最後の日
学校が終わりカフェについた真生たちはそれぞれ飲み物を頼んでいた。
「物静かで雰囲気も良いし気に入った」
「そうだね!ここの常連になろうかな?」
お店を見渡すと俺ら以外にもお客さんいるが、オープンしたばっかりで少ない。
「そういえば、今日のニュース見た?」
「ニュース?見てないけど何かあったのか?」
「この付近の近隣の人発砲されて、病院に搬送されたらしいよ」
「まぢでか!犯人は捕まったのか?」
「うんん、まだだって…犯人もまだ特定出来てないらしい…怖いよね」
「あぁ、早く捕まってほしいもんだな」
そんな事を考えてると、店員が注文した飲み物を運んできた。
「お待たせしました。ご注文のミルクティーとコーヒーになります」
そう言うと俺らの前に置き去っていった。
「食べ物も一緒に頼めば良かった」
「私チーズケーキ今から注文するけど、真生は何かいる?」
「んーそうだな……」
真生が何注文するか悩んでると外からパトカーのサイレンが聞こえてくる。
するとお店の中に一人の黒のジャケット羽織った男性が入ってきて、
右手にある銃を店員に向けてきた。
「全員手をあげろ!その場に動いたら殺す!」
俺らの席は銃を持った男性の死角になっていたので咄嗟に壁に寄って身を丸めた。
(くそ!まさかこんな場面に遭遇するとは)
「真生これからどうする?」
「そうだな…この状況から逃げるのは無理だろう。あの男がみんなが逃げないように逃げ道をふさいでるし」
「そうね、みんな一カ所に集められてるから行動が筒抜けだもんね」
真生は逃げる方法を考え出した。
◎窓から出る→鍵は全て閉まっているので、一度開けてから逃げるまでの時間に撃たれてゲームオーバーだろう。
◎従業員専用通路から出る→男がカウンター席にいるため無理。
◎俺らが入ってきた扉からでる→扉近くにみんなが集められているため男がずっと監視しているので無理。
◎警察がくるまで待つ→外にお店を囲んで待機しているみたいだが、男が人質をとってるため来れないようだ。
◎俺が男を倒す→まだ俺らの存在に気がついてないため、後ろから殴れば気絶するかも…どの選択よりも一番成功確率は高いが危険も高い。
(男の背後にまわるしないか)
真生がどうするかで悩んでると、
「真生の考えてることわかるよ。私が男を引きつける間に倒してね!」
笑顔でそう言うと明日香は男の前に躍り出た。
(明日香のやつ勝手に!っち!やるしかねーじゃーか!)
真生は息を潜めて男の後ろ移動していく。
「お前!どこにいた!」男に気づかれた明日香は、
「すいません、トイレに入ってて…だから殺さないで下さい!」
「トイレか、見てなかったな…おい女!他にも人はいなかったか!嘘ついたらぶっ殺すからな!」
「私ひとりだけでした」
明日香はがたがたと震えながらも答える。演技ではなくホントに怖いのであろう。
「俺が離れるとこいつら逃げ出すかも…わかった、お前も座れ!」
明日香はみんなが座るところに移動しているときに、真生は男の背後に回っていて、隙を窺ていた。
何分か経つとお店に突入しようとしていた警察に向かって男は銃を発砲した。
「妙な真似すんじゃねー!次に入ってこようとしたら先にここにいるやつ一人ずつ殺すぞ!」
そう言うと犯人は銃を自分のそばに置き何かを考え始めた。
(ここだ!)真生はその一瞬の隙を見逃さなかった。
男に向かって走り出し近くにあった椅子で殴った。
「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!」
男は絶叫を上げながら床に倒れ込んだ。
「はぁ、はぁ、はぁ、もう…大丈夫です、はぁ、はぁ」
真生は精神的にも体力的にも疲労困憊していた。
人質にされていた人たちに感謝をされながらみんなを脱出させてるときに俺と明日香は気づかなかった。
男は意識が戻り、うつぶせのまま近くにあった銃を拾い明日香に向けてた。
真生はそれに素早く気づき、明日香を押し出した。
「明日香危ない!!」
「え?きゃっ!」
「パーーン!!!!!」とけたたましい銃声音が店に響き渡り警察が突入してきたが、明日香の代わりに真生のお腹に銃弾が当たりひざから崩れ落ちていく。銃撃を受けた真生の体は真っ赤に染まっていた。
「そ、そんな!!」
明日香は顔をぐちゃぐちゃにしながら真生に抱きついた。
「よかった…ぐふっ、お前が無事で…」
「もういい、もうしゃべらなくて良いよ!それよりはやく救急車を…」
「しなくて…いい…俺はもう助からない…ぐっ!俺が死ぬ前に…お前に伝えたいことが…ある、先に…逝くことになって…悪い…そして明日香…お前のこと…すき…だった…ぜ」
「私もだよ!大好き!だから…だから…そばにいなきゃいやだよ?ねぇ!!まお!!まおーーー!!!」
真生は明日香に最後に笑顔を見せて力尽きた…。
真生は地球での人生をこの日終えた…。
書きたいこと多すぎて時間が3時間も経ってたww
次回は、明日香サイドで書きます。