争いの終わり!&エピローグ
「久しぶりね、五月くん。」
「久しぶりです。」
久々にこの世界に来た。
そろそろ会いたいと思っていたからちょうどいい。
いくつか聞きたいことがあったのでちょうどよかった。
「まあ、まず。勝利おめでとうね。」
「はい!」
まあ、正直嬉しい。
俺はこれまで無能力者で、超能力者なんてに敵うことなんてなかったのだ。
だが、今回Sランク能力者、それに世界最強の錬金術師に勝利できたのだ。
それに...
「今回のことで俺がSランクにも通用するということも分かったし活動の幅も広められそうです。」
俺は少し笑いながら言った。
まあ、もちろん今回もこんな雑談が本題ではないのだがな。
「まあ、聞きたいことがあるんでしょ?時間も限られてるし早速話しましょ。」
「そうですね。」
そして、早速質問をして会話することとなった。
「まずSランク能力の使用後になんで能力が使用できたかについて聞きたいです。」
あの時、確実にもう使えないはずだった。
なのにも関わらず能力が使える状態にあった。
それにぼろぼろだった体が一気に回復したのはなんでだったのかが非常に気になっている。
「五月くん。前私、あなたには能力が二つあると言ったよね。」
「はい。」
以前この世界に来た時にトリガー式の強化系能力があるということを教えてもらった。
「その能力があれ、ステッキが壊れることで発動する強化系能力なの。」
「え!?」
あの能力が強化系能力!?
確かに体が強化され妙な力が湧きいつもより強くなっていた。
それにしてはAランクは確実に超えてる力だった。
「あの...ちなみに何ランクの能力で?」
「S +よ。」
「え?...聞き間違えですか?」
「いいえ、あなたのその能力はS +よ。」
能力ランク、S +。
Aランク能力の一握りであるSランク、その上を行く能力S +。
その領域に行く能力は50もないと言われているランクだ。
そして連盟トップ超能力者であるハルバートの能力もそこに達しているのだ。
「まあ、S +なんて能力まだ短時間しか使えないし無代償という訳ではないわよ。」
流石にそうか。
ハルバートのように完璧に扱える能力なはずはまだない。
後付けの能力だから当たり前だ。
「その代償って...」
「先にある能力、つまり未来の体力を使用するの。だからあなたの体力が回復し、戦えた。」
そうだったのか...
ようは体力の前借り、強い能力だが前借りすることで体力が使えないのが辛い。
「まあ、それは体力が増えることで解決するけどもう一つ。この能力のトリガーステッキの破壊は一日しかできない。つまり回数制限がある。」
短時間な上に一日一回、その後は確実に能力が使用できない。
さらに翌日も戦闘できなくなるかなりリスキーな能力だ。
「まあ、そのかわりに怪我の回復とかそれなりの強化があるわ。」
多分隠密効果もないし見た目そのままで戦うことになるから万能ではない。
だからメインは魔法少女になると思うけどこの能力もあるだけで安心して戦える。
いい保険にはなりそうだ。
「後、もう一つ。なんでSランク能力や今回の能力について伝えてくれなかったんですか?」
「それはね、春ちゃんに委ねてたの言うかどうか。あなたの成長や、状況に合わせて冷静に伝えてもらうつもりだったの。そして今回彼女は状況的に必要だと判断して伝えてくれたということなの。あなたを信用してない訳じゃないけど…あなたの成長に合わせて伝えたかったの。」
強い力こその弱さ、急に手に入れても慢心するだけだ。
慢心は、人を失敗に追い込む。
それを防ぐために伝えていなかったのだろう。
まあ、正しい判断だと俺も思う。
「納得してくれた?。」
「はい、まあ。」
今回、実は初めてガス欠を起こしかけた。
自分の限界を知ることができたのだ。
これはこれからの活動の上での課題となるだろう。
そして、いつも通り時間制限だ。
体が光に包まれ始める。
「まあ、五月くんも頑張ってねー」
「はい。」
話に進展がないと合えないので、またしばらくは合えなさそうだ。
そして体が完全に消えた。
◇◆◇◆◇◆
朝になり、目覚める。
疲労感はしっかりとある。
今日は活動休みかな…
病院で朝食をとり、検査を受け、退院の許可が降りた。
女化に対しては聞かれたがそんなに追求されなかった。
能力なんてものがゴロゴロある世界だ、他人からはそんなに気にする話しでないのだ。
ていうか、誰もお見舞い来てくれなかったな。
大丈夫だろうと信頼されているからこそなんだろうけど…流石になんか寂しいな。
そして荷物を持ちしぶしぶ帰った。
家に着くとなんだか騒がしい。
靴は五芒星みんなのものがしっかりとあった。
みんな来ているのか?
確か、うちの学校が襲撃にあったことが理由で学校が休みになってるんだっけな。
そして声がするリビングに入ると…
「「「「おかえりー」」」」
五芒星のみんながクラッカーを鳴らして言ってきた。
リビングはパーティぽい飾り付けがされ、五月、お疲れと書かれた看板があった。
リビングのテーブルには料理が並べられていた。
「こ、これは。」
正直、嬉しい。
まあ頑張って戦って今回は世間からの激励もなし。
流石に俺もあれくらいのことをしたら感謝はされたい。
時間も昼頃、お腹もちょうど空いている。
そんな時にパーティだ、タイミングがいい。
「まあ、昨日はお疲れ様、五月。」
「お疲れ、お兄ちゃん。」
「倒しちゃうなんて五月さん、さすがです。」
「主人様、もうあんなに無理しちゃダメですよ。」
みんながそう言ったことを言ってきた。
まあ、猫又の言うとうり今回は無理しすぎた。
怪我こそ残っていなくても毎度毎度体力切れで動けないといったことは避けなければ。
そのためにはもっとトレーニングで強化して戦えるようにしなければ。
まあ、今日はそんなことを忘れてパーティを楽しもう。
テーブルに並ぶご飯はほとんどがカンナの手作りだろう。
一日もカンナのご飯が食べられなかったんだ、早く食べたい。
「じゃあそろそろ食べよっか。」
カンナがそういいみんなで席につき、手を合わせる。
「「「「「いただきます。」」」」」
みんなでそう言ったあと、さまざまな料理を食べた。
唐揚げとか餃子、焼きそばなど。
このご飯に勝るものはなかなか無いと思う。
サラダですらふつうより美味しいのだ。
そして白玉あんみつを味わい、食事を終えた。
その後はトランプやボードゲームをしてパーティを終えた。
◇◆◇◆◇◆
「久しぶりにこんなに遊んだな。」
「うん。」
あの後、拓実さんと美咲は帰り猫又も買い出しに行った。
だから今カンナと2人で話している。
「この家も久しぶりにこんなに騒がしかったね。」
「そうだな。」
俺は疲労感がまだあるのでソファでねっ転がりながら思い出す。
8年前まで家族5人で賑わっていた家庭だった。
仲むつましく、いつも笑いが絶えない家だった。
カンナも6歳までだったが覚えているのだろう、少し寂しそうにする。
「カンナ、久しぶりにさあ。アメリカ行かないか?」
アメリカ、両親が亡くなった国だ。
連盟の大規模な日本支部もある国でもある。
「うん、行こう。もう少しで夏休みだし。」
アメリカには両親のお墓がある。
俺の中学、カンナの小学校卒業以来アメリカに行ってはいない。
久々に少し行きたくなったのだ。
まあ、ひとまず予定は立てておくか。
「って、カンナ。なんでメイド服を持ってニヤニヤしてるんだ?」
スカートが短すぎるメイド服を持ち、ニヤニヤしながら近づいてくるカンナ。
「え、え、ちょとまって…おい…止まってくれー」
◇◆◇◆◇◆
-能力者連盟東京本部
本部内にある、会議場。
ここに、6人の連盟トップの超能力者が集まっている。
彼らはゼクス、最強と言われる能力者の集まりだ。
「今日は集まっているくれてありがとう。」
連盟一位、世界最強の白野剣、別名剣士ハルバートが言った。
能力は武装編集、S +。
武器を作ったり、効果を変えたり、どんな武器でも自分が扱いたいものに変更できる。
一見弱いように感じるだろう、錬金術の方が強いのではないかと。
だが、錬金術より圧倒的に使用回数が多かったり錬金術の場合生み出したものはしばらくすると消えてしまうが武装編集の場合は消えない、強力な能力なのだ。
剣技を好み普段から腱を鍛えている。
見た目は勇者を思わせる。
大学を卒業後は連盟に完全勤務している。
「眠いー早く終わらせて寝たい。」
連盟二位、蛭間音夢、別名催眠術の使い手シエスタ。
能力はまあ、そのまま催眠、S +。
まあ、人の行動を操る。
通常の催眠術師はかなり弱いとされている。
ハズレ能力とまで言われている。
なぜなら特定の条件を満たさなきゃ発動しないのだ。
でも、彼は指定した範囲内の中にいる人全員に催眠をかけられる。
ちなみに範囲の大きさによって使用する能力値は変わる。
かわりに常に眠い状態にある高校2年生。
「シエスタ君、会議は重要ですよ。」
今にも眠りそうなシエスタを横に紅茶を飲む話すのは連盟三位、紅能里、別名魔術師のジェントルマン。
彼の能力は魔術、S +。
魔法使いと魔術師は魔法が使える、だが違いは使い方だ。
魔法使いは基本的に詠唱を使用して魔法陣を作り魔法を使う。
一方魔術師は魔法陣を直接書いて発動する。
魔術師の方が威力は強いが、魔法使いの方が簡単に魔法が打てる、それが違いだ。
ちなみに五月の想像魔法は実は詠唱の一種で魔法使いに入ってはいるのだが、可愛らしい格好をする魔法使いを魔法少女と呼ぶので五月は魔法少女なのだ。
貴族をヨーロッパの貴族を思わせるシルクハットを被った見た目をしているが純日本人。
紳士的でこよなく紅茶を愛す連盟最年長の超能力者。
「ハルバートさーん、俺もこの後用事があるので早くしたいでーす。」
連盟四位、言葉海斗、別名知能のケントニス。
能力は…言の葉の能力、Aランク
日本も有数な超能力者の家系に生まれた。
言葉家に伝わる言の葉の能力を使い知識と持ち前の戦闘力で戦闘する。
耳のピアスが特殊的。
チャラチャラしている大学生で女好き。
「ケンさんまた女遊びですか?ほどほどにした方がいいですよ。」
連盟五位、宇佐山舞、別名うさ耳のムーンサルト。
能力ビースト、S +。
うさ耳のビーストで脚力と聴力に長けている。
常に出しているうさ耳が特徴的。
ゼクス最年少の中学2年生。
「まあまあ、女好きは男子の本能ですから。」
連盟六位、
能力召喚術、S。
自分が確保した怪物を召喚し、操れる。
強みは美しい美貌、虜にした男は数しれず。
まあ、海斗のことは虜にできなくて悩んでるらしいが…
本職はモデル、年齢は非公開。
「まあ、今日の議題はあの魔法少女についてだ。」
「魔法少女ってあの最近街を騒がしてるあのこ?」
ハルバートの話に興奮したムーンサルトはが机にのりあげ答える。
「正体がわかったのか?」
「いや、それはまだ分からない、すまない現在調査中だ。」
ジェントルマンの質問にハルバートはもしわけなさそうに答えた。
連盟は必死になって探しているがそれに当てはまる超能力者は見つからない上に目的ですら分からないのだ。
「でも、一つ。あの脱獄犯を倒したのは間違えなくあの魔法少女の仕業だろう。と言うことは今までBランクだと言われていた魔法少女がSランクと対等以上に闘うことができることになる。」
「それは不味いですね。」
は不味いと思った理由、それはSランクを倒せるとなるとSランクの自分も危ないと思ったからだ。
さらに言えばS +でも危ないかもしれないのだ。
世間では知られていないが、脱獄犯を捕まえた時ハルバートh実はかなり苦戦を強いられた。
S +は所詮Sランクの中でも少し強い者を言うのだ。
だからSランクに圧倒的に勝てるわけじゃない。
もしも奴を破ったのが彼女だったらハルバートも負ける可能性があるのだ…
「今の所はまだ待機だが、もしかすると確保または討伐の必要が出てくるかもしれない。みんな、準備していてくれ。」
「「「はい。」」」
寝ているシエスタと話を聞いてなかった海斗以外返事した。
ハルバートは正直焦っていた。
殺害命令、それだけは絶対防ぎたい。
頼む勘違いであってくれ、ハルバートはそう思ったのだった。
◇◆◇◆◇◆
そんな会議が行われてるとはさぞ知らず、東京を出て横須賀に五月はいた。
まあ、横須賀に来たのはただの気まぐれだ。
ただ海軍カレーを食べに来ただけだった。
美咲と...
「やっぱり、おいしい。来てよかった。」
明日から学校が再開する、だからせっかくの休みに美咲と食べに来たのだ。
「これ食べ終わったら、ショッピングモールで服買うよ。」
「えっやだよ。」
「やだじゃない。」
そんな話しをしていた時に爆発音が響いた。
そして悲鳴も。
「はぁ。せっかくの休日だっていうのに怪物か。」
「そうね。ちょうど食べ終わったからいいけど。」
そして二人は立ち上がり向かう。
そして歩き始める、これが五芒星の活動方針。
人を助けつつ、目的を遂行する。
「行くぞ、美咲。」
「うん。」
そして、美咲は仮面をつけ、俺はステッキで変身した。
1ヶ月後アメリカで起きる事態を知らず。
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