ペナルティに目白押し
掲載日:2026/06/19
冷たい。
一瞬。光る。可視光。
白と青の細切れ。
黒い表面が屈折する。
腰の反り。しなる背骨と、うねる波間。
肺が八月の空気を吸った。
底のラインを越えていく。
水色のなかに水色。
グラデーションの揺らめく世界で、ボクはわたしは新たな力を得る。
密度。体積。重力。
いくらでも手に入りそうで、指の隙間から漏れていきそうで。
コポコポと音もまた波である。
頭上のトンボは華麗に避けていく。
限られた箱のなかに浮かんでいると、自由になれた気がした。
壁を一度蹴ってみると、ブクブクと泡が巻き起こる。
隣にはいつの間にか、人の気配があった。
追いつき追い抜かれ、まるで眼前の足に追いすがるような。
肺が集めた気体の分子は、同じような動きをしているのだろうか。
流れのなかに閉じ込められたら、運ばれる。
自分が運ぶのか、分子に運ばれるのか、それが運命か。ダダダダーン、ダッダッダッダーン。




