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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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十字路と扉とモンスターと!

 カマキリのいた部屋を後にして先へ進む。

 通路の幅は先ほどと変わらない。


 松明が揺らめいている。

 俺やトウコは【暗視】でクリアな視界を確保している。

 リンは【魔力知覚】があるから行動に支障はない。


 自律分身が十字路で左右を確認している。


「正面にドア。左右のどちらにも敵は見えない。通路が続いているな」

「どちらに進むんスか?」


 俺は言う。


「ドアは開けず、左右のどちらかに行こう。どっちでもいいけど、右にするか」

「はーい」


「じゃあ、分身で罠チェックしよう。


 罠探しローラーを押しながら分身が通路を進む。

 かちり、と罠の動作音が聞こえる。


 俺は分身を壁に寄せる。

 矢が通路を飛んでいく。


 発見した罠のスイッチへ蓄光塗料で印をつけていく。

 これで次に通るときは楽になる。



 リンが言う。


「この先、クモさんがいますよっ!」

「クモか……」


 通路は一本道。

 松明の明かりを反射して、きらりと糸が光っている。


 クモの巣が通路を塞いでいる。

 天井のあたりの暗がりにクモが潜んでいる。


 トウコが銃を向ける。


「んじゃ、やっちゃうっスよー」

「まてまて。コイツは放っておいて、逆の道を行こう」


 トウコが驚いた顔で振り返る。


「うえぇ? なんでっスか?」


 自律分身がうなずく。


「前後から敵に挟まれないようにだな?」

「そうだ。この通路はクモに守ってもらおうぜ」


「わあ! 名案ですねー!」


 他に進めるルートがあるうちはクモは放置でいい。

 反対側へ進もう!



 十字路の逆側へと進む。

 突き当りは行き止まりだった。


 十字路へ戻る。

 閉まっていたドアの前に立ち、分身に指示を出す。


「じゃ、ドアを開けてくれ!」


 両開きの扉を分身が押し開ける。

 俺たちは少し離れて見守る。


 かちり。


「あ、罠の音がしたっスよ!」

「矢が来る! 警戒しろ!」


 風を切る音。複数だ。

 天井のあたりから矢が戸口へと降り注ぐ。


 ドアの幅いっぱいだ。

 分身に回避行動を取らせるが、避けきれずに被弾する。

 分身が塵になる。


「おお……なかなかヤバめの罠だな」

「殺しに来てるっスね!」


 十字路の天井あたりから、斜めに矢が射出されていた。

 ドアを開けた場合、背中から撃たれることになる。


 通路の罠より、射出口からの位置が近い。

 とうぜん、命中までのタイムラグが短くなる。


 避けるのは難しそうだ。

 来るとわかっていれば、なんとか避けられるかな?


「もう一度開け閉めしたら矢が出るかな?」


 リンが心配そうに言う。


「た、試そうとしてます? あぶないですよっ!」

「ああ。ドアは開けたままにしておこう。内部の様子はどうだ?」


 トウコが耳をそばだてる。


「音はしないっスねー」

「魔力の反応は……ありますっ! ドアのすぐ横です!」


 む?

 俺の耳にも音は聞こえない。


「なんだ? カマキリか? クモか?」

「うーん。姿はぼやけていてよくわかりません」


「ぼやけている? ……隠密か!」

「そうかもしれません。どうしましょう?」


 こちらから相手の姿は見えない。

 動かずにじっとしているということは、不意打ち狙いか。


 入り口はこのドアだけ。

 さて。どうしようか?

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[一言] リンちゃんファイヤーで蒸し焼きにw
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