公もこのからくりに気付いており、テレーゼを救出する宣言をして騎士たちがバルバ王国派に挑み掛かる。真っ先に切り込んできたのは、胸がぺたんこになったルクレチア――女装した弟のライナス・マーレイだった。

 テレーゼはジェイドに助けられるが、マリエッタが高価な髪飾りを投げ捨てようとしているのを目にして飛びつく。もったいない精神で髪飾りを死守したテレーゼだが、後になってそれは暗器で、マリエッタがリィナを暗殺しようとしていたと知った。









 争乱が収まった後、テレーゼは大公たちと話をする。バルバ王国派たちのその後を聞いた後、テレーゼとジェイドの目の前で大公がリィナにプロポーズする。大公妃を選ぶという指輪がリィナに反応して大輪の薔薇を咲かせる中、リィナは「お友だちから」と答える。「お友だちから」→「すぐに結婚は嫌だけど、婚約はできる」といいように解釈した大公によってリィナは大公の婚約者としてお友だちから関係を始めることになったそうだ。それを見ていたテレーゼは大興奮である。


 次期大公妃が決まったところで、大公妃候補たちは解散することになった。かつてリィナをいじめていた者たちは報復におびえ、クラリスは「いずれ別の形で公国貴族の頂点に立つ」と宣言して去っていった。








 後日、リトハルト家に使者がやってくる。

 城仕えの打診か! とわくわくしたテレーゼだが、違った。平民出身のリィナに貴族の身分を与えるべく、リトハルト侯爵家の養女にしろというお達しだった。自分たちは貧乏でリィナの家族になるなんて力不足だと思うテレーゼたちだが、リィナを迎え入れることで多額の仕度金を給付されることになった。さらに、リィナの姉になるということでテレーゼを女官にする推薦状も受けた。

 こうしてリトハルト家は大金と次期大公妃の娘を得て、テレーゼは安定した職業に就くことになったのだった。めでたしめでたし。










 とはいえ。

 舞い込んできた金はリィナの仕度と領地経営などに費やしてしまい、リトハルト家はマイナスがゼロになった状態。

 テレーゼは女官見習として仕事をしつつ、相変わらずバザーや内職にも精を出している。目標に向かって邁進するテレーゼを見つめるジェイドは、「今は、そんなあなたでもいいですよ」と柔らかい眼差しで彼女を見送るのだった。

よく分かる! 書籍版の変更点!!


・今のところ大公はまとも

・クラリスは普通にまとも

・テレーゼが姉、リィナが妹

・がんばれジェイド

・黒幕はマリエッタ

・新キャラであるルクレチアの正体は女装した弟

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