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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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戦うべき日はやってくる!? 逃げちゃダメだ!

 コガさんは【庇護(ひご)】というスキルを持っている。

 だが使い方はわからないらしい。


「そういえば【庇護】のスキルレベルはいくつなんだ?」

「えーと。四段階です。あとは【吸血】が三段階で……」


 ダンジョン外でも使える強さである。

 事前情報通りだ。


「コガちゃん。レベルはいくつだ?」

「十ですね」


 レベル十!?

 今日が初のダンジョン戦のはずなんだが。


「そんなにあるのか!? 戦ったことないんだよな?」

「え? おかしいですか?」


 オカダが言う。


「あ、それな。俺も最初からそのくらいあったぞ」

「吸血鬼になると、レベルも上がるのか?」


 オカダは肩をすくめる。


「知らんけど、そうじゃねーの?」

「ふーむ。そうなのか」


 なんかズルくね?


「なりそこないの連中はレベルが足りなかったのかもな」

「ああ。そういうことか」


 選ばれた者だけが吸血鬼に変われる。

 そんなことをオカダは店で言っていたっけ。


 赤いクスリを摂取することで、吸血鬼になるための下地を作る。

 いわばレベル上げ。体づくり。


 準備が整っていれば、吸血鬼になれる。

 足りなければ知性のない吸血鬼になってしまう。



「てことはステータスもあるんだな。戦えそうか?」

「いえ……。戦う力なんてありません……」


 彼女は武器を持っていない。

 訓練したが、まともに扱えなかったそうだ。


 公儀隠密で戦闘の訓練は受けたと聞いている。

 だから完全な素人ではない。


 しかし、心構えが足りないようだ。

 自信がなさすぎる。積極性とでもいうか……。


 これはある程度、しかたがないことだ。

 当初の予定ではもっと訓練してから実戦へ出す予定だった。

 血液パック事件のためにデビュー戦を早めたのだ。


 今回のダンジョンは難易度が低い。

 ダンジョン領域に湧くモンスターの強さや数から、予想できていた。


 つまり練習にはうってつけの場所である。

 じっくり時間をかけて慣らしていけばいい。



 オカダが言う。


「戦い方なんて、考えなくたっていいだろ。テキトーにぶん殴ればいい!」

「そういうのは……」


 コガさんの声は小さくなり、最後はほとんど聞こえない。

 うーむ。

 性格的に戦いは向いていなそうだ。


 戦いは勢いみたいな部分もあるから、やってみるしかない。



 そうしている間に煙の向こうからコボルドがやってきた。

 俺たちを見つけ、吠え声を上げて走ってくる。


「ワゥーッ!」



 オカダがコガさんの背中を叩く。


「じゃあコガちゃん! ちゃちゃっとやっちゃってー」

「ええっ……私ですか? むりむりむりむり!」


 コガさんは頭をいやいやと振っている。


 俺はオカダを見る。


「大丈夫なのか?」

「まあ見とけって! ゼンゾウは心配しすぎじゃねーか?」


 いや……。普通心配するだろ。

 吸血鬼とはいえ、初戦だからな。

 初めからうまく戦えるとは思えない。


 フォローできるように準備しておこう。



「ガウォッ!」


 コボルトが棍棒を振り下ろす。

 コガさんはからくもそれをかわす。


 お、いいぞ!


 しかし――


「ひ、ひええっ!」


 コガさんは背を向けて逃げだしてしまった。

 コボルドが彼女を追う。



 オカダが叫ぶ。


「おーい! 逃げてどうすんだ!」


 むう……。

 ただ見ているのはじれったい!


 彼女はなんとか逃げ続けている。

 このままで、戦いになるのか?

 やはり助けに入ったほうがいいんじゃないか?


 目的あってのことだけど、どうにも……。

 放っておくのは悪趣味に思えるんだよなぁ。

 過保護すぎるだろうか。


 俺はいつでも助けられるように術の準備をする。

 本当にピンチになったら、なんとかしてみせよう!

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― 新着の感想 ―
【庇護】が【魅了】系の精神攻撃スキルなのはわかった。 “吸血鬼になりたくない”っていう思いが、他者からの保護欲を掻き立て、庇護されやすくなるスキルになったということですか。 自覚症状が、ない状態で無意…
[一言] 選ばれしもの…なんかかっこいいけど吸血鬼だとなんかやだな
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