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The order of things

作者: りふ

 ここで叫んだところで聞こえない、誰にも。



 俺が力の限りあがいたところで0.1ミリだって変わりゃしないし、誰も見ようとしない。


 知ってたさ。だって俺は透明人間。



 気づけ、羊ども。


 考えろ、自ら。


 見渡せ、高いところから。



 じわじわと蝕まれてるよ。


 一見、平和そうなあんたの周り。


 幸せだね。


 何も考えず、見ようともせず、なにも疑うこともしない幸せなあんた。



 だから騙されんだぜ?



 あんたよりあっちの方が100倍頭が回るからね。


 勤勉で真面目で清廉で正義感に溢れて生きて来たポジティブなあんたより。



 用意されたマニュアル通りに従えば、何が起きても責任は逃れられるけれど、世間のニエにならずに済むけれど。



 自称専門家さんは他人を巻き込み、意に添わぬ奴は貶めドヤ顔。



 見ろよ、その結果はあの有り様。


 どうやって責任取ってくれんの?



 一般的羊さんたちは生ぬるく生かされて最後はどんなフィナーレ迎える?



 気に入らなくてもさ、全部無自覚の内に自分がそういう選択して来た結末だから、受け入れなきゃね。


 だって、あれもこれもこの国では自己責任ってことだから。



 仕方ないよ。そうやって世界は回ってる。



 ここまで来ちゃったら、なにも気づかないまま、見ないまま死んでいった方が幸せ。



 今さら後悔しても恨んでも無駄だし。モヤモヤ抱えて進むしかない。


 でもって上を行くあいつらは全然無傷に決まってんだろ。


 だって下に与えたものとはまた違う倫理を持っているから。良心の呵責なんてあるわけないよ。



 そしてその懐は壮大に広く深き全能の神は、全てお許しになる。それは歴史が物語ってくれてるよ。


 弱き者がいくら蹂躙されようと、虫けらの死となんらかわりはない。


 哀しむのは同じ虫けらのみ。



 世界には数えきれないほどの倫理観が生まれていて、時代と共に変化してゆくけれど、全て認めて下さっているね。


 もしかして、人のことなど見てはいないのかも知れないね。


 だから、誰かがあんたの言う極悪非道を尽くしたところで、神の名を騙ったとて、天罰なんて誰にも下らないよ。



 人に罰を下しているのは人だから。


 下せる人がいないなら、罰なんて無いよ。



 生きてる今が大切だね。


 あ、そうね。目立たぬように今のマジョリティ勢に従っとけば無難ですかね? 俺、羊さんだし。


 

 不思議だね。自分が持つ倫理観から外れたことは、すべては悪だと思ってしまうなんて。



 その概念、いつからどうやって自分の心の中に?





自ら闇には触れない方がいい。触手は振り払え。

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