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極・極短編集  作者: Avoid
8/15

道化

 お茶目な子、天然な子、ドジっぽい子。あとはほかにそれらしい言葉もあるのかもしれない。


 これらは全部、どこか抜けてるような人、という意味があるけれど、もしこの意味に当て嵌めてしまうのならば、私は、ピエロだの道化だのも、同じ穴の狢なのではないかと最近思ってきた。


 普段は超が付くほどの完璧か、超が付かなかったり完璧じゃないにせよ整ってる人がいて、でも、そんな人にもすこし抜けてるところがあったら、それって可愛い。


 可愛いはみんなに認めてもらえる魔法の言葉だ。

 たとえば私なんかにはきっと、あまり可愛いという言葉は使わないけれど、やれ、特にちっちゃな小動物にも似た女の子とか、すこしと言わずいろんなところが抜けてたり可笑しかったりすると、人気になれる。


 全く同じことを私がしていたとして、それは馬鹿とか鈍臭いとか思わず耳を塞いで目も瞑りたくなる言葉のご馳走だけれど、見た目さえよくてもしかしたら他のところで結果を出せているなら、それは、お茶目で天然でドジっ子なだけ。当たり前の話だ。


 そして、だからとは言わないけれど、私は、これならいっそ道化を演出してみてもいいように思えてきた。


 わざと馬鹿になって、わざと阿呆になって、まったく、なにかを演出プリテンドするのって、存外に難しい。


 むしろそれ自体が周りの押し付ける演出プリテンドなんじゃないかって、本人にその気はなくて、至って真剣に馬鹿になってしまっているだけなのに、それをしているだけなんじゃないのかって、馬鹿々々しい。


 じゃあ結局、誰が本物で誰が偽物なの?

 目に見えないもの感じるのって、難しいんだよ?

 まるで靄みたいに、全部が嘘で本当なんだよ、たぶん。

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