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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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帰路はマップの穴埋めで!

 十八階層から引き返し、十七階層へ戻ってきた。

 帰路、未踏破部分のマップを埋めていく。


 曲がり角では、これまで以上に注意して索敵を行う。

 【サポートシステム】と【魔力知覚】だけに頼ってはいけない。


 先に分身を動かして角を曲がらせる。

 そうして【隠密】しているカマキリをあぶり出す。


 角を曲がる度にカマキリ探しと罠探しをさせれば、その通路は安全だ。

 一工程増えたが、結局のところ分身を使えばほとんどの危険は回避できる。


 最近は【水忍法】に浮気しているが、もともと俺は分身系忍者だ。

 便利さ特化。

 なんでもできる。



 トウコがあきれ顔で言う。


「分身てチートっスよね!」

「うらやましいですねー。私も分身さん、欲しいです!」


 リンはチートという言葉を「羨ましいもの」と認識している。


「そういえば【嫉妬】は欲しいスキルをマネできるんだよな?」

「はい。そうですね」


「じゃあじゃあ! 店長(てんちょー)の分身をコピれるかもしれないっス!」

「そうそう。リン。ちょっと試してみたらどうだ?」


 リンは少し考えると、勢いよくうなずく。


「うーん。どうやればいいのかな? でも、やってみますね!」


 リンはうんうん唸りながら、いろいろと試している。

 うまくいかないようだな。



 忍術の使い方なんて、そうそうわかるものじゃない。

 俺だってスキルがあるから使えているだけで、原理などわからない。


 少しでもヒントになればと、【分身の術】を説明してみる。


「分身は空中や水中には出せない。だから床の上に立っている姿をイメージするんだ。姿は多少変えられるけど、服装くらいがせいぜいだ――」


 スキルレベル一だと見た目だけで触れない幻影である。

 スキルレベル二からは実体のある分身が出せる。



 リンはギュッと目を閉じて、イメージを膨らませているようだ。


「床の上に……ゼンジさんの姿で……えいっ!」

「ん……?」


 いや、自分の姿をイメージしなきゃダメだろ?


 俺の姿をイメージしてどうする。

 もしできたなら、それは他者分身とでも言うべき別ものだぞ!?



 リンのすぐそばの空間が揺らめく。

 なにかが現れようとしている……?


 え? できちゃうの?

 俺にもできないのに?


 俺は自分の分身しか出せない。

 リンやトウコの姿を試したことはある。

 でもできなかった。

 想像力をかきたててもムリなものはムリなのだ。



「できましたーっ!」

「って、できちゃうのかよっ!?」


 分身が現れた。

 といっても俺の分身とはぜんぜん違う。


 なんたって、めらめらと燃えている。

 人型の炎である!



 トウコが両手を握って興奮したように言う。


「すげーっ! 燃えてるっス!」

「おお……!? 炎分身とでも言うか……」


 でもこの姿は……。

 体のラインがリンのものとは違う。

 豊かな起伏や細いくびれがなく、もっと大柄。


 男性の体形だ。

 背格好は俺とほぼ同じ。


 顔は炎がちらちらと動くので見分けにくい。


「やったーっ! ちゃんとゼンジさんの姿になってます!」


 ちょっと、本家を越えないでくれる!?

 俺は少し釈然としない気持ちで言う。


「なんで俺の姿で出せるんだ? 難しくないか?」


 リンが頬を赤く染め、恥じらうようにうつむく。


「その……私が欲しい分身さんは、ゼンジさんの分身さんなんです。自分の姿よりイメージしやすいですし……」

「なるっ! 【嫉妬】はホントに欲しいものしか作れないからっスね!」


 【嫉妬】の発動には条件がある。

 ――心から渇望する能力を一時的に使用できる。


 本当に欲しいと思うものしかマネできない。


 リンは前にも分身が一人欲しい、とか言ってたっけ。


 うーむ。

 本気だったのか、あれ。


 俺のこと好きすぎるんじゃないの?


 いやうん。そうだとは思ってたけど!

 でも、改めて言われるとすごい恥ずかしいぞ!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ストーカーチックヒロインを甘く見ちゃダメ!
[一言] 燃える男って人体発火現象みたいだなw
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