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二十四話 〜狂気と凶器〜

本当にすみませんでした!

かなり重要な回なのに、それに気づかずどんどん先に進めてました!

私は帰還した後、自室で横になっていた。

自分の意思……ではあるけど、艦長に自室で待っているように言われたから。

時刻はもう18時を回っていた。


あの時、鶯は鳴いていた。

そう、鳴いていたのだ。

私を罵倒するでもなく、泣くのでもなく、鳴いていた。


私には聞き取れなかったけど、どうしても気になって考えている。

もし、あれが余裕から出たものだったら……


もしかして、あれは本物じゃなかったのでは?

捕まるのも作戦の一つだったのかも?

そんな可能性が頭をよぎる。


その時、ドアが叩かれる。

「アイリス・アレシス、艦長からお呼び出しだ。牢屋まで来い。」

あれっ、何かしたっけ?

一瞬そう思ったけど、多分鶯についてだろうな。


私は急ぎ足で向かった。

道中、人は誰もいない。

それなのに音が聞こえるような気がして、ちょっと不気味だった。


牢屋に着いた。

薄暗くて埃っぽい部屋。

AIの捕虜なんて扱うことが少ないから……


艦長が目の前にいる。

「アイリス、鶯がお前に会いたがっている。」

艦長はそう言う。

後ろから鶯のあの“鳴き声“が響いてくる。


今日の艦長、言葉は厳しいけど優しい顔。

今回は艦長じゃなくて父さんとして見てもいい感じかな?

いや、そんなことを考えている場合じゃなかった。


私は、父さんの裏にいるであろう鶯の方に視線を向ける。

「えっ」

私は想像と違うその姿に思わず声を漏らす。


そこにいるのは緑色の髪に白い服、エメラルドグリーンと言ってもいいぐらい綺麗な緑の眼をした少女。

これが鶯の“本体“……


少し見惚れてしまう。

よくよく見ると、こめかみのあたりの肌がめくれてフレームが剥き出しになっている。

それは、目の前の少女が人間ではないことを強調していた。


「お前は誰だ!!」

そう鶯に言われる。

自分で呼び出したんじゃなかったっけ?


「私はアイリス。貴方を堕とした機体のパイロット。」

「そう、そうなのね?貴方があの機体のパイロットなのね?」

だからそうなんだって……

鶯は狂気的に笑っている。


ここで父さんが口を開いた。

「アイリス、お前じゃないと尋問は受けないって言うんだ。」

そう、めんどくさそうに言う。

なるほど、だから呼ばれたのか。


そうして、父さんから質問する内容を教わる。

「無理だと思ったらすぐに退くんだぞ。お前も疲れているだろうしな。」

最後にそう言われる。

「うん。」

その一言だけ返した。


鶯の方に向き直り聞く。

「まず一つ目。どうして人間を襲うのか。」

「そんなこともわからないの? 貴方達が私達にしてきたことへの報復よ。」

うん、そりゃそうか。


「二つ目、どうやって私達の艦を見つけたのか。」

「あら? 簡単なことじゃない? 貴方の機体をつけて行っただけだわ。」

普通に気が付いてなかった……


最後の質問を問いかけようとする。

「三つ目」

「アイリス、もうじき私の兄様とボスが来るの。」

そう静かに言う鶯。

私は、鶯が私の名前を初めて呼んだことより、その後の言葉に驚いていた。


「兄様とボス?」

「そう、忠告しといてあげる。この艦は破壊されるわ。兄様たちによってね!」

そう笑っている。さっきより狂ったように。


私はズレたことを聞く。


「どうしてそんなことを教えてくれるの?絶対に言わない方が有利に……」

「なんでかしらね。まぁ死ぬ前に面白いものを見せてくれたからかしら。」

「死ぬ前……?」


その時、目の前の少女はこめかみに銃を当てる。

カチャリという音が聞こえた。


「そんなもの持っていたのか!取り上げろ!」

そう大人が叫んでいる。

そう、叫ぶだけだった。

大人は全員、牢の外にいたから。


トリガーに指がかかった時、私には鶯が笑ったように見えた。

狂った笑いではなく、どこか安心したような笑い。


バンと破裂音が響く。

少女は倒れる。

その瞳孔は開いているのに、血は出ていない。


私は何も言わない。

何も言えなかった。

いつも聴き慣れているはずの銃撃音は、私の脳の中で反響している。


「くそっ、捕虜が自殺した!くりかえ……」

一人の兵がそう言う。

そこで大きな揺れが襲った。

短いが半端じゃない衝撃に、まともに立っていられない。

そんな中でも私は、目の前の亡骸を見ていることしかできなかった。


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