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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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開封! 隠し宝箱!

 未開封の宝箱の前でリンとトウコが待っている。


 結局、ちゃんとした足場の上にあったな。

 ここが隠しエリアみたいなものだし、さすがに水中になど隠さないか。



 罠を警戒して分身で開封しよう。

 いつもの手順である。


「さて、開けるぞ! 少し離れてくれ!」


 分身が宝箱を開封。

 罠はないようだ。


 中身は――石。

 これはおなじみの鉄鉱石か?


 こぶし大の鉱石で、結晶のような金属が露出している。

 いつもの鉄鉱石との違いはわからない。



 トウコが残念そうに言う。


「あー。石っスかー」

「そう言うな。鉄鉱石はいくつあっても困らん。リン。一応、鑑定してくれ」


「はーい。システムさーん!」


 【サポートシステム】が空中に現れて答える。


<名称:上質な鉄鉱石。カテゴリ:素材>


「おーっ! 上質(じょーしつ)っ! これはいい石っス!」

「見た目はいつもの鉄鉱石と変わらないけどな」


 上質と言われればそんな気がする程度。



 リンが首をかしげる。


「うーん。鉄の質がいいんでしょうか?」

「鉄の純度とか? アイテム的な効果が違うのかもな」


「ハクスラっぽいっスね! 上質(じょーしつ)とか頑丈(がんじょー)とか!」

「わかりやすくていいですねー」


 そのままの意味だからな。

 ハックアンドスラッシュ系のゲームではアイテムに修飾子がつくことがある。

 確率で良いアイテムが出るのだ。

 それを収集するのもハクスラの醍醐味である。


 今回の鉄鉱石は上質(じょうしつ)という修飾がついている。

 通常の品より性能がいいはずだ。


 素材なので見ても違いはわからないが、クラフトすればわかるだろう。

 これも帰ってのお楽しみだ!



 俺のダンジョンではアイテムは固定配置なので、ハクスラとはちょっと違う。

 アイテムにランダム性はない。


 敵からのドロップも常に魔石で固定されている。


 その代わり、宝箱の中身も定期的に再配置される。

 この『上質な鉄鉱石』もまた手に入る。


 日課の周回ルートに入れよう。

 ここへ来るのはちょっと面倒だけど。



「さて、じゃあ岩を登ってみようか」

「りょ!」

「はーい」



 岩をよじ登り、上を目指す。

 先に俺が登って、二人をひっぱりあげる。


 その繰り返し。



 振り返ればかなりの高さだ。

 水面はもう見えない。


 落ちたら大ケガだ。

 一段くらいなら問題ないが、下まで転げ落ちたりしたら……。



 俺の手を握ったままでリンが言う。


「えへへ。なんだか楽しいですねー」

「そうか? 怖くないならいいんだが……」


 てっきりリンは怖がると思っていた。

 しかし、そうでもないようだ。

 楽しそうに微笑んでいる。


「手をつないでもらうと安心です。ずっとこういう道でもいいです!」


 リンは満足げな顔で言う。


「そ、そうだな」


 手をつなぐのはいいけど……ずっとこんな道なのはちょっと!



 トウコが身軽に岩をよじ登りながら言う。


「空気が読めるあたしは店長たちがイチャついてる間にどんどん登るっス!」


 口に出したら空気読めてないけど!


「気をつけろ! ゆっくり登れ!」

「とうっ!」


 雑なジャンプはよせ!


「店長! 上まで競争っス! 負けたほうが言うことを聞く!」

「断る! どうせロクなこと言わないだろ!」


 トウコがばっと手のひらを向けてポーズを取る。


「だが断れなかった! 知らなかったっスか? あたしからは逃げられない!」

「いや、知らんわ!」


 空気読むんじゃなかったのかよ!?



 そしてなぜかリンがやる気を出している。


「ゼンジさん。負けないように急ぎましょう!」

「お、おう!」


 急いで引き上げようとすると、ちょっと不都合がある。

 勢いでぶつかりそうになるのだ。


 むしろリンのほうから身を寄せてくるというか……。

 ヘルメットがこつんとぶつかる。


「もっと強く引っ張ってください! 負けちゃいますよー!」

「おう!」


 まあ、不都合なんて全然ない。

 段差を引き上げ、体を支える。

 そのまま次の段差を駆け上がり、手を引いてエスコート。


 だんだん楽しくなってきた!

 俺たちはまるでダンスでも踊るように、岩を登り続けた。

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[一言] トウコは大魔王だったw いやゾンビだけど
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