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探そう!閻魔なアルバイト 第一節

 「あのー、閻魔様?帰るんですよね?」

「うむ、そうじゃ」

「じゃあなんでずっとついて来てるんですか!?」

守ってくれるにしても家の中まで来るとは思いもしなかった。てかソファーでくつろぐなら自分の家でやって欲しい。

「閻魔様は自分の家に帰らなくていいんですか?見たとこ着替えとかも無いようですし」

私が疑問を口にすると彼女はさも当然のように答えた。

(わらわ)は今日からここに住むぞ。着替えなどはそうじゃな明日にでも買いに行くか」

は?これ護り人って名目で居候するのが目的だったんじゃ…

「でも買いに行くって言ったってお金はあるんですか?」

まぁ元閻魔大王らしいし、お金ぐらいたんまり持ってるでしょうけどね。羨ましい限りだよ、ほんと。ところが彼女はバツの悪そうな顔で目を逸らしてしまった。

「もしかして閻魔様、お金持って」

「持っておる!持ってはいるのじゃが」

そう言って彼女は金の刺繍が入った優美な紺の着物からがま口財布を取り出した。中を見ると1000円札が3枚と小銭がいくらか入っている。これじゃ今後の生活必需品を買うには絶対足りない!

「その〜、其方(そなた)を護りたい想いに嘘偽りはないんじゃが、いかんせん妾に出来る仕事がなくてな。これは妾が道端で説法をしてかき集めた金なんじゃ」

そこから詳しく話を聞いてわかったことを簡潔にまとめると

1 私と暮らすために稼ごうと思った

2 履歴書の職歴のところに閻魔大王と書いたところ追い返された

3 自分1人で出来る仕事として説法を思いついた

4 現代で説法をしても集まるのは数人で、数ヶ月活動してどうにかここまで稼いだ

「元閻魔と言っても誰も信じてくれぬし…」

そりゃそうでしょ!実際、私だってまだ半信半疑だし。でもこのまま住むのはいいとして、それなら閻魔様にも稼いで貰わなければならない。

「なぜ履歴書などというものが…これさえなければ…」

彼女はぶつぶつ文句を垂れている。しかし困った。履歴書なしで働ける所なんてあるはずが…いや()()()なら。私は携帯を取り出して電話をかける。

「渡辺さん!めっちゃ仕事出来る人がいるんですけどバイトで雇ってあげられませんか?」

『えっ!?ちょっといきなりすぎるよ、えっとドユコト?』

私は閻魔様の正体を隠しながら職場を探している子がいることを話した。色々あって履歴書が書けないなど、我ながら怪しすぎると思うがここならそんなこと気にしないだろう。なんせこの店は人手不足だし、私はこの店の常連なんだから!

『えーっと、とりあえず面接したいから明日にでも連れてきてよ』

よし!あとは閻魔様が上手く面接で話せるかどうかだが、仮にも元閻魔大王を名乗っているのだ。そのくらい造作もないことだろう。そこから渡辺さんと話し合って面接の時間が決まった。

「ありがとうございます、では、明日の10:00に連れていきます」

私は電話を切るとソファーで文句を一通り言い終え、いじける閻魔様の前に立つ。

「閻魔様!明日ついてきてください、仕事を紹介します」

彼女の顔がパッと明るくなった。


 「シショー、明日の仕込み終わったよ!つーかさっき電話してたっしょ。だれだれ?もしかして彼女さん?」

厨房からいかにもギャルという感じの女性が現れる。仕込みをしていたためメイクはほとんどしていないが、それでもモデルの様な色黒の美人で金髪がよく似合っている。

「違うよ(ねい)ちゃん、さっきのは常連さん。そうそう、もしかしたら明日寧ちゃんに後輩ができるかも」

彼女はよほど嬉しかったのか目を輝かせる。

「マジで!?ねね、どんな子?可愛い女の子がい〜な〜」

さぁね、どんな子かは僕にもわからないよ。だから明日面接するんだ。なんて会話をしながら彼女を家へ送る。さて、面接どうしよう…求人下手でバイトの応募なんて来たことないし。寧ちゃんは特殊事例だし。念願の初面接が常連の紹介で来る人なんて…絶対ミスれないよなぁ。はぁ、今日僕寝れるかなぁ…


書きたいことが多く閻魔様がバイトする話は数話に分けることになりそうです。次回予告に参ります。次回はついに閻魔様、面接初挑戦!と思ったら面接に来たのは奈落芽依と名乗る少女。彼女の正体は一体なに大王なんだ!そして初挑戦同士の面接は滞りなく終わるのか!次回「探そう!閻魔なアルバイト 第二節」

ご期待ください

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