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二十八話 〜冷え切った心〜

投稿が遅くなってすみません。

これからも遅れることがあるかもしれませんが、気長に待っていただけたら幸いです。

私は、整備員さんみたいな格好をした女性の後について、施設を探索することになった。

この女性が誰だか私にもわからないし、歩きたくない気分だった。


「ここが整備ドッグ。君のアテナもここで整備中だよ。」

「…………」

私は何にも返していないのに目の前の女性は淡々と案内を続ける。


ここが医務室、ここが食堂、雑貨店、スーパー、居住区………


「怒ら…ないんですか?」

紹介が始まってから初めて、私は口を開いた。


「何を?」

「私が何にも返事しないことを。」

目の前の女性は笑顔で答える。


「怒らないさ。君は父親を失い住処も失った。喪失感でいっぱいだろう。むしろ、連れ回して申し訳ないね。」


なんだか、目の前の女性が父さんに似ている気がした。

性別も、見た目も、服装の汚れ具合も何もかも違う。

だけど、優しい雰囲気だけが、父さんに似ている気がした。


次に、私は司令室に案内された。

雰囲気はレグルスとは異なり、薄暗く、電子機器が絶え間なくピッと鳴っている。

でも、変わらないものもある。

それはーー


「副リーダー、資料完成しました。」

「リオンさん、また遅刻ですか!?」


そんなふうに、さっきの女性に人が集まる。

リオン、それが名前だろうか?


「おや、その子は誰ですか? 民間人は司令室に入れたらダメでは?」


民間人? 私が?

連絡が行き届いてないわけ……ないと思いたかった。


「あぁ、みんなには紹介してなかったね。彼女はアイリス・アレシア。あの戦艦レグルスの生き残りの1人だ。」

瞬間、周りの人たちがざわつき始める。

他に生存者はいなかったのだろうか?


「アイリス、そういえば君に自己紹介をしていなかったね。」

リオンさん?はこちらに振り返って言う。


「リオン・ファイトス。このNOA -CODEの副長だ。ガルヴィスとは長い付き合い……いや、"いとこ"って言った方が正確だな。まぁ、よろしく頼むよ。」

そう言って、彼女は私の肩を叩いた。


今、なんて?

父さんとは"いとこ"?


その言葉が私の脳に突き刺さったまま、動けなくなる。

だって、父さんの口からそんなこと一言も聞いたことがない。


「アイリス、アイリス?」

「あっ、はい。すみません。」

返事はできた。

でも、返事だけだった。


「歩き回って疲れただろう。一度帰って休むといい。」

「はい、ありがとうございます……」



部屋に戻る。

扉を閉めて、ベットに入った瞬間、私の手脚は気力をなくした。


「あの人が……父さんのいとこ……?」

信じられない。

でも、否定できないくらい父さんに似ていた。


じゃあ、なんであの日。

父さんが殺されたあの日、助けてくれなかったの?


頭の中では理解できてる。

間に合わなかったのは私。

助けられなかったのも私。


それなのに、理不尽に彼女を憎んでしまう。


考えてるうちに、私は父さんが殺された瞬間を想起してしまった。


届かない手。

重く響く銃撃音。

大穴を開けて貫かれる艦橋……


私が未熟じゃなければ助けれたかもしれないのに……

あの時、父さんが脱出する暇を作れたらよかったのに……


そして、父さんとは関係ないはずの……鶯のことも思い出していた。


AIである彼女は自ら死を選んだ。

私には、それが理解できなかった……


ため息をつく。

「もう……戦いたくない……」

気づくと、私はそんな言葉を溢していた。


目の前で人が死んだ。

大切な人が死んだ。

もう、人が死ぬのは見たくない。

でも、私は弱い。


弱い。

変わらない。

あの子を失ったあの時から。


ーあの子?


あの子って誰?

私はなんで戦ってたんだっけ?

なんで私は守ろうとしてたんだっけ?


もう…………戦いたくない………


リオン・ファイトス

ガルヴィスとはいとこの関係にあたる。

でも、歳の差は6歳近くある。

一応30代。

幼い頃、ガルヴィスに連れられ機体の整備場を見学したことをきっかけに機械に興味を持ち、軍学校時代は兵器学などを中心に学び首席で卒業。今日では関わってない新兵器の方が珍しいと言われるレベルの腕前を持つ開発者。

NOAの副長は元々ガルヴィスが勤めていたが、彼が海に出ることになったため、その座を受け継ぐことになった。


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