表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

996/1500

炎分身の術!? 【スキル検証】【嫉妬】

 リンが炎分身へ手を伸ばす。

 そして残念そうな顔で言う。


「この分身さん、触れませんねー。それに動かせません!」


 続いてトウコも炎分身に手を伸ばし、さっと手を引っ込める。


「あつっ! これ、燃えてるっスよ!?」

「そりゃそうだろ! どう見ても燃えてるわ!」


 炎分身の体はめらめらと燃える炎でできている。

 触れば熱いに決まっている。


 離れていても、放射された(ねつ)で顔が(あつ)くなるくらいだ。


 リンは【火耐性】と【防火】があるから大丈夫なのだろう。


 トウコにも火鳥を【捕食】して得た【火耐性】がある。

 しかしこれはスキルレベルが低い。

 炎のダメージを減じてくれるが、無敵になるわけではない。



 リンが申し訳なさそうに炎分身を消す。


「あっ。トウコちゃん、ごめんね!」

「へーきっス! ほらほら!」


 トウコが手をみせてくる。

 火傷はしていない。問題ないね。



「リン。今度は熱くならないように炎分身を出してみてくれ」


 リンは【火魔法】の温度調節ができる。

 普段から風呂上りに髪や体を乾かすときに使っている。

 便利だよな。

 日常生活に自然と魔法を落とし込んでいる。


 俺は【水噴射】の水量を調節できない。

 こういう操作の感覚には個人差があるのかもしれない。


 今度リンにいろいろ教わってみようかな。

 うん。そうしよう。

 手取り足取り教えてもらうとしよう!


 おっと。それは帰ってからだ。



 リンが俺の言葉にうなずく。


「そうですね。やってみまーす! 弱火で……炎分身の術ー!」


 リンが両手を突き出して魔法を放つ。


 すぐに炎の分身が現れた。

 先ほどよりちらつきが少なく、より人型に近い。


 炎の色は暗くなり、前ほどまぶしさはない。

 そのおかげで輪郭がはっきりして、顔だちがわかるようになった。


「おおーっ! かなり店長っぽくなったっス!」

「ゼンジさん、どうでしょうか?」


 リンが俺をじっと見る。

 どうって言われても……。


 うっすら光り輝く俺の姿……。

 きりっとした表情をしている。


 見れば見るほど恥ずかしいわ!


「かなり似ているんじゃないか? うん。よくできてる」


 でも褒めておこう。

 リンは顔をほころばせる。


「えへへ。よかったです! 温度調整もうまくいったので、触っても火傷しないと思います!」


 さっそくトウコが手を伸ばす。

 分身に触れようとしたトウコの手は炎分身をつきぬける。


「今度はアツくないっ! でもつきぬけちゃうっス!」

「炎だからですねー。触れるようにはできないみたいです」


「ベースが炎だからな。俺の分身も最初は幻影が出るだけだったし、これで充分じゃないか?」

「でも、いつもの分身さんとは違いますねー」


「ああ。武器を持てないし、物が拾えないな」


 それに見た目が派手だから、デコイにもならない。

 偽物だとすぐバレる。



 トウコが言う。


「アツアツ突撃させればいいっス!」

「炎の体で敵を焼くことはできそうだな」


 それは俺の分身にはできないことだ。


「うーん。でも、普通にファイアボールでいいんじゃないかなー」

「そりゃそうか」



 トウコが思いついたように言う。


「でもでもっ! 炎だから無敵かもっス!」

「ふむ。炎だから破壊されないわけだな」


 攻撃を引き受けるにはちょうどいいかもしれん。


 リンが小首をかしげながら言う。


「モンスターさん、近づいてくれるかなー?」

「ふむ。敵が攻撃してくれるとは限らないか。じゃ、次にモンスターが出たら試そう!」


「はーい!」



 少し進むとコウモリが現れた。


「よしリン! さっそく試してくれ!」

「はい!」


 炎の分身を出して様子を見る。

 しかしコウモリたちは無反応。


「あー。ダメそうっスね!」


 ぜんぜん攻撃してこない。

 むしろ避けて飛んでいく。


 まあ、自ら炎に突っ込んでくるわけないか。



 続いてゴブリン。

 炎分身を見つけて、警戒するような声を上げる。


「アギッ!?」

「フゴッ!」


 戦士ゴブリンが盾を構える。

 その後ろから斥候がナイフを投げる。


 狙いはまあまあ。

 ちゃんと炎分身に命中――いや、すり抜けた。


 俺の分身ならダメージを受けて消えるところだ。

 炎だから無敵なのだ。


「お、ゴブリンは釣れるな!」

「やったー! ちゃんと役に立ちましたっ!」


 剣士ゴブリンが炎分身に斬りかかる。

 しかし剣はその体をすり抜ける。


 驚いたゴブリンが飛び退く。


「リン姉っ! ここでアツアツ突撃っス!」


「えいっ! うーん。だめー。やっぱり動かせないなぁー」

「あ、動かせないんだったな」


 リンは分身を自在に移動させられない。

 俺の分身も初期は動かせなかった。


 【嫉妬】はすべてを真似れるわけではない。



 トウコが剣士に銃を向ける。


「んじゃあたしがやっちゃうっス! ピアスショットー!」


 残るゴブリンを片付けて、先へ進む。



 リンは少し汗ばんでいる。

 息も上がっていて、その姿は少しなまめかしい。


「ふう……」

「もしかして、疲れたのか?」


「はい。なんだか、いつもより魔力の消費が大きいみたいなんですー」


 【嫉妬】で模倣したスキルはコストパフォーマンスが悪いようだ。

 リンに丸薬を差し出す。


「じゃ、魔力回復丸を食べて休憩してくれ」

「ありがとうございまーす」


 こうして俺たちは新階層を後にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 弱火と強火の調整…超◯イヤ人の1~3みたいなw
[一言] まだ熟練してないから動けない! でも人のように動ける炎になれば色々出来そう!! そしてリンさんの嫉妬の賜物であるのなら、いつかきっと動けて触れて添い寝もしてくれる…自立炎分身店長3号(イケメ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ