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極・極短編集  作者: Avoid
12/15

等価

 私は、とある小国で聖職者をやっています。


 お仕事は簡単で、魔物とかを相手にして負傷した人を、聖なる光で包んであげる――たったこれだけです。


 さすがに、死んでしまった人を生き返らせるのは無理なんですけど、生き残ってさえいれば、相応のお金と引き換えに健康な身体をプレゼントできます。


 たまに、


『聖職者のクセに金取んのかよっ!!』


 なんて怒られてしまったりもしますが、本当にすみません。お金を取りたくないのは私もなんです。でも、もしお金を受け取れずに治療だけを優先していたら、と考えれば、いつの日にか食事にも寝所にも有りつけない私の姿も連想させて、醜く、死んで、こんな小国に私のような有能聖職者は他に居ないのですから、毎度の如く、学びもせずにゴブリンだのスライムだのに『不覚を取った』とか言って、とてつもなく下卑た視線をこちらに向けながら、あまつさえ少額で治療を待ち望む多くの冒険者さんに、迷惑が掛かってしまいます。


 もちろん、だからお金を取っているのは正当なんだ、と言いたいわけではありません。


 たとえば、お貴族様が私のもとへ毎日のように訪れてくれて、


『治療を頼もう。貴族の命を救うのだから、報酬は相場の百倍にする』


 と言って下さるなら、私は喜んでそれをお受けし、ほかの人の治療費なんて無料にしても良いくらいなのです。


 はあ、――いまはどんなに身分の高い人を相手にしても、相場にチップとして一日の食事代程度を貰えるだけなので、早く命の重さに適した治療費を取れればいいなって、そう思います。

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