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バットエンドを迎えた童話主人公たちのサバイバルゲーム  作者: 百野桃之助
1章 暗殺メイド
3/5

カメリア


 馬車を降りた私はそのまま応接室に通された。どうやら当主と話をするそうだ。

 信用に値する人物か、その部分を自分の目で見たいのだろう。

 

 

 私が応接室に入るとそこには既にプラチナブロンドの男性が石像のように座っていた。

 私がそのまま挨拶をし、男性の前の椅子に腰を掛けた。

 机には紅茶が置かれていたが、口にはしない。

 「私はレスター公爵家現当主ローガン·カリステモンだ。君の名前は?」


 「名前はまだ無いです。父には悪魔としか呼ばれていなかったので」


 その言葉を聞くなり、ローガンは自慢の口髭を擦った。


 「ふむ、では君にはこれからカメリアと名乗ってもらおう。カメリア、まず君のステータスを一緒に見るためにこちらに来てもらおう」


 その言葉だけを残し、応接室を出て左側に歩いていった。どうやら、ついてこいと言っているらしい。

 (ここは大人しく従っておこう)

 そのまま私はローガンに付いていき、地下室に着いた。

 


 「ローガン様いったい何をするのでしょうか?」


 「この部屋の中心にある、あの水晶に触れなさい。それが終わればカメリアの暗殺メイドとしての配属先を決めます」


 「では、行きます」その言葉と共に水晶に触れると水晶が光だし、やがて何かの映像を写し出した。

 

 

 【カメリア】【種族:人族♀】


 【生命値:40/40】 【魔力値:300/300】


 〖スキル〗


 【固有スキル:石入れ替え】【固有スキル:■■■■】

 


 固有スキル【■■■■】これは転生者の証、隠蔽しても絶対に残ってしまう。それを私は"知識"として脳に流された。他にもたくさんの知識を詰め込まれた。【この世界の言語】、【世界地図】、【様々な種族】、【サバイバルゲームのルール·解説】。とくにこの【サバイバルゲームのルール·解説】には重要なことが書いてあった。脳に刻み込まれていて書いてあったと言うのも変な話ではあるが。書いてあったのだ。

 


 〖ルール·解説〗

 1、武器はなんでも良い。毒でも兵器でも転生者を殺せるなら殺そうねぇ~


 2、制限時間は転生してきたものは記憶を思い出してから25年。まぁつまり今年からあと25年間ってことだよぉ

 

 3、固有スキル【■■■■】を持っている人物は童話世界から転生してきた転生者。隠蔽は無駄にしてあるよぉ~

 

 

 「【■■■■】か···。君はその年の平均よりかなり魔力を持っているようだね。【石入れ替え】?試しにやってみなさい」


 「【石入れ替え】」

 

 発動したもののなにも起きず、ただただ体が輝いただけで終わった。

 (なんだこれは···)


 「まぁ、良いだろう。固有スキルなどあるほうが珍しい。そのスキルはいつか使えるようにしておきなさい。それと、君の配属先だがメイドとしてはここで雇い。暗殺者としては必殺部隊に行ってもらおう。」


 「少し、私を雇う上での提案を聞いてくださりますか?」


 ローガンは顎に指を当てる。


 「良いだろう。して、その提案というのはどういう物なのだ」

 

 「私が月にもらう給料に1つの情報料を引いて貰えると有り難いです。」


 「良いだろう、その情報というのは?何が知りたい」


 ここまでは順調。そして私が知りたい情報などたった1つ

 

 「私のような【固有スキル:■■■■】を持っている人間の情報です。」

 

 もしかしたら人間ではない可能性もあるが、現に私がこうして人間に転生している以上、他の童話主人公も人間である可能性のほうが高い。


 「その情報を得て君はその人間をどうするのかね?」


 そんなの簡単だ。この世界に着たときから答えは既に出来ている。そしてこの場で嘘を行ってもいずれバレることだ、それなら先に宣言して


 「殺します」

 

 その言葉を言いきれたか言い切れなかったか、ローガンから溢れんばかりの殺意がわいてきた。考えられる可能性はかなりある。1、ローガン自身が【■■■■】を持っている。2、ローガンの周りにそのスキルを持つ人物がいる。3、私が殺気でどうでるか試している3のほうが可能性は高いだろう、だが警戒は怠れない


 「君は殺すと言ったね。それは私でも?」


 「今は出来なくともいずれ」


 何があっても最後に生き残るのは私でなくてはならない。それは絶対なのだから。このローガンが邪魔ならば時間を掛けて少しずつ殺すだけ。そこに諦めると言う選択肢はない。

 

 そんな決意を感じ取ったのだろうか殺気が無くなった。殺さないと言うことだろうか?─いやこれは違う。最初の殺気は牽制、ならば次は私を処分するつもりなのだろう。殺気がないのは孤児院の実験の考え方と一緒だ、ただただ1つの命を刈り取るだけ。そこに特別製を感じさせない、作業として殺気を出すまでもない。

 (これが孤児実験の完成形なのか)

 

 「今のをそう判断したのか。面白い、1つ君に良いことを教えよう。さっきの提案だけど乗らせてもらうことにしたよ。」

 

 「はい?」


 「さっきの提案を乗らせてもらおうと言うことだよ」


 驚きの発言が出た。この提案では私にしか利益がない、第1この提案は取り消されると想定して言ったものだ。


 「私を信用できないのか?」


 「いえ、少し驚いただけです。私の提案の中にはローガン様の利益に繋がることが無かったので」


 「あぁ、繋がるとも。君が固有スキル【■■■■】の人物を探しているのと同じで、私も探しているのだから」


 私も。と言うのはどういうことなのだろうか。もしかしたらこの人も同じ転生者なのかもしれない。

 

 私がそんなことを考えているとそれを感じたのかローガンが部屋の中央の水晶に触れた。

 

 

 【ローガン】【種族:人族♂】


 【生命値:1000/1000】【魔力値700/700】

 

 【闇魔術:レベル4】

  〖スキル〗

 

 【スキル:気配察知】【スキル:神撃クリティカル


 


 【■■■■】は隠蔽できない。ではローガンは違うのか。


 「私は今、国の依頼で【■■■■】を持って無作為に暴れている半年以内に人間を始末しなくてはならない。君のステータスを見た時は驚いたが、どうやら今回の獲物は君ではなく、君が探している人物と同じみたいだ。ここまで言えばわってくれるかね?」


 「わかりました。私は今後は暗殺メイドとしてこの屋敷に使えたいと思います」


 「これからよろしく、カメリア。今からここのメイド長がくる、そのメイド長にじっくりしごかれてきなさい、」

 


 その言葉と共にお互い手を取り合った。

 


 暗部の派遣先としての必殺部隊とは、情報を入手する情報部隊とは違い。殺すことを専門とした部隊です

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[良い点] メイドはいいぞ~
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