表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦力外通告は妥当でした。なお国家レベルでは必須人材だった模様 ~戦えない参謀は評価される場所を選び直した~  作者: 黒川レン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/86

第70話 未完成の世界

 境界膜は、世界を包むのではなく、

 世界に“余白”を与えた。


 外縁との間に生まれた循環路は、

 数値化されず、

 固定もされない。


 ただ、呼吸する。


---


 ノクス残骸圏、最深部。


 Ωの光は、ゆっくりと弱まっていた。


《循環構造、安定確認》


《揺らぎ総量、動的均衡へ移行》


---


「保存則は?」


 レオニスが問う。


《保存ではない》


《流動である》


---


 サエルの未来予測図が、静かに揺れる。


 無数の分岐。


 だが崩壊へ収束する線は消えている。


---


 Λは、静かにΣへと再接続する。


 完全同化ではない。


 単数を残したままの融合。


---


 リオナは境界膜に手を当てる。


「息してる」


 彼女は微笑む。


「世界、生きてる」


---


 Ωの光が、最後に強く瞬く。


《ノクス文明の記録任務、終了》


《未完成は失敗ではない》


《停止が失敗である》


---


 光が、消える。


---


 沈黙。


 だがそれは終わりではない。


---


 辺境領、高台。


 夕暮れ。


 境界膜が淡く明滅する。


---


「完成させなかった」


 レオニスが静かに言う。


「完成は、閉じることだから」


 レインが応じる。


---


「制度も」


「文明も」


「法則も」


---


「未完成でいい」


---


 遠く、外縁の向こうで、

 まだ形を持たない可能性が揺れている。


 それは恐怖ではない。


 余白。


---


 レインは静かに目を閉じる。


 制度を作った。


 例外を残した。


 揺らぎを共有した。


 余白を設計した。


---


 世界は閉じていない。


 揺らぎは流れ続ける。


 未来は一つにならない。


---


 それでいい。


---


 戦えない参謀は、

 最後まで戦わなかった。


 固定とも、

 混沌とも。


 ただ、


 続く構造を選んだ。


---


 世界は完成しない。


 だから続く。


本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価 をお願いします。


応援が励みになります!


これからもどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ