平和な日常
始めまして!エフです。
初投稿です。不定期ですが更新していきますので読んでくれると嬉しいです!
春風が吹く3月、僕は中学を卒業した。僕の名前は鳴枚樹湊
(なるめき みなと)。来月から高校に通う(今は)中学三年生だ。
見た目は…まあ、陰キャではないが冴えた見た目では無い。
かと言って勉強が出来ない訳でもないし、運動が出来ない訳でもない。というかむしろ、運動はできる方だ。なんてったって祖父が道場をやっていてそこで極真空手をやっていたのだ。あとはサッカーもやっていた。その頃が懐かしい。
「あぁ、あの頃に戻りてえな〜」
僕は空に腕をのばしそんなことを呟く。
「なーに言ってんのよ。過去じゃなくて未来を見なさい、未来を」と横から声がする。声がした方向を見ると、そこには陽の光を浴びて髪がやや栗色っぽく艷めくショートとボブの間くらいの髪型の女の子が立っていた。彼女の名は月本光。
僕とは小6からの付き合いで、よく一緒に遊ぶ。言わば遊び仲間だ。
「なんだよ。思い出に浸ってたっていいじゃないか」僕は光にそう返す。
「思い出に浸るのもいいけど、湊は浸りすぎなのよ。浸りすぎは良くないよ?」光はちょっと怒ったように返す。
「はは…悪かったよ。もう少し前向くから許して、な?」
「…じゃあ許す」
「ありがとう」
僕らはそんな談笑をしながら、川沿いの土手を歩いていた。
ちなみによく一緒に散歩に行ったりする。
約1ヶ月半後
「はあ〜あやっと数学の授業終わった〜」
高校に入学し、早1ヶ月半くらい経っただろうか。僕は授業が終わりため息のような声を出す。
「何がやっと終わった〜よ。ほんとに理解したの?」と聞き覚えのある声。光である。そう、入学式の時に知ったが、同じ高校で同じクラスなのである。同じ高校だったら教えてくれても良かったのに…と思いつつ、僕は光の疑問に答える。
「理解してるぞ?ここをこうだろ?」
僕はノートに授業でやったとこを書いて見せる。
「…合ってる。なんでそんな聞いてなさそうで理解してんのよ。こっちは問題に食らいつくのに必死だってのに」
光が少し頬を膨らませながら言う。んな事言われても…
「先生の話聞いてれば理解出来るだろ?難しいって僕に言われても教えるくらいしか出来ないよ」
どう答えようか、と思い僕はとりあえず教えることはできると言った。
「わかった。じゃあ教えて」
光は僕の方を見ながらキラリと笑う。こいつ…遠慮ねえ…
と思っている時、また別の声が僕を呼ぶ。
「俺にも教えてくれ〜」
響くような通る声……あいつか。
「お前もかよ、戒斗」
声をかけてきたのは誰にでも分け隔てなく接するやつだ。
名前は出流戒斗。高校からの付き合いだが、同じ中学らしい。周りとの関係性がそこそこある僕でもこんな奴が同じ中学にいるとは思わなかった。まあ、中学校7クラスあって1学年300人くらいいたから覚えきれてないのもあるが。
「さっきのとこ教えてくんね?ちょっとここが理解できなくてさ〜。あの先生分かりづらすぎだろ。お前もそう思うよな!」
と戒斗は元気よく言ってくる。いや分かりづらくは無いだろ…
「はいはい、とりあえず教えればいいのか?多分分かんねえのここだろ?」
僕は今日やったところを指さす。
「そうそう!ここここ!今度学食奢ってやっから、な」
戒斗は手を合わせながら僕に言ってくる。そこまでかよ…
「あ、私も同じとこ教えて〜」と光も言っている。ここそんな分かりづらいかなあ…
「ここはこの式を使ってこう解けばいいのよ。ほら」
とまた別の奴が僕の机のとこによってきた。ポニーテールの明るめの茶色の髪色をした女子である。こいつは姫川結衣。高校からの付き合いだ。基本は僕、光、戒斗、結衣の4人でいる。他にも友達は居るが、このメンツでいるのが最近は1番楽しい。馬が合うもの同士、やはり一緒にいると楽しいのだろう。そんなことを思いつつ、僕は先程やった数学の範囲を結衣と一緒に2人に教える。2人は勉強はそこそこなのだが、あの数学の先生の教え方がどうも合っていないらしい。まあどういう形の説明で理解するかは人それぞれだけども、少なくとも僕はあの先生の教え方はわかりやすいと思う。
キーンコーンカーンコーン。チャイムがなった。次の授業は生物だ。
「教えくれてサンキュー。昼休みなったら学食行こーぜ」
自分の机に戻る時、戒斗がそう言った。そういや今日は一緒に学食行こうぜって約束してたな。
「OK。スマホ忘れんなよ?」
「分かってるって」
「あ、私も行っていい?」と光も乗っかって来る。
『もちろんいいぜ』と僕と戒斗はハモリながら返す。
「じゃあ私も〜」と結衣も行く気マンマンだ。ま、いつもの事だけど。
「OK。じゃあ戒斗の机が廊下側扉に1番近いから生物終わったらスマホ持って戒斗の机のとこに集合な。ちゃんと財布も持ってこいよ〜」
『はーい』「分かった〜」3人が同時に返事をして、各々の机に戻って行った。学食、今日は何食うかな……僕はそんなことを考えながら生物の授業に臨んだ。
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