美咲とデート?
そういえば今日、猫又はどうしているかというと猫としてひっそりと着いてきています。
どうやら猫又は俺の美咲に対しての好意に気がついていたらしくせっかくのデートだからと言って少し遠慮してくれている。
そして今も黒猫として後ろに居る。
美咲も気がついていないようだ。
俺は今、買った服の袋を両手に持っている。
結局五着くらい買って今も一つ着ている。
美咲が最初に選んでくれたワンピースを来てカフェに向かっている。
「そういえばできたカフェってどんな店なんだ?」
「なんか、本格的なコーヒーとスイーツが楽しめるって話題な店よ。」
「へー絶対いい店じゃん。」
そう思うと気分がさらに向上してルンルン気分で足を進めた。
そんな調子で店に着き現在その店でコーヒーを楽しんでいる。
俺は母の影響でかなり舌が肥えている自信があるけどこの店は多分本物だ。
入れてる所も見たが丁寧にしっかりと入れていてその上コーヒー豆も良いものを使っている。
スイーツの方も砂糖の量もちょうど良く、甘さもちょうど良い。
美味しい。
もう一杯くらい飲みたいが流石にカフェインが入っているものはあまり飲みすぎてはいけないと思い辞めといた。
そして飲み終わりそろそろ帰ろうとしていると、外にいる猫又からテレパシーで話しかけられた。
(主人様。主人様。大変です。大通りに怪物出現の予兆が。これは強い気配です。Bランク以上は間違えありません。)
Bランク以上だって。
Cランクでも相当危険だ。
こんな人通りの多い場所でBランクが現れれば
そしてその瞬間大通りに怪物が現れた。
「何でこんなところにあんなに巨大な怪物が。」
周りは一気にパニックにおちいった。
サイレンが鳴り響く。
人々は混乱に包まれ大通りは騒ぎになっている。
カフェ内も一気にパニックに包まれ客が動き回る。
(主人様、こいつAランクです。すみませんがこの大きさ私との相性的に対処しかねます。主人様、対処お願いします。)
(俺、戦闘経験皆無なんですけど。)
(大丈夫ですよ、主人様であれば。)
(でも、こんな所で使えば目立つんじゃ。)
そうだ、俺は正体がバレて連盟に入ることになるとかはごめんだ。
だからあんまり大人数がいる場で能力の使用は控えたい。
(それは大丈夫ですよ。その能力使用中は変身を見られてなければ正体がバレませんから。ほら、魔法少女あるあるでしょ。)
(そうなのか。なら大丈夫か。)
(それにきっと美咲さんにこれから力になってもらいたいならここで正体を明かすのはありだと思います。)
そうだな、いつかはそんな時が来なきゃいけない。
それは近い方に越したことはない。
それは今であるべきだ、能力について明かすのは。
「五月、五月。とりあえずお店出よう。危ないよ建物の中の方が。」
「そうだね。駅前はよく来てたから道のりは得意だ。ついてきて。」
「うん。」
そして俺は美咲の手を引き外に飛び出した。
例の路地裏に向かうために。
怪物から真逆にある路地裏。
俺的には良い思い出はない。
人通りがいつでも少なく皆無、いじめには最適な場所だ。
そう、俺は中学時代そこでいじめられていた。
そんな場所で俺は変わる。
今日から変わるんだ。
「五月?ここどこ。」
「ただの路地裏だ。ここでここから起こることは他言無用だ。」
そして、俺はステッキを取り出す。
そして上にかざし変身する。
魔法少女に、人を守る正義のヒーローに、俺はなる。
-言葉美咲
怪物が大通りに現れて私は五月に手を引っ張られて店を飛び出した。
そして、路地裏に連れてかれたと思ったら五月は変なステッキを上に掲げたと思ったら全身が光に包まれ、姿が変わる。
白髪で顔が可愛いのは変わらない、だけども髪型はツインテールにかわり服装も変わりまるで魔法少女のようだ。
そして、怪物の方向へ向かう。
私は思わず声に出した。
「五月っ」
「美咲、隠しててごめん。これが俺のやるべきことだ。」
そして、五月は足を踏み出した。
五月の動きは速かった。
体の柔軟さと身体能力をうまく駆使して攻撃を避けつつステッキを使って魔法を使う。
能力ランクはBランクレベルの能力だけどあの怪物は推定Aランクだと思う。
そうなると普通なら不利だと考えるだろう。
でも五月は圧倒していた。
能力に頼るのではなく自分の本来の力を使う。
本来の超能力者ではあまりいない。
でもそれで1ランクとは言わず2ランク分は五月は補ている。
はっきり言って技量が大半だ。
さすが私の五月って言った所だ。
でもそんなことを思っている時。
「嘘、そんな。」
五月が相手にしている一体に加えまた一体大通りに現れたのだ。
あの戦いぶりだと一体で手一杯だ。
それなら私も、私だって五月の力になる。
私の言の葉の力を使って。
言の葉の力・・・
世界のあらゆる言葉を知る力。
本は一瞬で読み終わる上に絶対に内容を忘れない。
だからこれまで読んだ本の本数は1億以上に及ぶ。
日本だけじゃなく世界の本も読んでいる。
非戦闘向きの能力でも戦闘を行える方法も。
そう、私の能力単体では戦闘向きではない。
でも能力の力を別の力に変換することで戦闘にも使える。
例えば...魔力とか。
私は決意した、五月に、五月に力を貸すことを。
-白瀬五月
俺は今大通りで怪物と戦闘をしている。
本来、この力はAランク出るのだがこんな公の場で使うわけにはいかない。
だからBランクの能力に制限した上に自分の本来の身体能力を上乗せして補っている。
そのことによりAランクと対等以上には戦えていた。
もう一体現れるまでは。
さっきのことだ二体目の怪物が出たのは。
正直全力を出せば倒せるなさのだが全力を出すと目立ってしまう。
そんなことを気にしなければいいと思えればいいのだが流石に連盟に入る必要が出てくる。
連盟に入ることは絶対に避けたい。
そんなことを考えて戦っていた時だった。
「五月、私にも手を貸させて。」
この声、ああ間違え無い。
あいつの声だ。
そして路地裏から出てくるあいつの姿が見えた。
仮面をつけて正体を隠しているようだが俺には分かった。
俺は路地裏の方に行き言った。
「力を貸してくれ、美咲。」
「もちろんよ、二人で戦いましょう。」
戦闘の結果に少し光が見えた。
美咲は先端に本がついたステッキを取り出して詠唱を行う。
これが美咲の本来の力だと一瞬思ったがテレパシーで入ってくる猫又の驚きぶりからきっと違うんだろうと思った。
まあ、美咲が放った攻撃は魔法だったが、猫又いわく美咲もBランクの魔法を使っているらしい。
それも本気ではなく。
美咲も技量で勝負するようだ。
俺も負けじと魔法を放つ。
もう既に二体ともかなり疲弊してる。
「決めるよ五月。」
「了解。」
そして、二人ともBランクで放てる全力の魔法を撃った。
その攻撃は怪物に当たりダメージが加わり怪物は倒れた。
「やれたかしら。」
「多分ね。」
そして怪物が消え始める。
そして、冷静になり周りの人々がスマホをかまえてるのが見える。
あっこれ動画撮られてるなと気がつくのに時間はかからなかった。
そして美咲の目を見る。
美咲もうなずき目で伝わったようだ。
そして俺たちは走って逃げた。
正体がバレなくても目立つのはごめんだと思ってたのに...
後ろからしっかりと猫又が追いかけて来ている。
誰も追いかけて来ていないことを確認して変身を解除する。
美咲も仮面をを外してため息をつく。
「説明してもらって良い?」
「うん。」
そして魔法少女の能力について説明した。
ある日能力に目覚めて想像で魔法が使えることやそのことをできるだけ隠したいことを。
そして美咲も自分の能力について話してくれた、
言の葉の能力を持っていてそれをこれまで隠していたことや魔法は知識量で使えるようになったことも。
「だから五月、あの日女の子になったんだね。」
「うん。まあ。」
「でも五月そのままでいいの?もしかしたらあいつら見返せるかもしれない力量よ。」
そう、確かにそうだ。
でも...
「知ってるだろ、俺が連盟から受けた過去の仕打ちを。だから俺は連盟に入りたくない。だから全力は出せないし、秘密にするんだ。」
「分かった。でも、これからは私も五月に協力するよ。もちろん五月が復讐する気があるなら復讐にもついていく。五月の問題は私の問題でもあるんだし。」
「そうだな。よろしく。」
「っでなんで春ちゃんついて来てるわけ?それも一日中。」
「え?」
美咲は後ろにいた黒猫状態の猫又を指す。
「主人様、バレちゃいましたね。」
「お前も元に戻ろうとするな。」
猫又はそう言われた後すぐに人型戻ってしまった。
美咲は少しむすっとした顔をして。
「このことは五月の家でしっかりと聞くので。」
そんな調子で美咲が家に来てしまった。
そして春と俺はただいま美咲の目の前で正座させられている。
カンナはこちらの方を不思議そうに眺めているが何か言ってくる気配は無かった。
「じゃーまず、春ちゃん。五月の親戚っていうのは嘘ね。」
「えっどうして?」
同様している春を横に美咲が告げる。
「その動揺やっぱり親戚じゃないのね。それに親戚の人のことをけして主人様って呼ばないもの。」
はっとした。
猫又には外で五月くんと呼ぶように言っていた。
だがさっきほど猫又は主人様と言っていた。
言の葉の能力は声の言葉も覚えているらしい。
そして美咲は根拠としてそれをあげて来た。
「ああ、猫又は本当は...」
その時だった、何も言ってこなかったカンナが口を開いたのは。
「本当は政府の人間でもないんでしょ。」
「え?どうして。」
今度とぼけたのは俺だったが図星で動揺してしまった。
「だって政府の人間とお風呂入るとかは普通無いと思うし。」
何も言い返せなかった。
美咲は少し顔を赤らめていたがむすっともしていた。
そりゃそうだろ、そんな顔にもなるさ。
でも俺達の関係はものすごい複雑だ。
流石に言うわけには。
「分かりました。私と主人様の本当のご関係をお伝えします。」
猫又はしっかりした口調に変わる。
そして...
「私、猫又春は神の使いです。」
二人は驚いた顔をしていた。
そんな顔を無視して言葉を続ける。
「主人様は私の仕える神、クロエ•ハルミ様によって能力を授かりました。私は主人様の能力の複雑さ上、説明が必要でした。」
「でも、なんでお風呂一緒に入ってたわけ。」
「それは、クロエ様に私が与えた体でいかがわしいこしないように見張っておいてと言うことだったので。」
そこまで信用なかったのかと思いつつ、クロエさんのやはり好みの見た目なんだと納得してしまった。
ちょっと照れくさいな。
「まあそれは置いといて、そんな訳で私は主人様の所でお支えすることになりました。」
「でもなんで急に能力なんて与えられた訳?」
「それは私の妹にあたるミケを助けてもらった御恩です。美咲さんはその時いらっしゃいましたよね。」
美咲は少し考え込んだがすぐにガッテンしたようで。
「まさかあの時のトラックの猫。あの猫が春ちゃんの妹だったのね。」
「それでクロエ様に願いを叶えると言われて願ったことが能力でした。」
「まあ、全部説明つくわね。いちよう信じるわ。確かに私がこれまで読んだ本にそう言った記述もあったし。」
そういうことで現場は落ち着いた。
美咲はかんなが作った唐揚げを目を輝かせながら食べ、帰っていった。
カンナは納得がいってない顔をしていたがご飯を食べ終わる頃には元の顔をしていた。
俺も美味しく食べてお風呂に入ることにした。
昨日と同じく容赦なく一緒に入ってる。
「そういえば猫又って湯船めちゃめちゃ浸かってるけど猫なのに苦手じゃないの?」
「うーん、7人の妹を結構入れてるから自然に湯船に浸かる時間がなっちゃうの。だからね。」
どうやらミケ以外にも妹がいるらしい。
まあ、良いお姉ちゃんらしいな、ロリっ子だが。
そんな調子で会話していると。
「入るよー」
そう言って入って来たのは妹だった。
「ちょっ、えっなんで?」
妹が風呂に入ってきてしまった。
「え?だって出るの遅いし。」
「そういう問題じゃ無いだろう。いちよう兄貴だぞ俺。」
「でも今お姉ちゃんじゃん。」
そう言って湯船に浸かってきた。
言っておくが5人でも余裕な風呂だ。
3人でも余裕がある。
「でも、最近色々とありすぎてわからないわ。お兄ちゃんがお姉ちゃんにはなるし、居候も一人増えるし、二人とも可愛いし。」
そう言った途端、カンナがむすっとした。
「ずるい。」
「え?」
「だからお兄ちゃんずるい。」
そう言った途端、ご想像にお任せする行動が起きた。
俺は猫又に助けを求めたが顔を真っ赤にして動かないままだった。
まあ、少し大人っぽくなった妹も根は変わってないということなんだろう。
でも...
「やめろ〜」
その夜は謎の羞恥心の残るまま寝ることとなった。
また読んでねーーー(脳死)