表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
74/91

第74話 意味の崩壊

 エイドが現れてから、三日。


 外縁波形は静かに増えていた。


 爆発ではない。

 浸透。


 境界膜に沿って、意味を持った揺らぎが流れている。


---


 だが最初の事故は、突然起きた。


---


「異常報告」


 中央観測局の声が震える。


「第12境界観測拠点」


---


 映像が開く。


 小さな観測施設。


 研究員が三人。


 装置が並んでいる。


---


 だが。


---


 床が、消えていた。


---


 いや。


 消えたのではない。


 意味が崩れている。


---


 床という概念が、

 その場所から消えていた。


---


 研究員の一人が歩こうとする。


 だが足が沈む。


 落ちるわけではない。


 存在確率がずれる。


---


「……重力、正常」


「物質密度、正常」


「だが」


---


 Λが言う。


「意味構造崩壊」


---


 床は存在している。


 だが“床として機能していない”。


---


「外縁干渉」


 Σが即座に結論を出す。


---


 施設内の机。


 壁。


 椅子。


 すべてが少しずつ曖昧になる。


---


 研究員が叫ぶ。


「ここが、どこか分からない!」


---


 空間はある。


 だが“部屋”ではない。


---


「意味の定義が剥離している」


 アリエスが息を呑む。


---


 カイナが即座に命令する。


「拠点封鎖」


---


「待て」


 レインが言う。


---


 その瞬間。


 エイドが震える。


---


「……違う」


---


 全員が見る。


---


「怖い」


---


 リオナが小さく言う。


「向こうが」


---


 Λが波形を解析する。


---


「外縁側の意味構造が混入」


---


「混入?」


---


「こちらの意味体系と衝突」


---


 つまり。


---


 外縁側には“床”という概念がない。


---


 だから、接触した場所で意味が崩れる。


---


「概念衝突」


 サエルが低く言う。


---


 エイドが震えている。


---


「境界」


「必要」


---


 それは、初めての警告だった。


---


 境界は、閉じるためではない。


---


 意味を守るために存在する。


---


 レインは理解する。


---


 余白は必要だ。


 だが。


---


 余白が広がりすぎれば、


---


 世界の“意味”が溶ける。


---


 戦えない参謀は、静かに目を閉じた。


 問題は揺らぎではない。


 問題は、


 意味だった。


本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価 をお願いします。


応援が励みになります!


これからもどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ