#4 犬冒険者、初めての戦闘をする。
「ザザッ…。@*+#”$%&#%&&#’#&*‘+>;?」
「『あの?師匠?なにいってんですか?』」
「@+>‘”$”@&*$#:%”’&#。ザザッ…。えと…。言葉を話せるのに、言われていることはわからないのね?」
俺は、頭を縦に振る。
うーん。と師匠は考える。
「だとすると…。」
「『だとすると…。』」
「そろそろね…。」
そろそろ…まさか。
手にかかる俺をここに捨t…。
「宝箱があったってことは」
やっぱり…s…えっ?
「戦闘ね。」
セントウ?戦闘!
「『戦闘って、戦うんです?』」
「あたりまえでしょう。冒険者になるんだから、敵との遭遇も日常茶飯事でしょう。」
「『あー。確かにそうですよね。』」
そうだ。俺は冒険者。命を懸けて…。
そういえば、なんでこんなことに。
なんて考えているときに背後にぷるっ。という音が。
【********!】
何とも形容しがたい鳴き声がした。
そして、背後にいたのはプルプルとふるえている青色の丸くて柔らかいものが…。
ま、まさかすr…。
「あー。でたわね。ブルーゼリー。」
「『ゼリー?スライムとかじゃなくて?』」
師匠は、はあ。とため息をつくと。
「忘れたの?あなたの感覚ではわからないけど。スライムはかなり上位の魔物なのよ。」
ああ、そういえばと思った。
一応、まだ一日も経過してないんだよな。
「で、ゼリーってのがスライムに似てる魔物なのよ。まあ、魔物だけどあれは使い魔みたいなものね。」
「『使い魔?』」
師匠は、あっ。と口を押さえる。
まあ、この時点である程度察してはいたが。
おそらくだが、前の世界のゼリーみたいにお料理間隔で作れるんだろうなー。
もちろん、スライムもなんだが。
「えと。一応、ゼリーは物理にも魔法にも弱くて、脆いのよね。」
とりあえず、このプルプルしているものは壁の向こう側の人たちが作ってくれたクッキングゼリー(魔物風)ということだ。
「『とりあえず、どうすればいいんです?』」
「なにか魔法とか、特技みたいなものでも使ってみればいいんじゃない。」
そんなものあったかなあ。
いや、そういえばあったな。
確か…。
「『『ゲイン』!(恥)』」
さっきまではワンワンとか、特殊な遊びみたいなことをしているみたいだったが。
今は、しっかりと人にも聞こえるようにバウ…翻訳機が拡声している。
おかしいな…。
こんなに恥ずかしかっけ。
師匠のいってた『モノ』の力って異世界もののチートとかじゃないのかよ…。
ズズズ…。
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スキル条件解放:『聴覚適応』、『嗅覚強化』
『聴覚適応』:レベル3以上(条件達成済み)
『嗅覚強化』:レベル2以上
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あっ…。
今、なにも魔法も特技(物理技?)も覚えられないこと確定ですわ。
あはははは…。
チラッ。
「…。」プフ…。
…。
あー!
今、あの師匠、笑いましたね!
人?が困ってるのに笑うなんてひどい!
「いや、だって。そんなにでっかい声で『ゲイン』キリッ なんて言ったら笑えちゃうでしょ。」
そういうや否や、ツボにはまったようにクスクスと笑い始めた。
他に覚えたことといえば
ーーーーーーーーーーーーーー
<取得済み>四足強化
ーーーーーーーーーーーーーー
…。
たぶん、なにか技とかじゃないよな…。
これ、何もなく戦わなくちゃいけないのか。
【******。】
「『師匠。なんて言っているのか聞こえます?』」
「ふふう。へえ?」
「『聞いてました?人の話?』」
「ええ!?もちろんですとも。」
「『じゃあなんて言ったかわかります?』」
「それは…。わかんない。」
「『やっぱり人?の話生きてなかったんじゃないですか!』」
「いや、そういうのじゃなくて…。聞けないのよ。あくまで人工の魔物だから。」
「『そうなんです?』」
「そうよ。実際にあなたと会話できてるのも私の力あってこそだったでしょ。」
そういえば、相手と自分の会話が成り立っているのは師匠の『モノ』の力だったわけであって。
師匠が力を使わなかった場合、会話が成立しなかったんだよな。
いえば、自動翻訳機みたいにリアルタイムで翻訳してくれるわけでないんだ。
【***!!!】
なぜか『ゼリー』は興奮している。
プルプルと全身を震わせることで威嚇している。
かわいい。
丸くてプルプルで、ちょっと強気なペットみたいだ。
もしかして、こっちの世界のp…。
【***!!!】ピョン…。
ドン!『グヲオオ!!』」
ゴロゴロと体が回転している。
固い地面でむち打ちほどでもないが結構いたい。
「『痛たたた!!!』」チラッ
「…。」プフ…。
あー!
また、馬鹿にしましたよね?
【*****…。】
「ほら、早く立ち上がって戦ったらどう…。ふっ…。」
「『また、笑いましたね!もっと何かヒントと隠れないんですか!』」
「いや、だって。さっきまで話していた人が『うわあ!』って突然転がりだしたら我慢できなくなるでしょ…。」
そういって師匠はまた口を押えて笑っているように見える。
尊敬していたのに…。
とにかく、使い方がわからないしなー。
「フフ…。あっ、そうだ…。一応、スキルの使い方はそのスキルの名前を言えば使えるわよ…。まあ、使えるものがあればだけど…。」
くうう。
ずっと馬鹿にされているせいでもう怒りをわいてこない。
【*****…。*****!!!】
「『やるしかない!』」
どうやら、ゼリーもお怒りのご様子。
とにかくかみつくだけでも効果あるのか?
【***!!!】
来る!
ゼリーはまっすぐ弾力を生かした突撃。
後は、タイミングをみて…。
【***!】
今だ!
ーーーーーーーーーーーーーー
『四足強化』が適用されます。
ーーーーーーーーーーーーーー
え?
「『グヲッ?』」
ズッっと、体が前に引っ張られるように一歩前に進もうとしただけなのに。
【**!?】
グシャ…。
「『ぶぶb…。』」
突然、視界が真っ青になる。
それ同時に顔の周りがなにか…いや、ゼリーに包まれた。
くそっ。息が…。
だめだ…。
人の姿の時みたいにもがくことができない。
息が長く続かない…。
おそらく、ゼリーにすごい速度で突っ込んだんだ…。
ああ、意識が…。
ベシャ…。
「なにか感傷に浸ってるみたいだけど。別にまだ死ねないわよー。」
ぶはっ。
そ、そうだ。
あまりにも急に物事が立て続けに起こりすぎて忘れてた。
「『た、助かりました。やっぱり、師匠しかいませんよー。』」
そういって師匠に近づこうとしたが、露骨にひかれた。
何か、俺、やらかしたかな?
「あー。はいはい。どうも。とりあえず、ゼリーまみれの体で近づかないでほしいなー。」
「『そんなー。死線を超えた仲なんですから…。』」
「いや、超えそうにあなたがなっただけでしょ。」
ベトッ。
「…。」
なにか汚物を見るような視線を感じる。
「じゃあ、とりあえず戦闘終了ね…。」
こうして、そのあとはなにごともなく洞窟を出た。
やっぱり人口の洞窟だったんだ。
でも二つ、謎がある。
『なぜ、前の世界のものが『モノ』としてあったのか』
そして、
『『四足強化』はなぜ暴発したのだろう…。』
でも、今考えても意味はそこまでない。
とりあえず帰ろう。
家はないけど。
でも、
「とりあえず、しばらくは私の家に泊まりなさい。」
と言ってくれたので大丈夫だろう。
まあ、今のままだと家に挙げてくれるかは微妙だけど。
「…。」
「『なにか?』」
「いや…。」
…。
今日は、野宿かな。
とりあえず、明日を生きるしかないよね。
この世界で。
まあ、この話はいったん区切り。
洞窟を出てからの話はまた…。いつか。
ー序編「了」ー




