帰還と魔石投入と防具強化!
無事に拠点に戻ってきた。
リンは食事を作ると草原ダンジョンへ。
トウコもついていった。
俺はクローゼットダンジョンの管理コンソールに魔石をざらざらと投入する。
カマキリ、コウモリ、ゴブリンが主である。
十六階層以降では、クモの数は少ない。
大量大量! いいですな!
俺は魔石数が増えるのを見て満足げにうなずく。
ゴブリンの魔石を投入する前に、モノリスの魔石数を確認。
投入していくと、中級ゴブリンの魔石数が増える。
やはり、十六階層からは中級ゴブリンが出るのだ。
続いて腰袋から取り出した戦利品を机に並べる。
上質な鉄鉱石。輝水晶。
治癒薬も手に入れたがしまっておこう。
「うむ。豊作だ! これを使って防具を強化しよう!」
前回は武器を強化した。
今回は防具だ。
防具の要所には金属の補強を入れている。
これを上質な鉄鉱石で強化。
重くならないよう、厚みは最低限にする。
装甲で防御力を上げてもしかたがない。
回避こそ俺の命である。
さて、防具を強化するためのワイヤーを作ろう。
作るのは蜘蛛織ワイヤー。
蜘蛛の巣に似せて編むことで強度が出る。
前にも作ったが今回は素材が違う。
アップグレードするのだ。
これまでの素材はステンレスだった。
店売りのワイヤーを【忍具作成】で加工したもの。
今回は上質な鉄鉱石を使う。
「【忍具作成】――上質な蜘蛛織ワイヤー、完成だ!」
見た目に違いはない。
引っ張ったり斬りつけたりしてテストしていく。
うん。強くなった。
【中級忍具作成】による強度強化もかけておく。
次。
これを使って防具を強化する。
帷子の部分を上質な蜘蛛織ワイヤーで置き換えていく。
この素材はいい。
軽量で強靭で柔軟。
リンやトウコの装備を作っても露出度が下がらない。
じゃなくて、しっかりと命を守ってくれる。
「さて、新素材のカマキリの前脚だけど……」
俺はそれを手に取ってまじまじと見る。
カマ状の腕。
と言っても鋭い刃物とは違う。
似ているのはカニのハサミだろうか。
甲殻にも似た硬質の素材。
とげとげとしている。
腕でも挟まれたら簡単には抜けないだろう。
強度を試すために叩いてみる。
軽くて薄い。それでいてかなり固い。
トンカチで強めに叩くとひびが入る。
強度は鉄鉱石に劣る。
軽さに対しての強度は悪くないけど……。
まあ、鉄鉱石のほうがいいかな?
改めて別の防具を作るほどの魅力は感じない。
カマキリの魔石は汎用ポイントに変換してしまおう。
当然、カマキリの肉を食べる気はない。
ほかにいくらでも美味しいものがあるのだ。
昆虫食は避けたい。
トウコが呼びに来た。
「店長、ご飯っスよー」
「おう、すぐいく!」
おいしいご飯を食べ、風呂に入る。
疲れが湯の中に溶けていく。
ふう。
今日も楽しい探索だった!
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