転校生、猫又春でーす
家に帰ると日がくれていた。
家に入ると、妹がご飯を作っていた。
「お帰りって顔のキズ何?それ。」
「ああ、少し喧嘩になった。」
「ほらほら、女の子になったんだから顔大事にしなよ。それに転校生として行った方がやっぱり良かったんじゃない?」
「まあ、それも良かったんだろうけどそれは逃げな気がして。それに...」
そしてステッキを取り出し、額の傷を治すことをイメージして魔法を使う。
そうすると顔の傷がなくなり顔が元に戻る。
「え?お兄ちゃん。何、それ。」
「実は俺、誰にも言わないで欲しいんだけど能力に目覚めたっぽいんだ。」
「え、えーーー」
妹は思いっきり驚いた顔をしている。
俺は神とかそういったことは伝えなかったが妹に魔法少女の力に目覚めたこと、そして能力者連盟には入らないことなどを伝えた。
「まあ、私も連盟には入ってない。けどAランクの力ともなると連盟に目をつけられちゃうよ。実際私も能力自体はたぶんAくらいはあるけどBに減らして使ってるし。」
「でも、力を持ってるのに人のために使わないのははっきり言って奴ら以下になる。そういうことなら人の為にもこの力を使う。そう決めたんだ。」
「そう、分かった。でも気をつけてよね。正体には。」
「分かったよ。早くご飯食べて。明日も学校があるんだし。」
そして、妹の作ったカレーライスを食べその日は寝た。
夜、またあの空間にいた。
そして、あの人もその空間に居た。
「来たのね、意外と早かったわね。」
「まあ、今日は疲れたし。早く寝て聞きたいこともあったし。」
そう、俺は聞かなければならないことがたくさんある。
「まず、何で女の子になってるわけ?」
「それは能力のペナルティーよ。調律神が定めた掟に神が与える能力にはペナルティーをかけなければならないの。今回の場合私が性別の女神だったことから性別変更がペナルティーになったわけ。」
「そういえばこの見た目、あんたの趣味なの?」
「そ、そんなわけないわよ...嘘、そうです。」
少し怖い顔したら認めてくれた。
案外神様ってちょろいのかも。
「じゃー二つ目。何で能力の使い方をもともと教えてくれなかったの?」
「そ、それはサプライズにしようかと...嘘です、忘れてました。」
「そう、ありがとう。じゃー最後の質問。二つ目の能力って何?」
「単なるトリガー式の身体強化能力よ。武闘派なあなたにはお似合いでしょ。」
まあ、事実なんだけど武闘派っていうのは事実なんだけどなんか尺に触るな。
「うーん。でも、あなたまだ分からないこといっぱいあるでしょ。だからあなたに私の猫ちゃんを一匹つけてあげるわ。私もわざわざ行くの面倒くさいし。」
「猫!?まあいいか。よろしくお願いします。」
「そういう所は丁寧なのねあなた。」
「まあ、相手が自分のことを思ってやってくれた行動には報いますよ。」
そう、やってもらったことには報いる。
だから、やられたことにも報いる。
絶対に、絶対に許さないこの世界を。
「んで、もう説明無い?」
「無いよ。そろそろ戻る時間だよ。」
「そう、また来てねー」
そして体が光に包まれ消えた。
もうそろそろ起きるのだろう。
足の近くに重みを感じる。
目を開けて体を起こすと目の前にまたがっている少女がいた。
「おはようございます、主人様。」
ほへ?と思った。
目の前には見た目14歳くらいの少女が俺の上仁またがっていた。
「君、誰?」
「私は猫又春、猫又っとお呼びください。」
「え?猫又さん何で僕の上にまたがっているわけ?」
「それは主人様が寝ていたので起こす為に。」
「猫又さん何者?」
「私はクロエ様の飼い猫の猫又です。こないだは妹のミケを助けていただきありがとうございました。」
「つまり君があの女神が言ってた猫ってこと?」
「そういうことです。話しが早いですね。」
あの神は猫をつけるとか言ってたがこの女の子がどうも猫には思えないんだけど...
「つまり君は猫ってわけ?」
「はい、見てくださいよこの猫耳。」
そして頭の方を指差す。
猫耳がついており、正直可愛い。
まあ、うちの妹には劣るがな。
そんなことを話してると...
「お兄ちゃん、起きてー」
妹が起こしに部屋に入ってきた。
「え?お兄ちゃん何やってるの。」
そういう妹の声で冷静になった。
今の状況やばいと。
「お兄ちゃんが、女になってから次の日にロリをお持ち帰りしてきたんですけど。」
「誤解だってカンナ。」
「そうですよ、私と主人様はそんないかがわしい関係じゃありません。」
「やだ!もう調教済み!」
どうやら妹はものすごい誤解をしているようだ。
下に一度降りて経緯を話す。
というよりも偽の事をはなす。
猫又さんもどうやらテレパシーを使えるらしく、テレパシーで言われた。
猫又さんはビーストという種類の超能力者で女になったという情報を知った政府の人間だと。
でも、思ったよりいい人だったからまだ政府には話すつもりはなく言わない代わりに泊まらして欲しいと。
まあ、妹と俺は兄弟そろい可愛いもの好きではあるので妹はそんなに気にする様子もなく猫又を撫でてたが。
最終的にはなんだかんだで受け入れてくれた。
「っで、猫又さんはどこいるのお兄ちゃんが学校にいる間。」
忘れてた。
猫又が学校に着いて行くには見た目が幼いという事を妹は気にしているんだろう。
「いや、転校するので大丈夫です。私も一様17歳なので。」
見た目が3歳は下に見ていたので同い年とは驚いたが、これも嘘なのかとは思ったが嘘では無いらしい。
猫又みたいな神に使える猫は普通の猫より10倍近く長生きらしい。
それって人間よりも生きるって事だよね。
そして見た目が14歳くらいで止まるらしくこの見た目らしい。
あの神様猫好きだとは思っていたがここまでとは。
そんなこんなで姉妹もいっぱいいるらしく今回俺が助けた春っていうのが今の末っ子らしい。
そんなこんなで猫又も俺も制服に着替えて学校に行く。
美咲には親戚の子だと言ってとうした、猫又が。
学校でもそういうことになってるらしい。
そういえば猫又は実は人間と同じものを食べてもいいらしく妹のご飯を美味しそうに食べていた。
そして猫又は学校に着くと手続きがあると一度職員室に行った。
手続きとか神の力でどうにかならないのかな。
そんなこんなで今、教室に一人で着いた。
学校の教室にはガーゼや絆創膏をつけ、怯える奴らの姿があった。
旧校舎は立ち入り禁止になっており、規制線が貼られていた。
そりゃそうさだって奴らの記憶を改変し、ある怪物をでっちあげたんだから。
怪物、この世界に存在する意志を一つしか持たない生き物。
怪物は一つの目的を達するために動く。
まあ、もちろん例外もあるが。
種類も様々で人の怨念から生まれるものや、自然に発生されるもの、人工的に造られるものもある。
超能力者が相手しているのは超能力者だけというわけではないのだ。
超能力者が溢れているこんな世界でも弱い能力なんていくらでもある。
だから強い能力者が力を合わせて倒していく必要がある。
奴もCランクある超能力者で、Cランクもそんなには多くない。
ランクはSからGまであり能力の強さで判定される。
ちなみに俺はランク無しだ。
能力が無いものはランクすら与えられないのだ。
奴らがびびっている理由はその植え付けた怪物の目的がいじめっ子の滅殺だったからだ。
そして奴らは怪物に殺されるかびびっている。学校がこんなにも騒いでいたのは無能力者のいじめを黙認していたからだ。
だからこの学校でのいじめっ子なんて大量にいるわけでそうなればびびるのも当然だ。
ちなみにこの学校で一番高くてBだがたぶん美咲は誤魔化している。
彼女の力はたぶんその域で収まるものでないと思う。
でも俺は彼女の能力を知らないけどな。
超能力者は能力を持つだけで身体能力を向上させられる。
その力量も能力に左右されるが、身体強化能力だと言えば誤魔化しがつくくらいにはな。
まあ、でもいじめっ子の奴らは自分の力を隠してないだろうからBが最高だろう。
Cランクも一瞬だった怪物相手にもちろんBランクも苦戦する。
だから怯えてるんだろう。
目的どうりいい抑止力だ。
そして、チャイムが鳴りみんな席に着く。
「みんな今日よりこのクラスに転校生がくる。」
そして入って来た。
「白瀬君の親戚でビーストの猫又春ですよろしくお願いします。」
無能力で不幸せだった人生が幸せになる事を感じた。
今回も読んでくれてありがとうございます。
よかったら拡散してください。
時間があればまた書きます。