馬鹿者
『最近お前つまんないよな』
って言われることがあるのだけども、それをなぜ僕の前に来てまで言うのか本当に理解できない。
だから、
『君がつまんなくさせてるんだよ』
と言ってみれば、なんだか微妙な顔をするだけで沈黙する。
――僕はそんな君が嫌いだ。
いつもいつも人に頼ってばかりだし、気付けば自分の恋愛話だとか自慢話だとか一方的な、会話とさえ呼べないドッジボール。僕に求められているのは常に、『うん』とか『たしかに』とかロボットみたいな返事一つだけ。
たぶん、君の前に立つ人って誰でもいいんだよ。
すこし他より勉強が出来て、宿題やらなにやら答えを全部教えてくれて、あとは自分の話をすべて肯定してくれる人なら、本当に誰でもいい。
僕が僕である必要性を、君と話してる時は一瞬も感じ取ることが出来ないんだ。
どうせ今日も、明日も、その次の日も、
『俺いまあの子狙ってんだよねー』とか
『昨日この子とお台場で遊んできたわー』とか
『わりぃ、答え見せてくんね?』
『ノート貰うわ』
そのうち、僕はうんともすんとも言わなくなってしまう。
のらりくらり生きようとしても無駄だ。
みんな、君のことをどこかで嫌っているし、たまに君のことを好きだと言う物好きもいるけれども、それは、本当に君を見せ物みたいな感覚で楽しんでる人に過ぎない。
どうして君にはそれが分からないんだ?
周りの人の反応があれだけ淡白なのに、どうしてそれでもまだ話しかけるんだ?
君は信じられないくらい――馬鹿なのか?




