十話 〜呪懐〜
投稿が遅れました。
そして、次回の投稿は本作ではない、また別の作品の予定です。
また、1日ほど間が空くと思いますがよろしくお願いします。
次回から二十時に投稿します。
目標は万が一の為に、4機のスサナギが守っている。
それはカトリナの森の中を西廻りで進行中。
私は目標から10km離れている地点に向かう。
目標から見たら北東にあるそこは、見晴らしがよく、戦う分にもそして、見つかる分にも都合がいい。
この前自爆するのに使ったWAT- 12をななめ上に向けて撃つ。
……一応、この音爆弾は標準装備。
爆弾は上空300m地点で炸裂し、衝撃が伝わる。
その音はマイクを切っていたはずなのに、機体内部まで反響する。
……私の時、どれぐらいの轟音が襲ったのだろう……
さてここからが問題。
こんなあからさまなトラップに、AIが引っかかるのかどうか。
……でも今回は見事引っかかってくれたみたいだ。
後方から、一発、弾丸が放たれた。
直前、レーダーで敵機を確認していた私は避けることができた。
結構スレスレだったけど……このレーダー普段当てにならないから見てなかった...
そうして、その方向に私は振り返る。
「えっ。」
そんな声が不意に漏れ出る。
そこには今まで遭遇したことのない量の敵。
ヘリは……10機近く。問題はそこではない。
人型が4機もいる。
「スキャン完了。ネームドに該当される個体はいません。」
……まぁたくさんいるってことは、
この業炎が文字通り火を吹くってことじゃん?
まず、奥で支援射撃を始めたヘリ型数台に向けて、砲身を向けた。
「左肩部に被弾。アイリス、大丈夫ですか。」
……肩に数発被弾したが問題ない。
業炎の、その重い弾丸を敵機に向けて、ぶっ放す。
その瞬間。ヘリだけでなく、一機の人型……
敵機から6mほど離れたその姿まで消える。
爆風で体勢を崩したヘリ型がまた別のヘリ型と衝突する。
衝突したヘリ型たちはそのまま墜落していく。
というかヘリ型はこれでほぼほぼ撃墜できた。
……火を吹きすぎじゃない?
いくら砲身が重いってからって、ここまでの威力があるとは思わないじゃん
その次に、私は残っている人型に向けて機体を飛ばす。
そのままアエルカムラを展開し、人型を切り裂く。
一機、また一機と堕ちていく。
敵機が爆発するより早く、その場を離れたため、“毒鵙“とは違いオイルの雨は返り血のようにならなかった。
そういえば人型には大体AIが“乗ってる“のだったっけ?
ふとした瞬間に思い出した。本当になんでなんだろう。
その時、何かを考え込む暇もなく無線がはいる。
「二時方向から敵襲。敵の数およそ三十。救援求む」
私は違和感を覚える。
私がいる方向から敵襲というのは音爆弾から離れた個体が偶然発見したということにしよう。
ーーだがそれにしても数が多すぎる。
そして音爆弾に引っかかった個体数がそれに比べて少なすぎる。
いや私にとっては14機でも多かったのだけど。
一応音爆弾の十分に届く距離というのは10km以上ある。
どうして……
そんなことを考えてる暇はないか。
機体を急加速させる。
道中、敵機との遭遇は不思議なほどなかった。
数分後、目標を発見した。
しかし目標と護衛一機を除いて、撃破され、ほぼ壊滅状態。
その代わり敵機は10機ほどになっていた。
しかし、それもヘリ型数機と人型6機。
私が合流する直前、人型の砲撃により、最後の一機も堕とされる。
もはや護衛できるのは私だけ。
まずは周りを囲むヘリ数台に向けて業炎を放つ。
先程と違いばらけていたせいで3機も落とせない。
ヘリよりスピードのある人型は軽々避けてみせた。
そして一機が私の機体に近づいてきて、あの“毒鵙“と同じように、蹴りを入れる。
避けようとも避けきれず、結果右腕に蹴りが入る結果となった。
できるだけ“護衛対象“に近づく。
ヘリの攻撃は大したダメージにならないのだ。
最悪私が盾になればいい。
そして敵のヘリに向けて再び砲身を向ける。
そして銃弾を解放しようとした。
「今すぐそれを敵に投げてください!
早く!」
毒鵙と遭遇した時か、それ以上の勢いでオキアミくんは叫んだ。
言う通りに私は業炎を放した...
瞬間、業炎は自爆した。
同時に私の機体の右腕は吹き飛んだ。




