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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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魔石の使い道がないなら、作ればいいじゃない!

 移動しながら戦闘をくり返す。

 コガさんはさっきまでの逃げ腰が嘘のように、敵を見つけては突っ込んでいく。


「あははっ! 見てください! こんなに簡単に倒せますよっ!」

「いいねえ! どんどんやっちゃおうかー!」


 オカダも楽しげに拳をふるっている。


 敵の数は多くない。

 俺が戦わなくても手は足りている。


 とはいえ、なにもしないのもヒマである。

 せっかくなので、武器庫から持ってきた投げナイフを試そう。


 腰袋から取り出したナイフを手のひらに乗せて――投擲!


「ていっ――うん。悪くない!」


 投げたナイフがコボルドの喉を貫く。

 狙い通り!

 ダメ押しでもう一本!


 コボルドが倒れて、魔石に変わる。

 俺はナイフと魔石を拾う。


 ついでに、二人が倒した分も引き寄せて回収。

 二人は魔石には興味がないようだ。


 トウコのように魔石に食欲をそそられていない。

 俺のように素材としての魅力も感じていないようだ。


 普通なら魔石は外に持ち出せない。

 厳密に言うと、悪性ダンジョンからダンジョン領域へは持っていける。

 その先、現実世界に持ち出せないのだ。


 境界線を越えるとすぐに、魔石は塵になって消えてしまう。

 悪性ではない普通のダンジョンの場合は、そもそも入口にひっかかって出られなくなる。

 どちらの場合も魔石は持ち出せない。



 でも魔石の使い道はある。

 この場でクラフトに使うのだ。


 【忍具作成】で加工した品は、実は持ち出せる。


 ショッピングセンター事件のとき、武器を持ったまま領域外に出ていた。

 悪性ダンジョン領域は、いわばダンジョンと現実世界の中間。

 ここを経由することで、クラフト品を持ち出せてしまうのだ。


 ちなみに収納に入れたクラフト品も現実世界で取り出せる。

 吸血鬼の売人と戦ったとき忍者刀で戦ったしな。



 しかし、ポーションはいずれの方法でも取り出せない。

 ……というか、取り出そうとするとヤバい感覚を覚えるのだ。


 外に出してはいけない、使ってはいけない。

 そういう強い警告の感覚……。


 ポーションは、悪性ダンジョン領域ですら、この感覚がある。


 普通のクラフト品にはこの警告感がない。

 つまり、禁止度が低いか、そもそも禁止されていないのだろう。



 というわけで今回は【中級忍具作成】で武器を作る!

 素材は投げナイフ数本。それと充分な数の魔石。


 作るのはクナイである。

 やはり使い慣れたものがいいよね。



 オカダとコガさんが周囲の敵を片付けてくれているので、ゆっくりクラフトに励める。

 ついでに【自律分身の術】も使っておこう。

 この術は前にオカダに見せているし、隠す必要はない。


 【水忍法】や【精神耐性】は万一を考えて伏せている。

 二人が裏切ると考えたくはない。

 だが、そういうことも想定しておく必要がある。


 俺だってお人よしのお花畑ではない。

 一応の備えである。



「自律分身の術! とりあえず見張りを頼むぞ、(自律)

「任されたぜ、(本体)!」


 俺は刀を自律に手渡す。

 余分な武器がないので、作ってしまおう!


 【忍具作成】君は一発で作成してくれた。

 めずらしく()()()忍具である!


 ん……?

 いやいや、いつもだって忍具を作ってますけどね!



 コガさんが少し先で振り返っている。

 顔を紅潮させ、待ちきれない様子だ。


「ゼンゾウさーん。はやく先へ行きましょう!」

「すぐ行く! あんまり離れないでくれ!」


 オカダがコボルドの顔面を拳で打ち抜き、爽快そうな表情で言う。


「ふうっ! 今日はやり放題だ! アガるぜェ!」

「おう! おかわりもいいぞ!」


 モンスターを狩り続ければ、いずれボスモンスターが現れる。

 あるいは、こちらからボスを探してもいいだろう。


 コガさんは戦闘に慣れて、すっかり楽しんでいる。

 楽しみすぎているのは気になるが……。


 だけど、戦えないという心配はなくなった!

 一歩も二歩も前進である!

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[一言] めずらしく普通という事はいつもはトンデモ…
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