なんとなく嫌い
べつに君と友達になりたいと思って話しかけた訳じゃない。
たまたま、偶然にも、そこに君がいて、僕がいて、同じ高校生で、クラスメートで、最初に話す機会があったから、そうしたまでだ。
『よろしく!』って勢いよく挨拶してしまったけど、たぶん今の君が聞いたら、
『いったいどうした?』
なんて言って、それが普段の僕とは全く違う姿だということに、気付いていたかもしれない。
誰だって最初はそういうものだろ?
今になってはもう、誰か見知らぬ人に話しかけるような気力もないし、勇気もないのだから、タイミングさえ違えば僕らは遠い他人さ。
――ああ、べつに、『だから』と理由を付けたい訳じゃない。
ただ、こうやって第三者の視点から見ている分には、その偶然だけで生まれた繋がりを自分から絶ちにいく必要なんて無いんじゃないかな、と思うだけで、結果的に君がなにをしようと僕には関係ないわけだ。
一時の感情に身を任せるのも、じつにニンゲンらしくていいじゃない。
どうせ永久に変わらないものって無いのだし、それならいっそ、自分から変化を求めるのもアリだと思う。
打算的に生きようか。
たまには、
『お前と友達になってても最近なんも教えてくれないからおもんない』って、クソみたいな理由で友達捨ててみようか。
金とか顔とか好きとか嫌いとか、クソみたいな理由で偶然、捨ててみようか。
君がその関係を絶とうとする理由以上に重なった奇跡の連続だけれど、きっと、たぶん、その一つ二つ三つが木星より重い理由なんだろうね。




