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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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血は飲んでも呑まれるな!?

 コボルドの群れを倒し、俺たちは一息ついている。


「ふう。ちょっと数が多かったな。次の敵が来る前に少し休憩しようか」


 俺の言葉にオカダたちがうなずく。

 自律分身が俺に刀を差し出しながら言う。


「じゃあ、刀を修理してくれ。ちょっと刃こぼれしたんだ」

「おう」


 刀を受け取る。

 ふむ。少し傷んでいる。


 いつもなら、武器で攻撃を受けたりしない。

 受けるとしたら、どうしても避けられないときだけだ。


 しかし今回は何度も敵の武器とかち合う状況があった。

 乱戦だったからだ。


 ま、壊れた装備は直せばいい。

 ケガをしなきゃいいのだ。


 今のところ自律分身はほとんど無傷である。

 俺はもちろんケガひとつない。


「オカダ。ここまでの戦いはどうだ?」

「楽しんでるぜー! やっぱ外の空気は違うよな!」


「ちょっと硫黄臭いけどな。余力はあるか?」

「ああ。来たときよりいいぞ! 血も飲んだしハッピーだぜ!」


「そういえばオカダはあんまり血を飲んでないよな?」

「まあな。ケガを直したり、変身を使ったりすりゃ血が欲しくなる。まだ使ってねーしな」


「へえ。そういうもんか」


 オカダはここまで、格闘技だけで敵を倒している。

 省エネ体質だ。



 コガさんが言う。


「私はずっと喉が渇いて……ちょっと辛いです。これ、力のせいなんですか?」


 コガさんが、血をまとわせた腕を見せながらオカダに聞く。


「そりゃそうだろ? 血を使ったらその分、補充しなきゃなー」

「そんな先入れ先出しみたいなシステムなのかよ!?」


 トコロテンか!?


 自律分身が言う。


「魔力は使わないのか?」

「それも使ってんじゃねーの? 知らんけど」


「知らんのかい!」

「魔力……はわかりませんが、力を使うと血が欲しくなりますね」


 コガさんも魔力について、よくわからないようだ。


「ゼンゾウは魔力を使ってるんだろ? どんな感じよ?」

「うーん。俺も正直、よくわからないんだよ。使いすぎると具合が悪くなってくるから、魔力というリソースがあることは確かだ」


 俺も魔力は体感しにくい。

 【魔力知覚】がないから、なんとなくで使っている。


「そーいうもんか」

「けっこう雑なもんだぞ。一応、魔力を使うイメージで力を振り絞ると術が強くなったりもする」


 魔力を集めるイメージや、激しく燃やすイメージ。

 スキルは常に同じ効果ではなく、多少のブレがある。

 無理して使うと消費コストが増えたり、制御しきれずにダメージを受けたりする。


 危険だし、あまり多用するものではないと思っている。

 二人に細かく伝えることではないだろう。



「魔力だとかイメージだとか、俺はあんまり考えたことねーなー」


 俺はそんなことばっかり考えてる気がする。

 気にならない人のほうが多いのか……。



 コガさんがオカダに聞く。


「オカダさん。血はたくさん飲んでもいいんですよね?」

「飲みすぎてハイになっちゃダメだぜー? ほどほどに楽しむんだ。酒と同じだな!」


 血は飲んでも呑まれるな、ということだな。


 俺は修理の終わった刀を自律分身に返しながら言う。


「コガさんは血に酔っているように見るから、心配だ」

「あ、あはは……自覚はあります。でも、飲んでも飲んでも飲み足りなくて……」


 オカダが言う。


「そりゃ、飲んだ先から使ってるからだろ?」

「だって、そうしなきゃ敵を倒せません!」


 コガさんは素手でなぐりつけたり、武器を使ったりできない。

 攻撃全てが血の力になっている。


 魔法使いみたいなものか。

 魔力が切れたらできることが減ってしまう。


 そういうことなら、リンのように立ち回ればいいのだ。


 俺はコガさんに言う。


「力の使いどころを考えてみたらどうだ? 残っている力を計算しながら使うんだ」

「計算……うーん」


 コガさんは眉を寄せて考え込んでしまう。

 あまりしっくりいかない模様。



「まあ慣れよ、慣れ! やってりゃわかるって!」

「そうですよね? やってみます!」


 オカダは細かいことは気にしない派のようである。

 そしてコガさんもそっち派らしい!

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― 新着の感想 ―
[一言] イケイケ派は慣らすのが大変だな… 使って足りない→補充に狩るの無限ループでは専用の狩り場でもないとw
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