十八話 〜襲撃〜
最近別小説の投稿できてなくてすみません。
今日
投稿します。
するべきことが全て終わった私は、ゆっくりダラダラしていた。
具体的に言えば、ゲームしていた。
何度も遊んで飽きていたゲームも、これだけ大変なことが続けば、楽しいってなってる。
暇つぶしに今までのミッションを振り返る。
……ダメージ負ってばかりだな、私。
それも左半身ばかり。
この前も[機体の扱いに気をつけろ。お前が出撃するとフレームが修理不可になってることがあるからな]って言われたっけ。
そんなことをぼんやり考えていた。
瞬間、凄まじい轟音と揺れが私たちを襲った。
「何!?」
私がそう叫ぶのと同時に、「敵襲敵襲、総員戦闘体制!」とアラームと共に館内放送が流れてくる。
私はオキアミくんを抱えて格納庫に急ぐ。
他に人がいないことから、遅れているのは私だけだと思う。
また足元が揺れた。
「痛っ……!」
私はその場に倒れこむ。
さっきの揺れで踏み外し、外側の筋を攣ってしまった。
「アイリス!?大丈夫ですか!?」
「大丈夫だから、さっさと行くよ!」
無理やり歩く。
思うように歩けず、私は壁にもたれかかる。
その痛みから声が漏れ出てしまう。
「アイリス。あんまり無理をすると……」
「いいから!!」
私はそう叫び、オキアミくんを抱え直す。
そうして手すりを伝い、格納庫に向かった。
「整備士さん!!状況は!?」
「整備士さんって……まあいい。敵ネームドに襲撃されている。
お前の機体はまだ直ってないから、A -5に乗ってもらうぞ。」
「わかった……っ!!」
「おい、お前こんな時に怪我か? ……肩貸してやるから急げよ。」
整備士さんに手伝ってもらいコックピットに乗る。
座ってしまえば足の痛みなど関係ない。
まだ痛いけど……
今使える武器は……
この前のホバーユニット、狐火、ブレードぐらいか?
モニターを見返してふと思い出す。
そういえば、WAT -14<フォルト多連装ミサイル>。
私の初出撃で使ったその兵装がまだ残っている。
多分、ホバーユニットなんかよりは換装に時間がかからない。
「これ、急いでのっけて!!」
「なんだって!?」
「いいから!」
「はいはい、上司の言うことには従いますよっと……」
五分もかからず背中に固定されるミサイル。
「ありがとう。」
そう言い、カタパルトに乗った。
「アイリス・アレシス、行きます!」
機体はいつもと同じ抵抗を受けて飛ぶ。
だけど、目の前に浮かぶ空の色は灰一色だった。
パッとレーダーがつく。
3km圏内の反応は、2…5…9……軽くみても20超えてる。
えっ、これだけの敵をどうやって見逃していたの!?
「味方は私達含め、6機、戦闘機も含めていいなら9機ほど。圧倒的不利ですね。」
オキアミくんが言う。
「こちらR -2、機体大破!離脱する!」
「訂正、ただいま8機に減りました。」
「うん、ソダネー。」
……軽口言えないぐらい絶望的な差だよ!?
考える暇もなく、複数の人型がこちらに突っ込んでくる。
これなら、撃つより切る方が早い。
ガシャンと音を立ててブレードを展開する。
まずこちらに近接戦を仕掛けてきた一機の脚部を切り落とす。
それは重力に従い海中に堕ちていく。
ショットガンを携えた一機に向かってブースターを噴かす。
散弾が放たれる、けれど私の機体は右半身に出力を絞りかわす。
そのままの勢いで敵の背後に周り、斬りつける。
上半身と下半身で分離して堕ちていった。
さて、3km圏内の敵は味方のおかげもあり残り16機。
そいつらをまとめてロックオンする。
そして、ミサイルが発射される。
凄まじい音と衝撃を残して、ミサイルは敵を追尾していく。
その衝撃で機体は後ろに吹っ飛ぶ。
......これだから使わなくなったんだったな。
ミサイルは敵機の進路を固定し、敵機同士の衝突を誘った。
灰色の空に星のように爆発跡がひかる。
そこに残った反応は3つほどしかなかった。
殲滅しに向かおうとしたその瞬間、レーダーがものすごい速さで向かってくる機体を捉える。
私が対応しようとした瞬間、背中のミサイルユニットが爆発した。
私は爆風をモロに喰らう。
「機体状況!!」
「右腕部スラスター破損。メインブースターは無事です。」
本当に危ない……
もし誘爆したらと考えるとゾッとした。
煙で灰色になった視界が晴れる。
目の前には、緑色の、まるで鳥のような機体がゆっくり舞い降りた。
その手に握られたライフルから、まだ硝煙が噴き出ていたーー
WAT -14<フォルト多連装ミサイル>
本兵装はかつての音爆弾などを使い分けられるためWATの名前がついたが、予想外の大型化をしてしまった。
試験を行った兵士たちからの評価が悪く、おそらく正式採用は見送られることになる。
一方で、目的のミサイルの使い分けという部分の完成度は高く、その技術は受け継がれていく。




