二十三話 〜再戦〜
最近思っているのは、これ、展開が静かだな?ってこと。
また今度一話から再編集していくかもです。
「敵襲!敵襲! 各員至急戦闘配備!各員至急戦闘配備!」
そんな放送が館内に響く。
私はちょっと用があって艦長室を訪ねていたので礼だけして格納庫へ急ごうとした。
「ちょっと待て。」
父さんに引き止められる。
そっちを見ると、何故だか険しい顔をしている。
「アイリス、お前なら勝てると思う。だからそんなにこわばらなくていいんだぞ。」
そう言って何かを差し出される。
「御守りだ。首にかけておくようにな。」
そう言って渡されるのはロケットとその鍵。
あれ無くなってたけど、父さんが持ってたんだ。
てか鍵あったのか。
「ありがとう父さん。」
その時、急に抱きしめられる。
「必ず生きて帰ってくるんだぞ。」
そう言って離れたあとすぐ、父さんは持ち場に戻った。
オキアミくんはその間無言だった。
私は格納庫へ急ぐ。
「おい、アイリス! 早くしろって!」
そう急かされる。
私はコックピットの跳び乗る。
「機体のコンディションはバッチリ!全力で戦ってこい!」
そう言って送り出される。
カタパルトから発射される。
機体重量の増加に伴い、いつもより遅く感じる。
そうして機体は射出される。
機体の抵抗はそこまで感じなかった。
今回、安定して戦えるよう、できるだけ近くに陸があるルートを通っている。
そう言うことで、私は陸地に向かって飛ぶ。
道中、近づいてくるヘリを落としながら向かう。
ちなみに、今回はネームド周りの対応に集中するように言われている。
近くの島に着陸する。
砂埃が舞い、風に乗り海に逃げていく。
木々が生い茂っていていかにもスナイパーがいそうだ。
少し奥に進む。
木々はざわざわと声をあげている。
「あら、都合よく獲物が来てくれたわ。逃げるなら今だけど?」
あの鶯の声だ。
オープン回線で声をかけるなんて、スナイパーのすることじゃない。
そういえば、前回もそうだった。
多分、敵をいたぶって遊ぶタイプなのかもしれない。
瞬間、響き渡る炸裂音。
私は飛んできた弾丸を装甲で受け流す。
火花が飛び散り、その衝撃が頭に響く。
被弾した箇所の増加装甲がパージされる。
少し煙臭い気がする。
「あら、あの舟にあの子以外にも手だれがいるって情報はなかったけど? まぁいいわ。もう一回楽しめるってことでしょ!」
また弾丸が飛んでくるが、今度は余裕をもって回避できた。
弾丸が飛んできた方向に私は飛んでいく。
飛んでくる弾丸は装甲が受け止めてくれる。
右奥の茂みがガサガサと音を鳴らす。
私は反射的に狐火をぶっ放す。
その方向から爆発音が聞こえてくる。
そして、爆炎が立ち込めている。
「許さない、許せないわ! どうして獲物に反撃を受けないといけないの? このままじゃ、狩りを楽しめないじゃない!」
飛び出してくる機影。
鶯がブレードを展開して突っ込んでくる。
私の機体の右肩が切り裂かれる。
「獲物が調子に乗らないで!」
再び、こちらに斬撃が飛んでくる。
間一髪でかわし、狐火を右脚部に向けて叩き込む。
「今だぁぁ!!」
そんな声がトリガーを引いた後なのに漏れ出る。
スナイパーライフルの弾倉の誘爆に巻き込まれたのか、鶯の右腕から煙が噴き出ていた。
「ふざけないで!」
奴がそう言った瞬間、私の機体の右腕が切断される。
でも、その動きに耐えられなかったのだろう。
鶯は地に伏せて、砂埃があたりに舞う。
弾丸が貫通し、その右脚は膝から下が外装だけで繋がっている状態だから、もう立てないと思う。
「こ、来ないで!?」
そうブレードを振りながら叫ぶ鶯。
その声は震えていて、機体自体も首を横に振っている気がする。
でも足を破壊された機体はもう動けない。
「前回のお返し!!」
そう叫びながら私はそのブレードを切り落とす。
「せめて、私を殺す前に! あなたの名前を……」
そう言われる。
いや、殺したいわけじゃないんだけど。
オープン回線に切り替えて言う。
「私はアイリス・アレシア。鶯、貴方をたった今から捕虜とします。大人しくしてください。」
目の前の機体はまだもがいている。
「嘘でしょ!? 貴方はあの時に殺したはず。少なくともあの高さから着水して無事なわけがない!」
私は無言で相手の右翼を切りつける。
その翼ではもう飛べない。
鶯はもがくのもやめる。
指揮官を失ったAIたちは撤退していく。
なんか、あっけなく終わったな……
勝ったのに勝った実感がないというか。
あっさりしすぎている気がする。
そう思いながら、相手の肩を掴み帰還しようとする。
アラームが鳴る。
モニターにエラー表示、重量過多で飛べないと。
結局、味方が来るのを待つことになった。
「なんか、スッキリしないなぁ……」
鶯は私に聞こえないように鳴き声を上げていた。
声でも歌でもないそれは、少し不気味だった。
私は何か、不吉な予感がしたけど、それが何かは知る由もなかった。
あっさりすぎる戦闘ですみません……
でも、それぐらいアイリスが強くなったってことです!




