人生の歯車が回り始めた日
おっす!おら悟……じゃなかった、おれは武石真生だ。
ごく普通の男子高校生、今日から冬休みが終わり学校の登校日だ。
……っておれ誰に言ってるんだろ?
いつもこの時間になったら…「ピンポーン!」やっぱきたな、
「まおー!学校いくよー!」
まったく毎朝毎朝ご苦労なこって
「うーい、いま行くから」
がちゃ、扉を開くと目の前には幼なじみである柳田明日香がいた。
「わりーわりー遅くなった」
この言葉も何度目だろうか。
「ほんとだよー!起こしに来る私の身にもなってよね」
「いつも助かってるよ、サンキューな」
「べ、別にいい…よ」
そう言うと顔が真っ赤になっていく。
「おい!顔真っ赤だぞ!だいじょうぶか!?」
「だ、大丈夫だから顔近い!」
「お、おうすまん」
そこまで嫌がらなくても傷つくぞ?
「初日から遅刻したくないしそろそろいこうか」
「そうだな」
幼なじみである柳田明日香は見た目も性格もすごく美人さんだ、
学校にはファンクラブがあるぐらいだし
告白してきた人数数知れず、でもすべて断ってるとか
聞いた話によると好きな人がいるらしく、
おれでさえ誰かは知らない、ていうか教えてくれなかったりする。
いつもその話になるとなぜか怒られる。
……なぜなんだろうか?
「あ、そういえば家の近くにあるカフェが今日OPENするらしいよー」
「カフェか、今日は昼までだし行ってみるか?」
久々に二人で遊んでないし、いってみるかな?
「ホント!やたーー!」
そこまで喜ばれるとは、なんかこっちが恥ずかしくなるな…
「んじゃ学校終わったらまっとけよ」
「うん!」
………行こ、と言わなければいつもの日常が無くならなかったのに、
まさかこの後にあんなことが起きるとはこのとき思いもしなかった