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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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【意識共有】の新たな効果とは!?

 今日は俺のダンジョンを攻略する。

 先日突破したボスゴブリンの先へ進む。


 いざ、十六階層へ!



 まずは偵察!

 いつも通り自律分身が単独で先行する。

 今日は【士気高揚】を付与した支給刀を持たせている。



 その間、俺たちは階段で待機だ。

 ――しばし待つ。


「お? そろそろ自律が戻ってくるぞ!」


 トウコが不思議そうに言う。


「うぇ? なんでわかったんスか?」

「あっ! 分身さんが来ましたー」


 リンが言うように、自律分身が角を曲がって小走りにやってくる。

 俺は自律分身に声をかける。


「おかえり(自律)。ヒヤッとした感じがしたんだが、なにかあったか?」と俺。

「あったけど……そっちになにか伝わったのか?」と自律分身。


 俺と自律分身はそれぞれ独立して行動している。

 遠く離れているとき、相手がどうなっているかはわからない。


 ()()()()()そうだった。


「ああ。ぼんやりとした感覚なんだけど、離れている自律の気持ちがなんとなくわかるんだ」と俺。

「気持ちって、思考が読めるのか?」と自律分身。


「いや、もっと弱い感覚だ」

「わかったっス! 店長と二号は心が通じあってるんスよ!」


 はっきりと心が伝わってくるわけでもない。


「心というより、感情みたいなものがわかる感じかな?」と俺。

「なら、いま俺が感じていることがわかるか?」と自律分身。


 意識を集中してみる。

 感じられるのは……もやもやとした感じ?


「うーむ。疑問とか不安みたいな気持ちか?」と俺。

「まあ、そういう感じだ。【意識共有】の効果なのか……とか考えていた」と自律分身。


 感情なり思考がなんとなく伝わるって感じか。



 リンが頬を染めて胸の前で祈るように手を組む。


「すごいですねー! 離れていても通じ合えるなんて、素敵ですっ!」


「いや、そんな素敵なものじゃないと思うけどな」と俺。

「一方的に読み取られるだけだしな。俺は何も感じない」と自律分身。


 トウコが元気よく手をあげる。


「はいはーい! じゃあ、あたしがなにを考えてるかわかるっスか!?」


 そう言うとトウコは口元をゆるませている。


 俺と自律が同時に言う。


「エロいことだろ」と俺。

「エロいことだな」と自律分身。


「おぉー! 正解っス! 二号(自律)にエロいことをしたら店長(本体)も反応するのかを想像してたっス!」


 予想よりもっとくだらないこと考えてた!



「一応言っておくが、他人の意識が読めるわけじゃないからな」と俺。

「トウコの考えはスキルがなくてもわかるだけだ」と自律分身。


 トウコが両手を握って興奮した面持ちで言う。


「おぉー!? あたしたち、通じ合っているんスね! 心と体が!」

「まあ……そうなるか」と俺。


 体は違うが。


 リンはさっきから静かにしている。

 目をつぶって、胸の前で手を合わせて祈るようなポーズ。

 なにか必死に念じていそう。


「ちなみにリンは今、私の心が読めますか……? と考えているな!」と自律分身。

「そ、そうですっ! なんでわかったんですか!?」


 流れから予想はつく。

 わかりやすいポーズで助かる!


「まあ……通じ合っているから、かな」と自律分身。

「素敵ですねー!」


 この流れで外すわけにはいかない!


 しかしリンの考えは読めないこともある。


 リンはまた目を閉じて、少し考えるような表情。


 今考えているのは……。

 次は何を考えて当ててもらうか、だ!


 そんな危険なゲームには乗れない!

 外した場合のリスクしかない!



 予防線を張っておく!


「とにかく、読めるのは自律分身の意識だけだ! リンやトウコの心が読めるわけじゃないぞ!」と俺。


 自律分身も追従する。

 話題を変えろ!


「さて、偵察結果を話すぞ! まずは罠についてだ。床のスイッチを踏むと、壁から矢が飛んでくる」と自律分身。

「やはり罠があったか!」と俺。


 六階層からの迷宮階層も罠が多かった。



 リンが心配したように自律分身に触れる。


「だ、大丈夫でしたか!?」

「もちろん避けたから大丈夫だ。罠を踏むと音がする。それから矢が飛んでくるまでには少し余裕がある」と自律分身。


「敵はどうっスか?」

「おなじみのゴブリン、コウモリ、クモ。それから新モンスターがいたぞ!」と自律分身。


「おおーっ! それ詳しくっス!」


 自律分身が帰ってくる直前、危機感を感じた。

 おそらく、新モンスターが強敵だったのだろう。


 自律分身を消して意識のフィードバックを受ければ詳しくわかる。

 だけど、このまま自律分身に語ってもらおう!

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[一言] 通じ会える俺と俺! 辻褄があってるようで何かがおかしい…
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