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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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クローゼットダンジョン・第十七階層!

 安全な階段で休憩しつつ、自律分身を十七階層へと送り出す。


 【意識共有】の効果で、離れている自律分身の感情がある程度わかる。

 何度か緊張感や興奮を感じたので、おそらく戦闘したはずだ。


 痛みや恐怖のような感覚は来ていないので、苦戦はしていないのだろう。

 意識をそらすようにすれば、【意識共有】の遠隔フィードバックは弱まる。


 自分が戦闘しているときに集中が乱れる心配はなさそうだ。

 かなり前から自律が死亡した場合のフィードバックも受け取りを保留できるようになっているし、使い慣れてきたように思う。



 しばらくして自律分身が戻ってきた。

 俺は片手をあげ、自律分身に声をかける。


「おつかれ(自律)

「おう。近場を偵察してきたぞ。十六階層とあまり変わりはない」


「罠もあったんスか?」

「あったぞ。やはり矢の罠だ。トゲの罠はなかった」


「モンスターさんはどうでしたか?」

「同じだと思うが、まだクモは見ていない。カマキリとは戦った。あえて刀で戦ってみたんだけど、かなり強いな」


 分銅などで距離を取れば倒せるとわかっているカマキリに、あえて接近戦を挑む。

 これは練習のためだ。


 自律分身は本当の意味で死ぬことがない。

 だから命を賭けた戦いもできる。


 生身では試せない戦い方もできるってわけ。



「どんな感じだった?」

「思ったよりも腕が長くて間合いが広い。避けるなら少し余裕を持っておかないとダメだ。前脚(まえあし)は硬いから斬りつけても弾かれる。まるで鎧だな! 関節部分なら斬れるけど、少し狙うのは難しい」


 自律分身は戦闘を思い出しているのか、少し楽しそうである。


「へえ。関節が弱点か。詳しいところは【意識共有】で読ませてもらうか」と俺。

「じゃあ、解除してくれ」と自律分身。


 時間もちょうどいいだろう。


「おう。ではお疲れ、俺!」

「おう!」


「おつかれさまですー!」

「二号おつー」


 自律分身を消す。

 ――意識が流れ込んでくる。



 十六階層での出来事は聞いた通りだ。

 カマキリとの初遭遇では、見た目への嫌悪感や驚きを感じている。



 カマキリとの初遭遇の記憶か。


 少し読み込んでみよう――


 角を曲がる。

 そのとき視線の端で何かが動く。

 とっさに刀を構えるが、強い力で刀が弾き飛ばされる。


 敵か!?

 とっさに背後へ跳び、クナイを構える。


 現れたのは大きなカマキリだ。色は茶。

 壁を伝って、床へと降りてくる。


 さっきの一撃は壁面から……上からだったようだ。

 カマのような腕をそろえ、頭のあたりで構えている。


 手の中のクナイでは心もとない。

 懐のワイヤー分銅を取り出したいが……。


 間合いを取ろうとすると距離を詰めてくる。

 武器を持ち変えるスキがない!


 クナイを投擲。

 カマキリがそれを前脚(まえあし)で防ぐ。


 その隙に素早くワイヤー分銅を取り出す。



 ――ふむ。

 記憶の再生を止める。


 聞いた話より苦戦しているようだな。

 カマキリから、かなりの威圧感をおぼえる。


 その後は分銅で戦って、首を落としている。



 新しい【意識共有】はなかなかいいぞ!

 受け取る内容が前よりも濃い!


 より細かな雰囲気が伝わってくる。

 その場で戦っているかのようだ。


 これまではもっとダイジェスト感があった。

 古い記憶を思い出すような曖昧さがあったんだよね。


 まるでついさっきの出来事のように鮮明に感じ取れる。


 解像度が上がったとでも言うか。

 より濃い記憶が体験できるのだ。


 だから何だって?

 これまでとは全然違う!


 違うのは戦闘の感覚だ。

 細かな動き、体の感覚。

 距離や間合い、相手の動き。


 よりリアルに、より細かくわかる。


 敵を想定したリアルなシャドーボクシングみたいなものだ。

 あるいはバーチャル(VR)訓練。


 次に同じ敵と戦えば、より有利に戦える。



 長い記憶は短い要約のようにも受け取れる。

 順を追って読まなくても、全体の印象がわかるのだ。

 早回しで要点だけ読み取るようなこともできる。


 時間がないときは、さっと読み取れる。



 戦闘の記憶を読むとき、不安や緊張を感じたりもする。

 でも、とくにデメリットではない。


 あくまでも記憶の受け取りであり、今現在の体験ではないと認識できるからだ。

 床を転がったりして多少の痛みを感じるシーンもあったが、痛みの強弱は制御できる。


 受け取りたくない情報はボカしてしまえばいい。


 意図して受け取ろうとすれば強い痛みも感じられる。

 まあ、そんな趣味はない。

 痛みじゃなければ意味があるかもな。



 そのまま記憶を読んでいく。

 十七階層の記憶だ――カマキリと戦っている。

 細かく読まず、ぎゅっと要約するように読み取っていく。

 俺自身の理解力が落ちるわけではない。時短だね!


 要約された記憶――

 通路の角を曲がる。

 不意打ちを想定して、充分に注意する。


 やはりいた! カマキリだ!

 一撃目をかわして、戦闘に突入する。

 今回は刀がある。カマの一撃をかわし、斬り込む。


 ――刀を使った戦いの経験を受け取っていく。

 なるほどなるほど!


 カマキリの攻撃パターンや間合いがよくわかる。

 次に戦うときは、慣れたモンスターのように扱えるだろう。


 これなら、刀で戦ってもいい。

 無理することはないが、選択肢としてはアリだね!

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― 新着の感想 ―
[一言] カマキリといえば柔らかい腹部も弱点ではあるねぇ 火魔法で火だるまにすれば関係ないけどw
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