神の恩返し
俺、白瀬五月は今、幼なじみの言葉美咲と帰っている。
こいつは「超能力者」の一人で学級委員だがクラスメイトのほとんどが俺に対して興味を持たないかいじめてくる中、優しくしてくれるやつだ。
「その顔の傷。また、あいつらにいじめられたの五月?」
どうやら俺の顔の絆創膏にきずいてしまったようだ。まあ、適当にごまかすか。
「そういえば美咲髪型変えた?」
「よく気がついたね。そうよ少し変えてみたのじゃなくて。五月、話しそらしたでしょ。」
「え?ばれた?」
「そのくらい分かるわよ。んでどうなの?」
美咲がむすっとした顔でこちらに言ってきた。
「まあいちようされてるけど。」
その通りだ。
今日は何回殴られたかな。
正直分からないくらいには殴られた。
あとは買い出しにも行かされたし、某アニメのガキ大将張りの紫のスープを飲まされた。
俺の学校生活はいつもこんなもんだ。
まるでいじめられるために学校に行っているようなものだ。
なぜ...劣るからといじめられる。
なぜ...違うからといっていじめられる。
辛い。辛い辛い。
辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い
そりゃ辛い。
でも、こいつは...こいつには心配されたくない。
こいつは幸せだ。
幸せであって欲しい。
だから、だからここでは心配させたくない。
同じ暗い思いになってほしくない。
だからここは...にっこり笑顔で
「でも、大丈夫だよ。俺のことは心配しなくて。」
「で、でも...」
美咲は不機嫌気味な顔をしている。
そんなこんな思いながら話していると、目のなかに一匹の猫の姿があった。
その猫は道路を渡っていて、そこに迫るトラックが...
その瞬間には足が動いていて道路に出ていた。
トラックはブレーキを踏んでいたが止まれそうにはない。
俺はぶつかる紙一重の所で猫を抱き抱え避けた。
トラックは一瞬止まったがそのまま走り去ってしまった。
俺は猫に「大丈夫か?」とは聞いたものの返事はない。ただの猫のようだ。当然だ。
そして抱えていた猫を離した。
「気を付けろよ。」
そうは言ったものの当然返事はなくそのまま去ってしまった。
「行っちゃったね。って危ないじゃない。
無理しちゃダメでしょう。もしかしたら死んだかもしれないんだよ。そもそもだいたい走るトラックの前に急に出ていくなんて危ないでしょ。命を守ることはいいことだけどさすがに限界があるし。怪我してたら私どうしてたかガミガミガミガミ。
」
この後二時間近く怒られた。
そんなこんなで帰る時には日が落ちとっくにへとへとだった。
家に着き扉を開けると玄関に仁王立ちをしているきれいな白髪の少女がいた。
彼女は俺の妹のカンナだ。
妹も「超能力者」の一人なのだが、なぜ兄妹で差が出てしまうのだろうか。
俺たちには両親がいない。だから二人暮らしをしている。
が、家事もろくにできない俺の代わりに家事もやってくれている優秀な妹だ。
(俺はバイトしてるからなにもしてないというわけではない。)
「遅い。心配したじゃない。」
もちろん怒っていた。
普段帰る時間よりも二時間以上も遅く帰ってきたんだ。
そりゃ怒られる。
俺は訳を説明したが、美咲と同じ反応をされ更に怒られた。
そんなこんなで今日はへとへとになってしまった。
夕飯はカンナが作ったハンバーグを食べた。
そりゃ美味しくいただいた。
その後は疲れていたのでお風呂に入ってそのまま床についた。
はずだった...
回りに広がるのは白い世界。
神秘的と言えば神秘的だが寝たはずだったのに感覚的には起きている。
何が起きているのか。
そんなことを考えていると、目の前に女性の姿があった。
この場所もそうだが俺は何も知らない。
「ここはどこだ?」
とりあえず声に出してみた。
すると反応があった。
「ここはあなたの夢と現実との狭間の世界。」
「夢と現実?」
「そうよ、私がここにあなたをよんだの。」
女性は近づきながら言う。
何を言っているのかは分からなかった分からなかったが言葉を続けた。
「あんたは誰だ?」
「私は女神、ハルミ・クロエよ。」
「何の神だ?」
「あなたさっきから私に対しての質問多いよ。とはいえあなたに私が聞くことはないけど。」
その自称神はため息をしたがその後言葉を続けた。
「改めて自己紹介するは。私の名前はハルミ・クロエ、性別の女神にして猫神代理のれっきとした神様よ。」
信じていないことが丸見えだったのか、少し不服そうに言う。
急に神だと言われても信じられないけど、ひとまずそれを前提で話を進める。
「じゃー何で俺をここに呼んだ?」
「お礼をするため、ちなみに寝ていることにはなっているわ。」
どうやら寝てはいるらしい。
でもまだ信じているわけではない。
ただ夢という可能性もあるだろうし、まだ信じることはできない。
「何のお礼をするためだ?」
「君が私のかわいいみけちゃんを助けてくれたからよ。本当にありがとうね。」
昼間助けた猫がこの自称神様の猫らしい。
そういうことになっているぽいな。
お礼までいわれてしまった。
「まあでも、あなたまだ私が神ということ疑ってるでしょ。うーん信じてもらうために何をしたらいいかな?」
神様は俺に神ということを信じてもらいたいぽいな。
とはいえ急に神だと言われても信じられるはずなどない。
ただでさえ「超能力者」の中には神を名乗るやつが多いのだ、簡単には信じられない。
「あっそうだあなたの願いを一つ叶える、そうすれば信じてくれる?」
「願いを叶える?」
「うん、あなたが起きたらその願いを叶えといてあげるから何か言って。」
今もまだ信じてはいないが願いか。
そんなの一つに限るな。
それは...
「俺に、俺に能力をくれ。何でもいい。俺の、俺の今の生活を脱する能力がほしい。」
俺はおもいっきり伝えた。
自分の欲しいものを全力で。
「そんなに必死にならなくてもかなえてあげるから。その代わり叶ってたら信じてよ私が神だって。」
「分かった、信じる。」
そして俺の体が光に包まれ始めた。
「そろそろ時間ね。また聞きたいことがあればいつでもよんでね。暇だったら行くから。」
「ああ、分かった。」
そして俺の体は消えていった。
光が目に入ってきた。
朝になったのだろう、そろそろ起きなければ。
体を起こし少し体に違和感を感じる。
だが、能力的なものは感じない。
やっぱり嘘だったのかと思いつつ地面に足をつけ立ち上がる。
体が軽く感じた。
最近よく寝れてなかったから疲れが取れたのだろう。
でも、服が緩い気もするし少し体が縮んでもいそうだ。
何が起きているのか。
背中についているのは髪の毛なのか?
長くなっている、持つと白くてサラサラ。
何が起きているのか。
まあ、ひとまず着替えて学校に向かおう。
そして階段を昇る音が聞こえる。
そして扉が開く。
「お兄ちゃん、起きてー ご飯できてるよー」
妹が起こしに来た。
でも、なぜか驚いた顔をしている。
「カンナーどうした?」
あれ、何か声が高い。
ま、まさかないよな。
「お、お兄ちゃんの彼女ですか?」
「彼女、彼女って。俺が五月たぞ。」
妹が何を言っているのかが分からないもしもすると本当に。
俺は鏡の方向に向かってた。
そして、そして...
「女になってるー!!!」
神様に能力を願ったら女の子になってしまった!
実は出すつもりがなかったシリーズなんですがこのシリーズは評価を見てから書き直していいシリーズを目指したいのであげることにしました。
よかったらよろしくお願いします。