今日から魔法少女になる!
四時間目の授業が終わり昼休みの時間に入った。
俺は妹が作ってくれたお弁当を食べている。
女になっても味覚の感じ方は変わらないようでいつもと変わらず美味しい。
ちなみに俺がシスコンなわけではなく本当に美味しいのだ。
だって元ミ●ュラン星3料理店をやっていた母直伝の料理だ。
そんなことを考えながら卵焼きを口にほうばると。
「さっき何で反論したの?」
そう聞きながら美咲はお弁当をたべる。
「なんか口が言うことを聞かなくて勝手に出てた。」
「でも、もし殴られてたらその可愛い顔が台無しだよ。もー本当に危ないから気をつけてよね。」
まあ、そうだな。
いつも美咲がいるわけでもないし、カンナにも心配はかけたくない。
気をつけないとなー
そんなことを考えていると、一通のメールが来た。
帰りのホームルームが終わり帰る時間になる。
部活があるやつは残ってやっていくのだが俺は生憎そういったものには入って無い。
だから本来帰る時間なのだが。
昼のメールの件があり帰ることができない。
昼間のメール能力相手は俺をいじめてくる奴からのものだった。
俺は奴らに旧校舎3階に呼び出されている。
いつもなら美咲と帰るのだが、用事があると言って先に帰らせた。
そんなことを考えるととうとう着いてしまった。
そこには既に奴らの姿があった。
朝、言い争ったやつとその取り巻き二人。
「来たな、五月。」
「ああ。」
そう返事をした瞬間、やつの拳が俺の額に飛んできた。
俺はその勢いで少し飛ばされた。
「五月、謝れ。ひざまずいて謝罪しろ。」
「やだ。」
「何だと?」
「そうだぞ五月生意気だぞ。」
俺はそれでも拒んだ。
もしかしたらここで謝っておけばすぐに終わり帰れるかもしれない。
でもそれは俺の口が拒んだ、意志が拒んだ。
自分は悪く無いと思っているから...
「分かったわ。分かるまで殴られる必要があるようだな。女になったとか知らん。五月は五月だ。俺の奴隷なんだから言うことを聞け。」
そしてやつはもう一度腕を振り上げた。
そしてもう一度殴ろうとしてきた。
その時...
「イジメは良く無いなー」
女性の声だ。
この声は昨日の晩聞いたあの声だ。
その声は窓の方から聞こえた。
そしてやつと俺は窓を向いた。
「お前誰だ?」
やつがそう聞いた。
「私は彼のお友達、クロエよ。」
そう、声の主は自称女神様クロエ•ハルミだった。
「だからさ、私のお友達に手を出さないでくれる?」
何であいつがここに?
あいつは俺に目が覚めたら能力があると夢の中で言われた。
でも、俺は別に能力はなかった。
おまけに女の子になってた。
(自称とは失礼ね。私は本当の女神様よ。それに能力だってちゃんとあげたし。あなたを助けるために来たのよ)
(これってまさか、脳内に直接話しかけられてる?)
(そうよ。そもそもあなたの能力は常時発動しているものではなくあるトリガーによって発動するものなの。)
(それは何?)
目の前を見ると、拳を受け止めるクロエの姿があった。
帽子を被り金髪のロングヘアが周りから出ている彼女の今の外見は神様というよりかは東京でラッパでもしてそうな見た目だ。
「こ、こいつさっきまで窓の近くにいたのに。」
「あらほんの数メートルじゃない。それにこの世界ならこんなことできるザラでしょ。」
(私がガードしてる間に聞いて。)
クロエはガードしながら頭に話しかけて来る。
(何だ?)
(あなたに与えた能力は二つある。今回使う能力は片方、魔法を使える力。説明するからそのとうりにして。)
(分かった。)
この話しが本当じゃなくても今は本当である方にかけたほうが良さそうだ。
(じゃーまず両手でステッキを出す形をして。)
俺は両手で掴む形をする。
そうするとステッキが現れた。
(じゃー次それを上でかがけて。)
俺はステッキを上で持ち上げる。
ステッキから光が出る、力を感じる。
そして、全身が光に包まれる。
力が湧いてくる。
奴は驚く顔をしこちらを見て、クロエは少しニヤニヤしている。
包まれていた光は白いワンピースへと変わり髪型はツインテールに。
「五月、なんだお前。その見た目は。」
「許さない、許さない。絶対に許さない。」
そして俺はステッキを構え力を放つ。
その力を奴にぶつけた。
奴らは気がつくと壁にぶつかっていた。
血は出てない、脈を確認するとちゃんとある。
気絶しているだけのようだ。
「それがあなたの力。世界の七色の魔法を操り想像でさまざまな魔法を使える力。魔法少女ホワイトね!」
「ホワイトってなんだよ。ていうかなんなのこの力。強すぎはしないか。こいつもCランクの超能力者だよ。」
「それはねあなたに与えた能力がAランクの能力だからよ。」
「え?Aランクなんてこの世に少ない能力なのにそんなにポンポン渡せる能力なの?」
「ポンポンは渡せないわよ。でもあなたを助けるくらいの能力はこれくらいないと。」
「まあ、疑って悪かった。神だって認めるよ。」
「本当?ちゃんと認めてくれるなら嬉しいわ。ああ、長居しすぎたわ。そろそろ帰るわ。私も仕事があるから。また夜ね。」
「あっはい。ありがとうございました。」
「あと、もう少し女の子ぽい喋り方してもいいと思うよ。」
そう言い残してクロエさんは帰って行った。
どうやらちゃんと恩返ししてくれたようだ。
想像で魔法をかけられるって言ってたな。
そしてステッキを構え記憶を消すことを考える。
それを倒れる奴らにかけ、能力を使ったという事実を消した。
なぜこんなことをしたかというと能力者連盟にばれたくないからだ。
俺をさんざん馬鹿にしてきた超能力者達。
そいつらと同じようにはなりたくない。
俺は人は守ろうと思う、だが復讐もする。
この世界に、この状況を作った能力者連盟に。
そして力を抜くと見た目がもとの制服に戻った。
あっそういえば女の子になぜなってるか聞いていなかった。
今夜聞くことがまたふえたな。
そして奴らを放置し、帰路についた。
今回も読んでくれてありがとうございました