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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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竪穴をくだろう!

 横穴の次は竪穴だ。

 道とは呼べない、ただの垂直の岩の切れ目である。


「うえぇ? こんなトコ進むんスか?」

「空気の流れがある。どこかに続いてそうではあるな」

「だ、大丈夫でしょうか?」


 両手と両足を突っ張れば、なんとか上り下りできそうな幅だ。

 所々に足場にできそうなでっぱりが見える。


 穴の下部は暗くなっていて見えない。

 引っかからないように、刀を収納にしまっておく。

 ヘルメットは邪魔だが、脱ぐわけにもいかない。


「とりあえず俺が先に行く。進めそうなら戻ってくるから、ちょっと待っていてくれ」


 俺一人ならすぐに行き来できる。

 落ちたりする心配もない。


 リンが心配そうに言う。


「はい。気をつけてくださいね!」

「いてらー」

「おう」


 俺はひらひらと手を振っているトウコに手をあげて応え、穴を降り始めた。



 壁を伝ってするすると降りていく。

 足場の強度も問題なさそうだ。


 幅はほぼ同じ。

 急に狭くなったり広くなったりはしない。


 少し降りたところで、足元に何もなくなる。

 壁に張り付いているので落下する心配はない。



「ふーむ。ここはどこかの通路の天井だな? 飛び降りるには少し高いな……」


 首に巻いたヘッドライトの明かりで床が見える。

 俺なら飛び降りても着地できるだろう。


 リンやトウコはどうだろうな。

 このあたりからロープをたらして、伝って進むほうが安全だろう。


 さいわい、壁はごつごつしているので、ロープを結び付けられそうだ。

 いや……この高さなら【入れ替えの術】で届く。

 こっちのほうが早いし、安全だな!



「その前に……下を確認しよう!」


 戻る場所がわからなくならないように、岩の裂け目に蓄光塗料で目印をつける。

 これでよし!


 天井から壁を伝って床へと降りる。

 降りた先で左右を見回す。


 ふむ。

 どことなく見覚えのある通路だ。


 岩でできた洞窟なんて、どこも同じようなものだが、見なれればわかるものだ。

 少し周辺を歩いてみる。


 やはりそうだ。間違いない。

 ここは前に通ったことがある。


 十五階層へ続く階段の手前の、少し通路が広くなっている場所だ。

 へえ。ここへ出るのか。

 前に来たときは全く気付かなかった。


 天井の穴からルートが広がっているなんて、気づくわけないよなぁ……。



 さて、帰り道はわかった。

 二人を迎えに行く。

 リンとトウコも問題なく降りることができた。


 これで今日の探索は終了!

 俺たちは無事にダンジョンを脱出した。



「久しぶりに俺のダンジョンを攻略したけど、どうだった?」

「足をひっぱっちゃったかもしれません……でも、楽しかったです!」


 手なら引いてエスコートしたけど、足をひっぱったなんて思っていない。


「怖くていやだったんじゃないかと思ったけど、楽しめたならよかった!」

「はいっ!」


「トウコはどうだ?」

「激流下りはいいっスねー! もう一周行きたいっス!」


「あー。そのうち、置いてきたボートを回収しなきゃな……」


 クモが湧く前なら、水路の壁を伝っていける。

 あるいは天井の穴から逆走してもいい。



 トウコが続ける。


「暗いし狭いけど、挟まれるのは悪くないっス!」

「狭いところに挟まるのは怖いなー」


 トウコが言ってるのは洞窟に挟まる話じゃないと思うけどな。


「腰がいかれそうだから、飛び乗るのは勘弁な!」

「美女二人を乗せたら腰がどうにかなるのはしゃーないっス!」


 そういう意味じゃないし、しょうがなくないわ!



 探索を終え、ダンジョンを出る。

 明るく清潔なアパートの部屋に戻るとほっとするね。



 水路を攻略して、岩を登ったり、下ったり。

 普通だったら危険で辛い道のりだ。


 それでも楽しかった。

 ダンジョン攻略は趣味なのだ。

 楽しくなきゃ、続けられない。


 こうしていつまでも楽しい探索を続けていきたいと思う!

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― 新着の感想 ―
[一言] 人って自分の目線の上のものってあまり見ないと本で読み考えてみると実際そうだった… せいぜい寝るときの天井くらいかな
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