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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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対象は? 一部か全部か? 条件は? 【スキル検証】【透過】

 ゴブリンを蹴散らし、迷宮を進む。

 発見した罠はマーキング。

 うむ。順調だ。



 【透過】の検証を続けていこう。

 危うさはあるが、面白いスキルだと思う。


「さて、続きだ。さっき、クナイで壁を透過したとき、体のほうはどうなってたんだ?」

「そりゃ、体も透過してるっス! 全身スケスケ状態っス!」


 【透過】を発動させても見た目に変化はない。

 トウコが透明に見えたりはしない。



 リンが言う。


「トウコちゃん。持っている物だけを透過状態にはできないのー?」

「んー! 服だけ透過っ! ……ムリっスね!」


「ヘンな練習するんじゃない! うっかり発動したら困るだろ!」

「えっと……服だけ透過したら、体をすり抜けて脱げちゃうのかな?」


「透過能力にはよくあることっス!」


 わかったうえで狙うんじゃない!


「服が床に落ちて回収不能になるぞ!」

「帰るまで全裸縛りプレイっスね! ラッキーっスね、店長!」


「そんなのはラッキースケベじゃなくて露出狂だけどな!」


 トウコがニヤニヤしながらリンに触れる。


「リン姉の服を透過!」

「きゃっ!」


「――できないっスね! 残念っ!」


 残念!

 トウコの頭が残念だよ!



「相手の武器や防具を透過させるのは無理か。やはり、対象はトウコ本人だけだな。他人は対象外だ」

「そうみたいっス! じゃあ、自分の体だけ透過っ! 服をすり抜けるっス!」


「またそんな……おっ!?」


 トウコの服がひらひらと床に落ちる。

 ホルスターや銃も一緒だ。


 むむっ!?

 つまりトウコは全裸――!?


 リンが両手を広げて俺とトウコの間に割り込んだ。


「ちょっとトウコちゃん!?」

「お風呂に入るとき便利っス! でも靴だけ残ったっス!」


 なにそれ気になる!

 瞬間脱衣の術かよ!?


「靴だけ? 靴下もか?」

「ぜ、ゼンジさん! ダメですよっ!」


 リンが必死にガードする。

 盾役らしい見事なカバー力! 見えないぞ!



「疑問が一つ解けた。やはり足は透過しないんだ!」

「さすが店長! 靴下だけは脱がさない派っスね!」


「ちげーわ! そんな高度な趣味はない! 透過は接地している状態でしかできないんだよ!」


 リンが首をかしげる。

 ガードが緩んだぞ! じゃない!


「せっち? ええと、地面に足がついていないとダメってことですか?」

「たぶんな。これも安全装置みたいなものだろ」


「でもジャンプしながら透過できるっスよ?」

「おいおい。もう試したのか……。着地できずに落下しなくてよかったな」


「うえぇ?」


 靴下、靴、床。

 これを透過すると床を突き抜けて落下してしまう。


「つまり、地面に接して体重を支える足は透過できちゃいけないんだ。自動的に透過しないよう安全装置が働くんじゃないか?」

「そんなもんスかね?」


「おそらく逆立ちして【透過】を発動すれば、手が透過対象外になるだろうな」

「そうじゃないと、危ないですよねー!」



 トウコがうなずく。


「床をつきぬける、つまり! ゆかのなかにいる、っスね!」

「わかったなら気をつけろ! マジでそんな死に方はやめてくれ。いくらゾンビの【復活】でも埋まったら戻れないだろ!」


 トウコの【復活】にはある種の安心感がある。

 だけど、それ以上に危険なスキルが増えている気がする!


 リンがトウコの肩を掴んでゆさぶる。


「ジャンプしたらダメだからね、トウコちゃん! あーっ! あとお洋服も早く着てー!」

「あっ。忘れてたっス!」


 忘れんな!


 リンに隠れて見えないが、トウコはごそごそと服を着ているようだ。


「トウコ。あたりまえだが、ジャンプ中に透過したらダメって話だぞ。着地までに効果が切れるならいいが……事故が怖い」

「わかってるっス! はい。服も着たっスよ!」


 トウコの手の中に新たな銃が現れる。

 体から離して消えてしまった銃のかわりである。



 リンが言う。


「あ、コウモリさんが来まーす!」

「んじゃ俺がやる! 水噴射!」


 コウモリが水流にのまれる。

 トドメを刺して戦闘終了!


「さすが店長! 流れるようなコウモリ処理! 水忍法だけにっ!」

「微妙なお世辞をどうも」


 転がった魔石を拾う。

 リンが魔石を数えながら言う。


「あれー? コウモリさん、いつもより少なかったみたいですねー?」

「ん? たしかにな。いつもなら十匹くらいはいるんだけど」


 拾い集めた魔石の数が少ない。


「まー、他のモンスターに食われたんじゃないっスか?」

「そうだな。クモかカマキリだろう」


 話しながらも着実に攻略は進んでいく。

 偵察だけのつもりだったけど、検証しながら結構進んできたな!

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― 新着の感想 ―
[一言] いきなり展開がR18になりかけたw こんな時だけ忍者より素早いリンちゃん
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